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避暑にも利用したい「ショートステイ」

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

熱中症対策として「ショートステイ」が活用できます。認知症の方の熱中症対策には、「見守り」や「サポート」が不可欠です。
ご家庭の事情や介護者の体調などによっては、認知症の方の熱中症対策が十分にできない場合もあると思います。

認知症の方のケアは、ただでさえ大変なことが多いもの。
そこへ熱中症の心配も加わると、介護するご家族は精神的にも体力的にもまいってしまいますね。

そんなときは無理せず「ショートステイ(短期入所生活介護)」の利用を検討してみませんか?
熱中症対策のひとつとして、活用できますよ。

「施設に預けるなんて...」と罪悪感を覚える介護家族もいらっしゃるかもしれません。
しかし「あれも」「これも」、ひとりで対応していては、どこかで無理が生じます。

熱中症のリスクから介護されるご本人を守るためにも、上手に介護サービスを活用していくことが大切です。
今回は、「ショートステイ」の役割や活用方法、利用する際の注意点などをまとめます。

● 「ショートステイ」を利用できる条件や料金は?
ショートステイとは、在宅介護が一時的に難しい状態になった際に、短期入所を受け入れている介護老人保健施設などの施設に宿泊滞在してもらうもの。
要介護認定を受けている方なら利用が可能です。

介護保険法では、ショートステイの対象者の条件を次のように定めています。

・要介護者の心身の状態が悪い場合
・家族(介護者)の病気、冠婚葬祭、出張
・家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減  など

ショートステイは、介護家族の負担が大きく、ご本人が在宅介護で自立した日常生活を継続するのが難しい場合に利用できるサービスです。

「熱中症対策を要介護者ご本人に任せるのが難しい」「熱中症予防を前提とした介護ができない」という理由も、ショートステイ利用の条件に該当すると考えます。

ほかにも「夏休みなどの時期に、介護から少し離れてリフレッシュしたい」というケースも、「介護者の身体的・精神的負担の軽減のために、ショートステイが必要」と解釈できるでしょう。

料金については、介護保険の範囲内でショートステイのケアプランを組むことが可能です。
ただし、食費と住居費は介護保険適用外なので、自費になります。
ショートステイ先によって料金が異なりますので、施設に確認してみると良いでしょう。

【あわせて読みたい!ショートステイの活用術】
ケアマネジャーが教える!ショートステイを上手に利用するコツ


● 熱中症対策としてのショートステイでの「避暑」
初夏の気候はとても不安定。
特に梅雨のシーズンは、曇天でも湿度が高く蒸し暑かったり、晴れ間に急激に気温が上昇したりと、熱中症になりやすい気象条件の日が多くなってきます。

例年7月以降は、熱中症による救急搬送が急激に増える時期。
搬送者の半数以上が満 65 歳以上の高齢者です。

認知症の方の場合、熱中症対策として、適切な室温・湿度を保つためにつけたエアコンを切ってしまったり、水分補給を忘れてしまったりすることもあります。
熱中症対策では、通気性の良い衣服を着用することも重要ですが、冬服を好んだり、何枚も着こんでしまったり...といったことが、認知症の方には少なくありません。

ご家庭でどんなに一生懸命伝えても、認知症の方はご自身の行動パターンや嗜好にこだわりがあるので、不穏になったり、家族関係が険悪になったりすることがあります。

ショートステイなら、室温や湿度が適切に管理された生活空間で規則正しい生活を送ることができ、熱中症対策も徹底されているので、安心して過ごすことができるでしょう。

在宅介護で熱中症対策に躍起になるより、避暑として暑い時期にショートステイを利用したほうが、ご本人にとってもご家族にとっても、良い場合もあるのです。

【あわせて読みたい!「熱中症対策」と「ショートステイ」】
高齢者のための熱中症対策
「在宅」ときどき「施設」。がんばりすぎない介護のススメ


● ショートステイに申し込む際のポイントと選び方
ショートステイは、利用ペースを決めて定期的に利用している方が少なくありません。
厚生労働省によると、ショートステイは1カ月~2カ月前に利用の申し込みをする利用者が約5割で、利用のかなり前から予約する方が多いです。

急に思い立って申し込んでも予約できない場合もありますので、早めにケアマネジャーに相談することが大切。
熱中症対策としてショートステイ利用を検討するなら、夏の盛りに滞在できるよう、今のうちから申し込みの準備をはじめましょう。ご家族がお子さんの夏休みを利用して旅行に行くために、ご本人をショートステイに預けたいという需要も増えるのもこの時期です。
ショートステイは、申し込みの段階から計画して利用することが重要です。

また、ショートステイは1回につき連続30日以内の利用が原則。
どの時期に、どれくらいショートステイを利用するのか、ご本人に負担のない範囲で設定する必要があります。
認知症の方ですと、環境の変化になじめない場合もありますので、暑さがピークを迎える前に数日間お試しでショートステイを利用してみるのも良いかもしれません。

ショートステイを提供している介護施設もさまざまです。
認知症専門ケアや看護体制が手厚い施設、機能訓練に力を入れている施設、レクリエーションが充実している施設など。
ケアマネジャーに相談すると、いくつかショートステイ先の候補を教えてくれるはずです。
ご本人が安心して過ごせるか、ご本人の症状を理解して適切に対処してくれる施設かどうか、よく確かめてください。

【あわせて読みたい!ショートステイ利用のポイント】
ケアマネジャーに聞く!ショートステイを申し込むタイミングと利用時のコツ
ケアマネジャーが教える!ショートステイに行きたくない...そんなときどうする?


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ショートステイの長期的な利用を避けたい、本人がショートステイを嫌がるなどの事情があるなら、熱中症対策としてデイサービスの利用頻度を工夫する方法もあります。

日中の暑い時間帯はなるべく毎日デイサービスを利用し、週末1泊だけショートステイを利用するなどしても良いでしょう。

がんばりすぎるのではなく、少し介護から距離を置いてみる。
それが在宅介護を長続きさせるコツです。
介護サービスを上手に活用しながら、無理をせず、熱中症が心配な季節を乗り越えましょう。

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