地理空間情報サービス事業
セコムは、1999(平成11)年に航空測量とGIS(地理空間情報システム)の分野で最大手の株式会社パスコ(東証スタンダード市場上場)へ資本参加し、地理空間情報サービス事業を開始しました。
パスコは長年、航空機を使用した測量、地表データの取得を行い、地形図や行政用地図を作成してきました。その後、そのデータを集積・解析する業務にまで裾野を広げ、官公庁のみならず民間企業に対してもGIS(地理空間情報サービス)を活用したソリューションを提供しています。こうした事業は、セコムグループの他の事業分野にも基盤となりうるもので、「社会システム産業」の中でも重要な役割を担っています。
例えば、こうした技術は2001(平成13)年に開発した位置情報提供サービス「ココセコム」の中で、GPS衛星と携帯電話基地局で検索した位置情報をパソコンや携帯電話で地図に表示する技術に有効に活用されています。
また、パスコではこれまでの航空写真測量に加え、衛星画像を使ったサービスの提供を本格化していきます。
2007(平成19)年6月に打ち上げが成功したドイツの商用衛星合成開口レーダ(SAR)衛星「TerraSAR-X」の撮影データの国内販売権と全世界への販売権を取得。GISで蓄積した多くの経験とノウハウに加え、これらの新しい技術を融合し、高次元・高精度の空間情報収集・処理技術を駆使した「空間情報サービス」として、より多方面での活用を図っていきます。
例えば、災害発生時に被災地周辺の衛星画像を取得し、平常時の画像との違いをコンピュータなどで分析し、建物の倒壊や地滑りなどの被災状況や二次災害の可能性を72時間以内に専用のインターネットのサイトで公開し、救援活動に役立てることを目的とした災害情報サービスを開始しています。今後は、国土や防災、気象、環境など幅広い分野での利用に加え、商業利用分野でも変革をもたらすことが期待できます。
現在、フィリピン、タイ、インドネシアに拠点を置き、グローバルなネットワークを構築し、世界市場における「空間情報サービス」のリーディングカンパニーをめざしています。