[クローズアップNEWS]小学生を狙うわいせつ犯罪
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セコムの舟生です。
寒さが続いていますが、各地で梅の便りも聞こえてきました。
これからは春を探す楽しみが少しずつ増えていきますね。
さて、今回の[クローズアップNEWS]は、子どもを狙ったわいせつ犯罪を取り上げます。
子どもが被害者となる犯罪の種類はさまざまですが、窃盗犯などを除く、直接肉体に危害を受けるような犯罪被害の中で目立って多いのが「強制わいせつ」です。
13歳未満の子どもが被害者となった刑法犯の約3分の1を占めています。
わいせつ目的で子どもを狙う不審者が絶えないのは、なぜなのでしょうか。
過去に起きたわいせつ犯罪のニュースを分析すると、多くの容疑者が「小学生なら抵抗されないと思った」「思い通りにできると思った」などと供述しています。
このような身勝手を絶対に許すことはできません。
実際に起きた事件を振り返りながら、子どもが被害にあった状況やパターンを検討し、わいせつ犯罪の被害にあわないための対策をまとめます。
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▼ 子どもがわいせつ被害にあいやすい「3つの状況」
ここ半年ほどで起きた事件を振り返ってみると、子どものわいせつ犯罪が発生する状況にはいくつかのパターンがあることがわかります。
(1)ひとりで路上を歩いているとき
(2)公園などでひとりで遊んでいるとき
(3)駐車場や集合住宅の階段など死角が多い場所で遊んでいるとき
特に注意が必要な状況は「ひとりでいるとき」。
ほとんどのわいせつ犯罪はひとりでいるときに発生しています。
歩き慣れた通学路や家の近所でも、人目につかない場所や人通りが途絶えたタイミングに狙われていることがわかります。
また、駐車場や集合住宅の通路など、人目につきにくい場所は、不審者が潜んでいる可能性があり、たとえ友達が一緒でも安全ではありません。
人目につかない場所は「遊んではいけない場所」とか「行ってはいけない場所」として、子どもに厳しく言い聞かせる必要があります。
▼ 「声かけ」に注意!卑劣なわいせつ犯罪の手口
巧妙な「声かけ」からわいせつな犯行に及んだ手口が多く目につきました。
・小学女児に対する強制わいせつ未遂で60代の男を逮捕。路上を歩いていた女児に「こっちにきて」と声をかけて駐車場に連れ込み、自分の下半身に触らせようとした疑い(埼玉県)
・9歳女児への強制わいせつの容疑で40代男を再逮捕。集合住宅の外階段の踊り場にいた女児に「ハチがついている」と声をかけ体を触るなどした疑い(愛知県)
・小2女児への強制わいせつ容疑で40代男を逮捕。ひとりで登校中の女児を狙って声をかけ、路地へ誘って自分の下半身を触らせるなどした疑い(京都府)
・小4女児への強制わいせつ容疑で10代男を逮捕。ひとりで帰宅中の女児に路上で「何年生?一緒に遊ぼう」などと声をかけ、工場の敷地内で自分の下半身を触らせるなどした疑い(兵庫県)
・公園で女子児童の体に触った40代男を強制わいせつの容疑で逮捕。女児に「かわいいね」と声をかけ、抱きかかえて体を触った疑い(北海道)
声かけの内容は、「ハチがついている」などと子どもを動揺させるパターンや「一緒に遊ぼう」と誘うパターンなど、さまざまです。
声かけは、子どもを油断させるために行われることが多いため、親しげに話しかけてきたり、近寄ってきたりする大人がいたら「危ないかも」と警戒することが大事です。
また、「ちょっと」や「こっちにきて」という声かけもよくあるパターン。
条件反射的に従ってしまったり、相手が怖くて言いなりになってしまったりすることが考えられます。不意を突かれてもすぐに「危ない」というセンサーを働かせられるようにしましょう。
どのような言葉をかけられたとしても、とっさに相手から離れて、大人が両手を広げたくらいの距離を取るようお子さんに教えてください。距離をとってもさらに近づいてくるようなら防犯ブザーを鳴らす、大声を出す、走って逃げるなど、次の防犯行動を起こすよう、日ごろから言い聞かせましょう。
▼ 「すれ違いざま」「背後から」のわいせつ犯罪から身を守るには
声かけからはじまるパターンだけではなく、不意に襲われるわいせつ犯罪もあとを絶ちません。
・公然わいせつ容疑で40代男を逮捕。マンションの共用通路で遊んでいた小学生の女児2人に近づき、下半身を露出した疑い(福岡県)
・小学生の女児への強制わいせつ容疑で20代の男を逮捕。小4~6年の女児5人に自転車で近づき、体を触るなどした疑い(大阪府)
・小学女児への強制わいせつ容疑で40代の男を逮捕。路上を歩いていた女児に背後から近づき、抱きつくなどした疑い(徳島県)
・小1女児に対する強制わいせつの容疑で80代男を逮捕。公園でひとりで遊んでいた女児の下半身を触った疑い(兵庫県)
・小6女児に対する痴漢行為の容疑で、20代男を逮捕。帰宅途中の女児の胸をすれ違いざまに触った疑い(神奈川県)
突然襲われる恐怖は言葉では言い尽くせません。
このような犯行の被害者にならないためには、「ひとりにならない」「危ない場所に行かない」の2つを徹底することです。
また、たとえひとりになっても、「すきを見せない」ことで、狙われるリスクを軽減することができます。
「狙われるかもしれない」という意識をもって、周囲を警戒しながらキビキビと歩くことが大事です。不審者に狙われないための歩き方を練習させましょう。
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不審者は、人に見られ、とがめられることを何よりいやがります。
万が一、危険が身に迫ったときは、ひるまずに大声を出して周囲の人に知らせるよう教えてください。
いざというとき身を守るのは、とっさの対応と勇気です。
頭だけの理解ではなく、親子で防犯シミュレーションなどをして練習しましょう。2017.02.16