ウチの子は大丈夫?実録!子どものインターネットトラブルと対処法
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セコムの舟生です。
子どもとインターネットの関係は、年々親密になっていくようです。
小さな頃からパソコンやスマホに親しみ、小学校ではパソコンやインターネットの使い方を習います。タブレット端末を導入している学校もありますね。
高学年になると、自分の携帯電話やスマホを所持しているお子さんも珍しくありません。子どもの防犯のプロとして、子どもとインターネットの関係性に注目してきましたが、年々インターネットを通じて巻き込まれるトラブルの種類が増えると同時に、問題が複雑化しているように思います。
そこで今回は、実際に起きたインターネットトラブルの事例をもとに、傾向と対処法をご紹介します。
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▼ 子どものインターネットトラブルはなぜ深刻化しやすい?
ネットいじめ、高額請求、児童ポルノ、個人情報流出...など、子どもたちが巻き込まれるインターネットトラブルはさまざまですが、インターネットトラブルが複雑化、深刻化しやすい理由として以下のことが挙げられます。○ インターネットは情報伝播力が強い
○ 相手の顔が見えないため、行動がエスカレートしやすい
○ 親や教師が見えない場所でトラブルに発展するので、気づきにくい子どもは、インターネット上の情報の真偽を見分ける力や、インターネット上の行動に対する責任や判断力が不十分です。
子どもの未熟さとインターネットの特性を理解したうえで、きちんとペアレンタルコントロールをおこなわないと、いつなんどき、取り返しの付かないトラブルに巻き込まれるかわかりません。子どもたちのインターネット利用には、大きなリスクがともなうことを忘れてはならないのです。
▼ 子どものインターネットトラブル事例
内閣府の「平成25年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、パソコンでインターネットを利用している小学生は約92%、携帯電話・スマートフォンでインターネットを利用している小学生は約45%。メール以外の用途としては、「ゲーム」「調べ物」「音楽や動画などの閲覧」が多く、前年度調査と比較すると「SNS サイトやチャットなどのコミュニケーション」なども増えてきています。
総務省の「インターネットトラブル事例」や国民生活センターに寄せられた相談などの中から、代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
対処法もあわせてご覧ください。
【事例1:個人情報流出・ウイルス感染】
>オンラインゲームの裏技や攻略法を無料でダウンロードできるサイトにパソコンからアクセスした男子児童。攻略法をダウンロードしたものの、後日ウイルスに感染したことが判明。オンラインゲームのIDとパスワードが盗まれたうえ、オンラインゲーム会社から多額の請求が届いた。このサイトの存在を教えた友人も同様のトラブルに巻き込まれた。⇒対処法:
パソコンのセキュリティ対策が不十分なまま、安全性を確認できないサイトにアクセスすれば、誰にでも同じトラブルが起こりえます。ウイルス対策ソフトやソフトウェアを常に最新に保つとともに、無料をうたってダウンロードさせたり、個人情報に該当することを入力させたりするサイトは、危険が潜んでいる可能性があることを教えておきましょう。
【事例2:長時間利用による日常生活への影響】
>オンラインゲームにハマっている男子児童は、夜中でも親に隠れてこっそりゲームで遊んでいる。参加しないと仲間はずれにされるのではないかと心配で、途中でやめられない。その結果、寝不足が続いて学校の授業にも集中できなくなっている。⇒対処法:
インターネット上にはゲーム以外にも、無料通話アプリ、動画視聴など、子どもがハマりやすいものがたくさんあります。子どもが依存しすぎないよう、保護者がきちんと管理する必要があります。利用時間をルール化するとともに、「やめどき」についても教えてください。「いますぐやめなさい!」ではなく、画面を見て子どもがやめやすいタイミングで「ここまでね」と声をかけると、聞き入れやすいはずです。
【事例3:高額請求】
>「無料」のオンラインゲームサイトに携帯電話からアクセスして遊んでいた女子児童は、アイテムの購入は有料だということを知らず、何百個も購入してしまい、15万円を請求された。>携帯ゲーム機で遊んでいた児童は、ゲーム機からソフトをダウンロードできることを知り、親に無断でクレジットカードを使用。ゲームソフト代金24万円を請求された。
>親のスマートフォンでゲームをしていた児童は、表示されるアイテムに次々タッチしてゲームを進めていったところ、後日32万円もの請求が届いた。
⇒対処法:
高額請求トラブルに巻き込まれる子どもは、遊んでいるゲームの仕組みや、クレジットカードについての知識が不十分なケースが多いようです。クレジットカードは現金で買い物をするのと同じだということ、十分に確認せずゲームをしていると課金される場合もあるということをしっかりと伝えましょう。保護者自身も、クレジットカードや暗証番号、パスワードなどの管理を厳重にしてください。
【事例4:SNSやプロフの書き込みによるトラブル】
>SNSの日記に熱心に書き込みをしていた女子児童は、親友と撮った写真をSNSに掲載。名前や学校名も掲載してしまった。数日後、女子児童の写真が画像掲載サイトに掲載されており、自宅の電話番号まで書き込まれていた。自宅に嫌がらせの電話がかかってきたり、不審な人物を見かけたりするようになった。>実名で友達だけに公開するSNSと、匿名で一般に公開しているプロフを利用していた男子児童が、実名SNSからのリンクにより、プロフサイトで実名や学校名が特定されてしまった。プロフでの履歴や不適切な行動・発言が明るみになり、さらに公開掲示板にまで男子児童の情報が掲載される事態に発展。学校に保護者から苦情の連絡が入るようになってしまった。
⇒対処法:
友達しか見ていないと思い込んで無防備に書き込みをおこない、ネットいじめや現実に危険が迫るような深刻なトラブルになるケースが多く見られます。顔・メールアドレス・学校・住所などがわかる情報をインターネットに掲載しない、書き込んだ内容に責任を持つなど、インターネットの基本ルールを厳しく教えましょう。子どもがどのようなSNS・プロフに登録しているか、利用状況を把握することも重要です。
【事例5:児童ポルノ・強制わいせつなどの被害】
>携帯電話のゲームサイトを利用していた女子児童は、サイトのミニメールを利用して知らない男と仲良くなり、実際に会った。その後、会ったときの出来事を家や学校にばらすなど執拗に脅迫され、再び会うことに。その際、重大な性犯罪被害にあってしまった。>携帯ゲーム機のゲーム内で女性になりすました男と知り合った女子児童は、裸の画像を交換するよう要求され、断りきれずに自分の裸を撮影し、画像を送信してしまった。
⇒対処法:
無料通話アプリが普及して、新たな誘い出し被害が増えている実態があります。ゲームサイトのように子どもが多く集まる場を悪用されるケースも目立ちますので、安易なコミュニケーションがいかに危険かをよく理解させる必要があります。相手の要求に従って写真を送ったり直接あったりすることは、絶対にさせてはなりません。知らない人からの連絡に返信することも、慎重になるべきです。
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「もっとゲームで強くなりたい」
「楽しい時間を終わらせたくない」
「誰かとつながっていたい」
「学校以外の人とも知り合いたい」こうした子どもの欲求や好奇心は、理性だけでコントロールできないことがあると思います。
親ができることは、子どもが今、何に興味を持っているのか、どんなことが好きなのか、クラスでは何が流行していて、誰とどんな話をしているのか...できるだけ日常のコミュニケーションを密にし、子どもがなんでも話せる関係を築いておくことです。
そして、子どもの顔色や食欲、体調や生活習慣などに変化がないか注意深く観察し、早めにトラブルの兆候に気づくことが大事だと思います。
2014.08.25