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月刊長嶋茂雄

  • 2016年03月01日 更新
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第66回 私の生き方でもある「非科学的」な「猛練習」

第66回
私の生き方でもある「非科学的」な「猛練習」

 サクラ前線がどんどん北上する3月は、プロ野球選手にはレギュラーシーズンに向けて最初のハードルが待っています。
 開幕ロースター(登録選手)28人の選別です。どの球団も、前年のドラフトで指名したルーキーから1人、2年生、3年生から3、4人登録できれば、というあたりが理想でしょう。これが難しい。ベテランでもキャンプ中の怪我や調子が上がっていなければ登録見送り、選手一人一人がキャンプの成果が問われるのです。
 そこで私には「猛練習」というキー・ワードが浮かんできました。

写真:長嶋茂雄氏

 昨年秋、ラグビー・ワールドカップでの日本代表の世界を驚かせた活躍で、「猛練習」に新たな光が当たったような気がするのです。実はこのキー・ワード、傘寿(80歳)を迎えた今も、トレーニング並みのリハビリを続ける、私の生き方でもあるのですが、ちょっと「猛練習」について、考えてみたいのです。
 ラグビー代表を支えたのは、「世界一の猛練習」でした。1日24時間、選手たちに肉体的にものすごい負荷をかけ、精神的にも強いプレッシャー与えた合宿を何度もした。その断片を私たちはテレビの"振り返り特番"で覗きました。さらに、五輪イヤーの今年に入って、主にNHK・BSテレビですが、リオデジャネイロ・オリンピック、パラリンピックの各競技代表を目指す選手たちの練習風景が伝えられています。誰もが限界に向けてすごい練習をしているのがわかります。

心に動かされた体の汗から成果は生まれる

心に動かされた体の汗から成果は生まれる

写真:長嶋茂雄氏
 国の代表に選ばれるかどうか。失敗したら次は4年後です。オリンピックに参加するため、晴れの舞台で勝負するプレッシャーは、日本シリーズのプレッシャーどころではありません。私はそんな世界の頂点に挑戦する選手たちの姿を見るにつけ、胸が熱くなります。そして、メダル候補とされる選手ほど猛練習をしているようだ、という印象を受けました。
 言うまでもありませんが、ただやみくもに体を動かすのが「猛練習」ではありません。心にしっかりとした目標が設定され、そこに精神を集中して脇目も振らずにトレーニングに没頭するのです。まず心、意志が肝心です。ラグビー代表は「世界を驚かす」目標が揺らがなかった。五輪代表候補たちは「リオに行く」の一点だけです。
 近年クローズアップされるコンピューターを使った運動の解析、データなどは、トレーニング方法や稼働時間、栄養摂取などに利用するサポート役にしかすぎません。一番大切なのは、精神力です。心で体に火をつけ動かすのです。成果はコンピューターのキーボードから出てくるのではなく、心によって動かされた体の汗から生まれるものです。

巨人史にも刻まれている「猛練習」から生まれたもの

巨人史にも刻まれている「猛練習」から生まれたもの

写真:長嶋茂雄氏
 話は"大昔"にさかのぼります。私が生まれた昭和11年(1936年)、創設まもない巨人軍はアメリカ遠征帰りを鼻にかけ、帰国後の試合にさっぱり勝てなかった。「誕生したばかりのプロ野球の存亡にかかわる」と危機感をもった藤本定義監督がやったのが群馬県、館林市の分福球場(通称・茂林寺球場)での猛練習です。「プロ野球が、ファンの支持を得て続くかどうかは、君たちの心構えにかかっている」。藤本監督は選手にそういってノックバットを手にしたと巨人史は伝えます。倒れる選手も出た8日間の猛ノックで巨人とプロ野球の基礎が固まりました。
 もうひとつ、私の第一次監督時代の昭和54年(1979年)秋の伊東キャンプです。「ON後の巨人の将来を担う若手を鍛える」のが目標でした。今では「地獄の」と枕詞を付けるようですが、平均年齢24歳でしたか、V9メンバーは遊撃の河埜(和正)一人だけ、中畑(清)や新人の江川(卓)など今後の巨人を背負う18人をつれて1カ月です。初日で無駄口は消え、2日目で誰もが温泉につかると寝ているのかと思われるほどぐったり、3日目には麻雀に集まるものなし。ヘッドコーチの青田(昇)さんが「壊れる選手が出るんやないか」と記者たちと心配していたそうです。怪我人が1人も出なかったのは、1カ月緊張感が持続した証拠です。技術はもちろんですが「オレはあの猛練習の1カ月を耐え抜いた。何でも来い」の気概を選手の心に植えつけた、と私は確信しました。
 「非科学的」と冷たい目で見られていた「猛練習」が見直されるのはうれしいことです。テレビで五輪候補選手たちの猛練習を観るにつけ、伝説の茂林寺を想像し、地獄の伊東が重なります。巨人選手はもちろん他球団の選手たちもキャンプで身も心も野球にのめり込んだ日々を持てたでしょうか。

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長嶋茂雄さん 看板豆知識・伝説・語録

 歴代のセコムオリジナル長嶋茂雄さんの看板(ビッグボード)と、それにまつわる豆知識のご紹介や、1957年に通算8本塁打で東京六大学リーグ本塁打の新記録を達成してから現在にいたるまでの、長嶋茂雄さんの伝説「NAGASHIMA Living Legend」と、数々の名言を世の中に送りだしてきた長嶋茂雄さんの名言「伝説の長嶋茂雄“語録”」をご紹介します。

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