「留守番」や「おつかい」をお願いする前に注意しておきたいこと
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セコムの舟生です。
寒い日が続いていますね。
インフルエンザの流行も勢いを増し、流行の"警報レベル"に達する地域も出てきています。
今後、インフルエンザの流行は広がっていくと懸念され、子どもたちの感染機会も多くなりますから、手洗いやうがいを徹底しましょう。◆参考記事
⇒インフルエンザ予防の基本をおさらいしましょうさて、年度の終盤を迎えるこの時期、進学や進級に備えて心の準備を始めたいところ。子どもの成長に合わせていろいろなことにチャレンジさせ、少しずつ自信や自立心を養ってあげたいものです。
春になったら、留守番やおつかいデビューを考えている親御さんもいらっしゃると思います。子どもが安全に「はじめて」を遂行するには、ポイントを押さえてきちんとシミュレーションしておくことが大切です。今回はこの「留守番」「おつかい」をお願いする際の注意点を整理してみたいと思います。
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▼ 子どもの「留守番」はルール化することが大事
留守番に慣れていないお子さんに、「すぐ帰ってくるから!」「おとなしく待っていてね!」というだけでは留守番中に心細くなってしまうかもしれません。たとえ頼れるお兄さんやお姉さんがいたとしても、すべてを任せるのではなく、留守番初心者のお子さんにきちんと向き合って話をしましょう。あらかじめ考えられることは、きちんとルール化しておくと、お子さんも迷いません。ただ禁止行為を押し付けるのではなく、「困ったことが起きたらどうするか」という視点から、具体的に伝えるのがポイント。たとえば以下のようなことです。
○ もしも誰かが来たら?
誰が来てもドアは開けないのが基本。
インターホン越しに相手を確かめて、あらかじめ決めた相手にだけ対応させるといいと思います。このとき、応対してもいい場合と応対の仕方については具体的に説明したほうが、子どもにはわかりやすいものです。近所の人、宅配便業者など、あらかじめ訪れそうな人を思い起こして、それぞれ具体的な対応の仕方を説明しましょう。不慣れなうちは、たとえ誰が来ても全く対応しないという選択肢もあります。ただし、悪意を持った人が留守を確認しているという可能性も無くはないので、可能であれば「お母さん(お父さん)は今、手が離せないと言っているので、あとでまた来てください」など、子どもだけで留守番をしていることを悟られないように対応させるのがいいでしょう。ドア越しの場合も、チェーンは絶対に外してはいけません。
○ もしも電話が鳴ったら
自分で電話に対応できるお子さんであれば、訪問のときと同様に「お母さんは今、手が離せないのであとで掛けなおします」と言うのがいいでしょう。きちんとした対応が難しいようであれば、「あらかじめ留守番電話に設定しておく」「親からの電話以外には出ない」などのルールを決めたほうがいいと思います。
インターホンや電話での対応も、いきなりできるようになるわけではありません。実際に留守番をする前に、「もしこういうふうに言われたらどうする?」「こんな人が訪ねてきたときは?」と、いろいろなパターンでシミュレーションし、少しずつ実践していくことをおすすめします。
▼ 冬の留守番は火気に注意!
この時期、子どもの留守番でもっとも心配なのは火災。
留守番をさせている間に火災が発生し、子どもたちが命を落とす事故を毎年のように耳にします。留守番させるにあたっては「もし火遊びをしたら、命に関わることになるから絶対してはいけない」ということを繰り返し伝えなければなりません。同時に、火遊びの道具になりやすいライターやマッチなどは、手の届く場所には置かないことが基本。今の置き場所が適切かどうか、留守番させるにあたって見直してみてください。
万が一、留守中に火災が発生した場合には、とにかく逃げること。そして、すぐに大人に知らせることを徹底して言い聞かせてください。子どもにも、それくらいの一大事であることが伝わりますし、自分で消火しようとして逃げ遅れる事態を抑止することにもなるはずです。
また、お子さんに留守をお願いするときには、火災の危険性の少ない暖房器具を使うようにしてください。電気ストーブでも、燃えやすいものがそばにあれば、火災につながることがあります。「触ってはだめ!」だけで済ませるのではなく、留守番にあたってはいっそう厳重な火気の管理が必要だということを、保護者の方も心得てください。
▼ 子どもだけでの買い物は「見守り」からスタートを
人気のテレビ番組があるように、はじめての時は子どもにおつかいを頼んで、後ろからそっと様子をみながら付いていく...ということをする親御さんも結構いると思います。ただし、はじめておつかいに行かせるのなら、事前にシミュレーションしておくことも必要。「知らない人から話しかけられたらどうする?」「道に迷ったらどうする?」「道路はどこを歩いたらいい?」など、ひとりでおつかいに行くときに起こりうる状況を想像して練習してみてくださいね。実際におつかいにいくときは、ポイントを把握しておくと子どもの防犯力アップに効果的です。
○ 行き先は慣れたところから
はじめてのところでは戸惑ってしまいますから、普段から親御さんと行き慣れている場所を選びましょう。最初は、交通量の多い道路などがあるルートのお店は避けてください。○ 子どもの報告を聞く
子どもが帰ってきたら、観察結果と照らし合わせながら報告を聞きましょう。危険な行動を取っていても、子どもは「ちゃんとできたよ!」というかもしれません。ただし、その場で注意したり叱ったりするのではなく、機会をみて教えてあげてください。子どもの自信を砕かないようにすることも大事です。
こうして、"見守りつき"のおつかいを何度か繰り返して、少しずつ子どもの能力を高めていきましょう。「あぶない!」「だめ!」と声をかけたくなるシーンも多いと思いますが、なるべく見守る姿勢に徹するのも親の役目です。そして無事帰ってきたら、うんとほめてあげてくださいね!
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留守番やおつかいは、子どもの自立を促すにあたって、とてもいい練習になります。しかし、親が知識を教えるだけでは不十分です。応用力をつけていくためには、実践を交えて少しずつハードルをあげること、自ら考えさせることが重要。親は正解を教えるのではなく、フォローの立場に回りましょう。しかし、無理は禁物です。個人差がありますから、お子さんの性格や成長度合いを見極めて、少しずつ慣らしていくようにしてくださいね。
2013.01.21