[クローズアップNEWS]エレベーターで不審者に遭遇したら、どうする?
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セコムの舟生です。
今回の[クローズアップNEWS]は、エレベーターで子どもを襲う性犯罪についてクローズアップします。
先日、「子どもの安全NEWS」でも取り上げましたが、エレベーターが犯行現場となったわいせつ事犯がいくつか報道されています。
自宅マンションや塾がある雑居ビルなど、日常的にエレベーターを利用しているお子さんは多いと思いますので、保護者の方もご心配だと思います。
密室状態になるエレベーター。
もしも見知らぬ人とふたりきりになってしまったら、どのように対処したらいいのでしょうか?実際に起きた事件を振り返りながら、エレベーター内での子どもの安全を守る方法を考えてみたいと思います。
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▼ 突然襲い掛かってくる恐怖!エレベーター内で起きる性犯罪
警視庁のホームページでは、「自宅に帰るためマンションのエレベーターに乗ったところ、扉が閉まる直前に男が乗ってきて、後ろから口をふさがれ、わいせつ行為をされた」という事例が紹介されていますが、その他にもエレベーター内で子どもが襲われる事件はたびたび発生しています。・マンションのエレベーターで、小1女児の後ろから乗り込み、抱きついておでこを舐めるなどした20代男を逮捕。男は100m以上前から女児を尾行していた(2014年9月 東京都)
・雑居ビル内の塾に向かう小3女児の後ろからエレベーターに乗り込み、女児の体に触ったあと、逃走した30代男を逮捕。同様の被害が複数報告されており、関連を調査中(2014年10月 神奈川県)
エレベーターで発生する性犯罪で多いのは強引な手段。
後ろから乗り込んできて、襲い掛かってくるケースです。エレベーターで突然襲われるケースでは、エレベーターに乗る前から子どもに狙いを定めていることが考えられます。
先ほど紹介した東京都の事件では、100mも手前から女児を尾行する男の姿が、防犯カメラに記録されていました。
また、神奈川県の事件のように、同様の被害が起きている可能性があることなどから、「子どもがひとりでエレベーターに乗り込むタイミング」は、狙われやすいと言えるでしょう。
<エレベーターに乗るときの注意点>
・ エレベーターホールに不審な人物がいないかよく見る
・ 非常ボタンや各階のボタンをすぐに押せる位置に立つ
・ 後ろから襲われないよう、エレベーターの壁を背にして立つ
・ 危険を感じたら、ボタンを全部押して止まった階で降りる
・ 防犯ブザーを鳴らせるように構える子どもが警戒している様子が見て取れると、犯行を諦める場合もあります。
エレベーター近くの物陰に潜んでいて、子どもがひとりだとわかったら、ドアが閉まる直前に押し入ってくるケースもありますので、エレベーターを待っているときから防犯ブザーを手にして構えておくといいかもしれませんね。
▼ エレベーターでは警戒心を持ち、「知らない人」に誘われても応じない
最近起きた事件をもうひとつご紹介します。・マンションの踊り場で小1女児の体に触るなどした疑いで30代男を逮捕。男は女児と面識がなく、エレベーターで偶然乗り合わせた際に声をかけて誘い出した(2014年10月 兵庫県)
エレベーター内で声をかけられ、より人目につきにくい場所に誘い出されるケースも起きています。
誘い出されてしまうケースでは、「知らない人」への警戒心が薄い低学年のお子さんは特に注意が必要です。「声かけ事案」についてもう一度確認するなどして、「知らない人」からの誘いに応じないよう徹底しましょう。
▼ 防犯カメラがあるのになぜ?エレベーターで子どもが襲われる理由
警視庁では、エレベーターで幼い子どもが昼間襲われたり、女性が狙われたりすることがあることから、「年齢や昼夜を問わず、危険を認識しておかなくてはならない場所」として注意喚起しています。ではなぜ、エレベーターで犯罪が発生しやすいのでしょうか。
<エレベーターの特徴>
・ 一時的に完全に密室になり、人目から遮断される
・ 狭い空間なので、子どもに近づきやすい
・ ひとたびドアが閉まると、すぐに子どもが逃げ出せない
・ 犯行が判明する前に逃亡することができる防犯カメラが設置されていても、その場で犯行が露見し捕まることはあまり考えられません。
悪意を持って子どもに近づく者にとっては、エレベーターは格好の犯行場所なのです。
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エレベーター内で少しでも「こわい」と感じたら、迷わず行動を起こすことが大事です。
見知らぬ人と一緒になって不安を感じたときは、乗る前であれば、「お先にどうぞ」と言って一緒に乗り合わせないようにする。
乗っている最中であれば、即座に直近階のボタンを押して降りる。相手に失礼なのでは?と考えてしまうお子さんもいると思いますが、何かあってからでは遅いのです。
子どもが「何だかこわい」と感じる直感は、大切にする必要があります。
そのことをお子さんにもよく伝えておきましょう。2014.10.27