子どものトラブルが急増!スマホ・SNSを安全に使うには
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セコムの舟生です。
子どもたちの間にも、スマートフォンの普及がどんどん広がっています。
内閣府が行った平成28年の調査では、小学生の約3割がスマートフォンを所有しているという結果が出ています。そのわずか3年前の平成25年の調査では、1割にも届いていませんでした。
これからもスマホを持つ小学生が増えていくことが予想できます。
近い将来、「持っていない子のほうが少数」という時代が来るのかもしれませんね。
また、子どもがトラブルに巻き込まれるケースも増加しています。
警察庁のまとめでは、SNSを利用して犯罪被害にあった18歳未満の子どもの数は、4年連続で「過去最高」を更新しており、被害者の9割はスマホを利用していました。
お子さんにスマホを持たせている保護者や、持たせることを検討している保護者にとって、見過ごすことはできない状況だと思います。
そこで今回は、スマホやSNSを利用するうえでの安全対策をまとめます。
なぜ犯罪被害に巻き込まれるのか、どうすれば防ぐことができるのか...。中学生、高校生になってからも必要な知識です。
安全のための基礎を、親子でしっかり学んでおきましょう。
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▼ SNS利用で考えられるトラブル
SNSはとても便利なコミュニケーションツールです。
スマホユーザーに人気の、無料通話アプリやチャット型アプリは、気軽に交流ができるのが魅力ですね。
しかし、その気軽さや手軽さがあだとなって、トラブルに発展しているケースがあるのが実情。
総務省が発表しているインターネットトラブル事例集から、よくあるSNSトラブルを見てみましょう。
・SNSで知り合った人に実際に会ったら、犯罪被害にあいそうになった
・友人とのメッセージをもとにネットで知り合った人から待ち伏せされた
・友人とシェアするつもりで写真を投稿したら、個人が特定されて知らない人に付きまとわれるようになった
・無料通話アプリのグループで、悪口を言われたり仲間はずれにされたりした
・連日遅くまで友達とやり取りしていて、体調や学校の成績に影響した
いつでもどこでも友達と交流できる楽しさは、子どもたちにとって魅力的なことですので、夢中になってしまう気持ちもよくわかります。
しかし、ひとつ使い方を間違えると、こうしたトラブルに巻き込まれてもおかしくはありません。
▼ インターネット、SNSの特性を理解させる
無料通話アプリなど、短い文章のやり取りが中心のコミュニケーションは、便利ですが、言葉を誤解して受け取られたり、相手を傷つけたりしてしまうことがあるのです。
グループ機能などを利用した閉鎖的な人間関係の中では、ちょっとした行き違いが深刻ないじめやトラブルに発展してしまうことがあり、子どもたちをめぐる社会問題のひとつとも言えるでしょう。
またSNSはインターネットを介在したコミュニケーションですので、「誰に見られるかわからない」という怖さもあります。
設定によっては個人情報がもれたり、悪用されたりすることも考えられます。
SNSで知り合った人にだまされて、性犯罪被害にあったり、裸の写真を送らされたり、悪質な犯罪の被害者になるケースもあとをたちません。
SNSを利用したことで犯罪に巻き込まれるかもしれないことを、お子さんにしっかりと理解させることが肝心。
「仲のいい友達しか見ていない」「これくらい大丈夫」という安易な判断が、取り返しのつかないトラブルのきっかけになることが多いことを繰り返し教えてください。
<SNSの特徴>
・文字のコミュニケーションは誤解されやすい
相手の表情が見えないコミュニケーションは、感情が伝わりにくく、誤解が生じやすいことをよく理解させてください。
たとえば「おもしろくない?」と「おもしろくない」、違いは「?」ひとつですが、ニュアンスは真逆ですね。
くだけた口語体の文章を、誤解されないように文字で表現するのは、大人でも難しいもの。
対面するとき以上の配慮や慎重さが必要です。
・世界中の人に見られている
SNSに投稿したメッセージや写真は、知り合いしか見られない設定にしていても、友達がシェアしたり、転送したりすれば、あっという間に広がって、見知らぬ人や見てほしくない人が目にすることも考えられます。
SNSは決して閉じられた世界ではありません。
インターネットの情報は誰でも見られること常に意識させましょう。
・うその情報も混じっている
SNSはプロフィールを偽って登録することもできます。
年齢や性別、写真はうそかもしれません。どんなに親切な人でも、SNSなどで知り合った人に心を許して、実際に会ったり、写真を送ったりするのは、絶対にしないよう約束させなくてはなりません。
悪意を抱く者にとっては、子どもを信頼させるような優しい言葉をかけたり、気が合うフリをしたりするのは簡単なことなのです。
・一度出回った情報は消すことができない
SNSに書き込んだメッセージや、投稿した写真などをインターネット上から消すことはできません。また、SNSは匿名性が高い一方、実は誰が投稿したかを特定するのは簡単なことです。
顔がはっきりわかる写真や、個人が特定できる情報などはもちろんのこと、発言ひとつとっても、「これを投稿しても大丈夫かな?」と考える習慣をつけましょう。
▼ フィルタリングとSNSの利用設定は保護者の責任
子どもがスマホを利用する際は、携帯キャリア各社が提供するフィルタリングサービスのほか、Wi-Fi通信にも対応したブラウザ型のフィルタリングの設定も必要です。
最近はフィルタリングも、細かくいろいろ設定することができ、フィルタリングをしながら特定のアプリを使うなど、カスタマイズも可能です。
お子さんの使い方や成長度合いにあわせて、安全に使えるよう設定してください。
無料通話アプリやチャット型アプリなど、SNSをスマホで利用する場合は、保護者がお子さんにあった設定や機能制限を行ってください。
情報公開の範囲、プライバシーの設定などは、特にしっかり見ておく必要があります。
保護者が使い方や設定の仕方がわからないアプリは、お子さんに使わせるべきではないと思います。
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子どもにとって楽しみのひとつであるスマホやSNS。
何事も娯楽には「限度」が必要です。
安全に使うためには、自分を律する力や正しく判断する力を育んであげることが大切だと思います。
楽しみにのめり込みやすい年ごろですので、使う場所や時間、やってもいいことと悪いことなど、事前にしっかりとルール化しておきましょう。
また実際にお子さんに利用履歴をオープンにさせることをおすすめします。
中学、高校と年齢を重ねてから厳しいルールを課してもうまくいかないことが多いですが、小学生のうちからインターネット利用のルールを厳格化しておけば、お子さんも受け入れてくれるはずです。
お子さん任せではなく、保護者が管理・監督して、制限のある使い方を"当たり前"にしておきましょう。2017.09.28