冬がくる前に...確かめておきたい家の安全
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セコムの舟生です。
のどかに晴れた日も、凛と冷えた空気が感じられるようになってきました。私の住む東京でも、冬がすぐそばまで来ているようです。
前回は寒い季節の注意として「火災」をとりあげましたが、今回お話するのは「家の防犯」についてです。意外に思われるかもしれませんが、寒い季節は空き巣が増える傾向にあります。
冬休みに入ると、家族そろって家を空ける機会もあるのではないでしょうか。ぜひ今回の記事を参考にして、いまのうちにお子さんと一緒に家の安全を確かめてみてください。
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▼ 11月は空き巣が多い?
警察庁が毎月発表している「犯罪統計資料」をさかのぼって、過去の数字データを重ねると、ある傾向が見えてきます。空き巣の発生件数は、11月ごろに多く、6月ごろは少ないという傾向があります。
寒くなると空き巣が増える理由として、冬場は在宅時に窓を閉め切っている家が多く、泥棒はどこかを開けて侵入しなくてはなりませんから、留守宅を狙ったほうが都合がいいのでしょう。
反対に、開放的な夏場には、就寝中を狙った「忍び込み」や、家人が別の部屋にいる隙を狙う「居空き(いあき)」が増える傾向にあります。住居侵入犯罪にも季節性があることを知っておくと、気をつけるべきことが見えてくるのではないでしょうか。
▼ 空き巣に狙われやすい家とは?
「出かける前は戸締りをしているから大丈夫!」という安心が、かえって隙をつくっていることがあります。空き巣にとって、 "入りやすい家"と"入りにくい家"があることを知っておきましょう。<空き巣が入りやすい家>
□ 家の前の通りから玄関や窓が見えにくい
□ 植木や塀などで死角になる場所が多い
□ バケツや自転車など足場になるものがある
□ 高窓やベランダ、浴室の窓などがわずかに開いている
□ 家の周りが散らかっている
侵入窃盗にはいろいろな手口がありますが、空き巣が狙うのは、通りからの死角が多い家。死角が少ない家は、外から丸見えなので、空き巣にとっては"入りにくい家"ということになります。また、小窓がいつも開いていたり、家の周りが雑然としていたりすると、それだけで隙の多い印象を与えてしまいます。ときには「まさかこんなところから!?」と驚くような場所が、侵入経路になることもあるそうですから、油断は禁物。足場になりそうなものも、なるべく排除しておくほうが懸命です。
子どもの防犯意識を高めるためにも、お子さんと一緒に、家の周りをぐるりと点検してみてください。侵入するとしたらどこか、入りやすい場所はないか、こっそり隠れられる場所はないかなど、子どもと一緒によく観察してみましょう。見通しの悪い場所があるなら、植木の手入れをして視認性を確保したり、センサーライトを設置したり、なにかしらの対策をする必要があります。
▼ オートロックマンションにも空き巣被害が!
集合住宅に住んでいて、エントランスにオートロックがついていると安心感がありますよね。しかし、その安心が隙を生み、戸締りを忘れてしまう人が多いというのも事実です。オートロックがあっても、他の住人が開けたときに、一緒に入ってくることは可能なのです。住まいが高層階になるほど、窓やベランダに鍵をかけていないケースがよく見られます。通路に面した窓にアルミの面格子がついていることがありますが、古いタイプのものだと簡単に外せるものもあります。内窓に鍵がかかっていなければ、侵入を許してしまいます。
ベランダも、施錠だけではなく、死角をつくらないことが大切。子どものおもちゃやガーデニングが、外からは絶好の目隠しになっていることがあります。マンションでも油断は禁物ですね。
▼ 最後はやっぱり戸締り確認!
空き巣の被害にあったケースで、とても多いのは「無締り(施錠していないこと)」。鍵を締めたつもりでうっかりしていたり、換気のためにトイレの小窓を少し開けたままにしたりしていませんか?出かける前にひとつひとつ手で確かめ、お子さんと一緒に「リビングの窓、よし!」「子ども部屋の窓、よし!」「玄関の鍵、よし!」と声に出して確認することを習慣にしてみてください。
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冬休み、帰省などで長く留守にする場合は、ポストからたくさんの新聞や郵便物があふれていると、長期の留守を知らせることになりますので、新聞の配達をとめておくとよいと思います。郵便物も郵便局に連絡して留め置くことが可能です。ご近所にも声をかけて、留守中のことを頼んでおくと安心ですね。
旅行に限らず、ふだんのちょっとしたお出かけでも「声出し確認」を習慣づけると、お子さんの防犯意識も高まりますよ。
2011.11.17