小さな出来事は、大きな事件の予兆です -セコムと話そう「子供の防犯」ブログ-
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セコムの舟生です。子供たちが被害者になる事件が増えています。
先日も、2人の幼い園児の命が犠牲となる痛ましい事件が起きました。あのような事件のニュースを聞くと、「いったいわが子をどうやって守ればいいのだろう」と途方に暮れそうになります。残念ながら「これをすれば絶対大丈夫」という特効薬のような対策はありません。それでも、ひとつひとつ小さな心がけを積み重ねていくことが、子供を守ることにつながるのだという意識で一緒に考えていきましょう。その中でひとつ大きいと考えるのは、子供の防犯において、親子のコミュニケーションがとても大切だということです。毎日、その日にあった出来事を聞き、会話の中から子供たちのちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。
アメリカの技師ハインリッヒ氏は、労働災害の事例を研究し「ハインリッヒの法則」を導き出しました。この法則は労働災害についての研究ですが、ここでは子供の防犯に置き換えて考えてみたいと思います。
ハインリッヒ氏は、労働災害における重大な災害の発生比率を調査・分析し、「1対29対300」の比率を導き出しました。これは重大災害を1としたとき、軽傷の事故が29、ケガはなかったがヒヤッとした体験が300の割合で発生しているということをあらわしています。
これを子供の防犯に置き換えてみましょう。子供の連れ去りや誘拐など、1件の重大な事件が発生した背景には、29件の小さな事件が起きていると考えられます。不審者と遭遇した、知らない人に後をつけられた、などが小さな事件にあてはまります。また、小さな事件が発生した背景には、300件の意識されない出来事が起きていると言えるのです。
意識されない出来事とは、たとえば公園の水道が壊れていたり、壁の落書きが放置されていたりするということです。こういった日常どこにでも起こり得る、社会の目から放置され、意識されない小さな出来事が犯罪への呼び水となり、重大事件へとつながる危険性を秘めているのです。
ですから、子供たちとの会話を進める中で、ほんのちょっとしたことでも何か普段と違うことに気をつけてみてください。大きな事件と日頃の些細な出来事は密接につながっています。「たいしたことではない」と聞き流すのではなく、常に「事件の予兆が隠れているかもしれない」と意識し、行動することが重要なのです。
2006.02.28