もしかして認知症? そんなときご家族ができること|見守り(みまもり)・防犯対策・ホームセキュリティのセコム

もしかして認知症? そんなときご家族ができること

超高齢社会であるわが国では、在宅介護で認知症の方をケアするということは、誰にとっても身近になってきたともいえるでしょう。ですが、認知症の症状は非常に多様なので、専門的な知識をお持ちでない方には理解が難しく、いざ介護に直面すると戸惑いが大きいようです。

今回は「もし認知症になったご家族を介護することになったら」ということについて考えてみましょう。認知症についての正しい知識は、いざというときの心構えや準備につながります。セコムの介護応援コンテンツ「あんしん介護のススメ」のモデレーターであるセコム医療システムの武石が介護現場での実体験も交えながらわかりやすく説明していきます。

「認知症」の症状1:中核症状

認知症になると、以下のような認知機能障害があらわれます。これを中核症状と呼びます。

1.記憶障害

物事を覚え、脳の中で整理して取っておき、必要な時に取り出すことができなくなります。
昔のこと〔長期記憶〕は保持されやすく、最近の出来事などの〔短期記憶〕が障害されやすいといわれ、新しいことが覚えられなくなります。

2.見当識障害

「いつ・どこで・誰が」ということが分からなくなります。例えば、季節感が失われ真夏なのにセーターを重ね着したり、場所が分からなくなって、家にいるのに「うちに帰る」と訴えたりします。部屋の隅に放尿するというのも、おそらく「トイレ」がわからなくなる見当識障害でしょう。時間、場所、人の順で障害されることが多く、最後は人の認識もできなくなります。

3.判断力、問題解決能力の低下、実行機能障害

ちょっとしたことも正しく判断できなくなり、計画的に段取りを踏んで行動することができなくなります。料理ができなくなる、必要なものを買い揃えられない、リモコンや電子レンジといった電化製品や湯沸し器が使えなくなったりします。

4.失語・失行・失認

お皿の上のものが食べ物だと分からなくなるのが「失認」、食べ方、食べるという行為がわからなくなるのが「失行」です。一見、遊び食べのようにみえますが認知症の症状です。他にも歯ブラシを「歯を磨く道具」と認識して正しく使うこと、トイレに行ってズボンと下着をおろし、排せつすることなどの簡単な日常生活動作が障害されます。

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「認知症」の症状2:周辺症状

「中核症状」にともなう不安や混乱が原因となって派生する二次的な症状は「周辺症状」と呼ばれます。「徘徊」、「興奮」、「妄想」、「暴言、暴力」、「抑うつ」などがその例ですが、あらわれ方は個人差が大きく、症状が出ない人もいるほどです。誰にでも生じる「中核症状」と違って、周囲の方の声かけや対応によって、症状が治まったり、発症を防いだりすることもできると考えられています。

以前は「問題行動」とか「異常行動」などと言われることもありましたが、最近では「BPSD(行動・心理症状)」と呼ぶのが一般的です。介護する側から見ると、「異常」で「問題」のある行動ですが、ご本人にすればその行動をしなくてはならない理由があり、自分ではどうすることもできないものなのです。

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認知症の方の困った行動を軽減するには?

認知症の中核症状は、年月の経過とともに進行していくのが一般的です。
しかし、周辺症状といわれる困った行動は、生活環境やご本人の性格によるところが大きく、関わる相手や関わり方によってもあらわれ方が違ってきます。
その行動を起こした原因は何なのでしょうか。認知症の方が不可解な行動をとった理由を理解し、その気持ちに寄り添うことは容易ではありません。ここでは、「なぜそんなことをするの?」を理解するためのヒントとなりそうなポイントをご紹介していきます。周辺症状については、介護する方の対応によって良い状態にも変えていくことができるということを覚えておきましょう。

徘徊(はいかい)

きっかけは、判断力の低下や場所や時間の混乱など中核症状によるものですが、何かとても気がかりなことがあり外に行ってしまうことが考えられます。何度確かめても、その場所が大丈夫だったかどうかの記憶をとどめておくことができません。

暴力や暴言

「わからない」「できない」ことが増えていくことへの不安や、適切な言葉で伝えられないもどかしさ、また長年蓄積してきた怒りや悲しみなど、人それぞれ。判断力の低下や適切な言葉をうまく伝えられないもどかしさなどから、不満やストレスが過剰反応となってあらわれるとも言われています。ご本人が混乱した頭のなかで何を思い、何をしようとしたのかを想像すると、求めているものが見えてくることがあります。ご本人の満たされない思いや不安、恐怖など、行動の奥にある思いに気付き、それを癒やすような関わり方をすれば、穏やかに過ごしていただくことも不可能ではありません。ご本人の心の内に誰よりも早く気付くことができるのは、長年一緒に過ごしてきたご家族ならではの素晴らしさだと思います。

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「自分ならどう思うか?」を想像すると認知症の方の気持ちがわかる

いろいろなことを思い出せなかったり、できなかったりすることが増えていくのが認知症の症状ですが、人間には心がありますからいろいろな感情が生じます。
認知症の方の感情を理解することは非常に難しいことですが、以下のように、私たちの日常のシチュエーションに置き換えることで、どんな感情に苛まれているかを想像することもできます。

(1)道端でばったり会った人に親しげに声をかけられたけれど、誰だかさっぱり思い出せない。何と答えたら良いかわからないし、居心地が悪く、とても不安な気持ち。

(2)外国の学校で授業を受けているが、言葉がまったくわからず理解できない。しかも急にトイレに行きたくなってきた...でも誰にどう話したらいいかわからない。切羽詰まった気持ち。

(3)玄関ドアを開けたら宅配業者の人が立っていて、頼んでいないのに勝手に家に上がり込んできた!見知らぬ人にプライベートな領域に入ってこられる恐怖や不安。

(4)ジムへダンスのレッスンを受けに行ったら、周りはダンスの上手な人ばかり。自分だけレッスンについていけず、恥ずかしく、消えてしまいたい感じ。

(5)給食を食べ終わった人から昼休みなのに、自分には食べられそうにない。自分だけ取り残され時間だけがどんどん過ぎていく...焦りの気持ち。

このような状況をどのように感じますか?
これは、人や場所の認知ができなくなったり、簡単な手順や段取りが踏めなくなったりする認知症の人が抱えている感情です。

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もしかして認知症? そんなときご家族ができること

認知症の初期症状は、小さな変化であることがほとんどです。ごはんが食べられない、眠れないなどの身体症状が先にあらわれる場合もあります。経過観察を続けて、「何かおかしいな」「やっぱり前とは違う」と感じることがあったら、かかりつけ医に相談したり、専門医に診てもらいましょう。ご本人にあった適切な治療やケアをみつけてもらえるかもしれません。

ご家族としては強くて頼りがいのあった父親や綺麗好きで何事にもきちんとした対応をしていた母親の変化等が受け入れられず、「もっとしっかりしてよ!」といら立ってしまうこともあるかもしれません。けれども、「わからない」ことが増え、考えても答えが出ず、どうすることもできなくて途方にくれているのはご本人です。自分に何が起きているかわからないまま、不安と混乱のなかに身を置いているような状況で、自信を失い、ショックをうけていることでしょう。

なかには、失敗を隠そうとしたり、失敗を指摘されると攻撃的に怒りだしたりする方もいますし、抑うつ的になる方もいます。人のせいにして、自分の心を守ろうとする方もいます。ご家族もストレスを感じると思いますが、責めたりするのは逆効果です。ご本人を追い詰めることになり、「周辺症状」は悪化、かえって認知症が進行してしまうこともあるからです。

ご家族としてできることは、ちょっとした異変を見逃さず、ありのままを受け止めてできるだけ冷静に対応を考えることです。そしてご本人の気持ちを察して、不安を和らげる言葉をかけてあげること。拒否の原因を取り除くことで、気持ちが変わることもあります。ご家族だけでご本人の気持ちを動かせないときは、在宅介護に携わってくれているヘルパーやケアマネジャーに相談してみましょう。認知症の方の反応は日によっても違いますが、多くの人が試行錯誤すれば、少しずつ接し方のコツがわかってくることもあります。

認知症と向き合うことは、他人であっても大変なことです。それが身近なご家族となると、決して一人で抱えきれるものではありません。身近な親やパートナーが、子どものように手がかかり、聞き分けがなくなっていくことは受け入れがたいものであります。それだけでなく、理不尽に感情的になられたりすると、「認知症だからしようがない」とわかっていても腹も立つし、悲しくもなります。介護者自身の心と体を大事にするこが何よりも大切です。打ち明けられる「誰か」、相談できる「誰か」を必ず見つけてくださいね。

2020.02.19公開

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