ご高齢者の怪我の主要因である転倒の防止策とは|見守り(みまもり)・防犯対策・ホームセキュリティのセコム

ご高齢者の怪我の主要因である転倒の防止策とは

転倒事故は、ご高齢者や介護が必要な方が注意しなくてはいけないことのひとつです。
運動機能が衰えているので、住み慣れた家の中でもちょっとした段差につまずいたり、バランスを崩したりしやすいもの。また、ご高齢者の転倒は、すり傷や打撲といった程度では済まないことが多く、みまもるご家族も気にかけていらっしゃることでしょう。

今回は、転倒が起きやすい状況と事故防止のポイント、転倒事故が発生しても、慌てないために知っておきたいポイントを、セコムの介護応援コンテンツ「あんしん介護のススメ」のモデレーターであるセコム医療システムの武石が解説していきます。

ご高齢者の方が転倒しやすいのはどんなとき?

まずは、ご高齢者が日常生活の中で転倒しやすい場面を考えてみましょう。
以下のようなときは、特に注意しておくことが大切です。

座っている姿勢から立ち上がるとき

立ち上がりは、高齢者の方がバランスを崩しやすい瞬間です。座っていてお尻と両足の三点でバランスを保った状態から、立ち上がろうと重心が前方に移動するため、倒れやすくなります。車から降りるときなども、重心の大きな移動が必要ですから転倒しやすいです。

後ろから声をかけられたとき

振り向こうとして転倒してしまうことは、体のバランスが取りにくいご高齢者にはよくあることです。歩行中はもちろん、座っていても同様です。振り向いて立ち上がろうとして転んでしまうこともあります。声をかけるときは、必ずその方が体勢を変えなくても良い方向から、近くまで行ってからにしましょう。

ドアをあける、トイレのふたをあけるなどしたとき

何かを引いたり、持ち上げたりする動作は、転倒事故の危険がつきまといます。例えば、ドアを手前に引く動作。体を後ろにかわさなければ、ドアは開かず、目的の場所に出入りできません。前に進むのに比べ、後ろへ向かっての重心移動はバランスを崩しやすいのです。ドアはなるべくあけたままにする、洋式トイレのふたは閉めないなど、ご家族も協力して習慣化することで、転倒のリスクを減らせると思います。

歩きながら別のことをしようとしたとき

歩きながらカーディガンをはおる、両手に物を持って移動するなど、若いときは当たり前にやっていた行動が転倒につながることがあります。人は腕をふることで微妙なバランスを取って動いています。手がふさがれることでバランスがとりづらく、転倒のリスクが増すのです。また、バランスを崩したときにどこかにつかまったり手をついたりができず、事故につながります。なるべく歩くことだけに集中し、手はフリーにしてあげましょう。

また、同じ姿勢でいた時間が長いほど、次の動きに移るときに注意が必要です。
起きぬけの動作、座っていた後の立ちあがりや歩きだしなど、行動が切り替わる時は要注意です。「一拍おいてから」次の行動に移したり、足踏みするなど身体をならしてから動き出すとよいでしょう。

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転倒リスクを減らす生活スタイルを考えましょう

次に家の中に潜んでいる転倒リスクをなるべく減らすための工夫をご紹介します。
生活の中から無駄な動きや無駄な移動を少なくすることで転倒予防につながります。

  • よく使うドアは開けたままにしておく
  • 洋式トイレのふたをあけておく
  • 食事中に何度も立ち上がらなくて済むよう、炊飯器やポットなど、必要なものは食卓にすべて整えておく
  • 必要なものは枕元にもすべて置いておく

足元やつかまる妨げを整えることだけが転倒予防対策ではありません。家の中でご本人が効率的な生活動作ができるように、身のまわりを少しずつ変えてみてはいかがでしょうか。

また、転んでしまっても大けがにならないように、以下のような工夫もできます。

  • 大腿骨を保護するパットつきのズボンを使用する
  • 頭部を保護するために帽子をかぶる
  • 床や壁にクッション性のあるマットレスなどを敷く

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転んでしまったときに、まず介護者がすべきことは

万一転倒してしまった場合は、冷静に対応することが必要です。慌てて起こそうとせず、しばらくその場に寝かせたままにして、以下のことを確認してください。

  • 声をかけて意識があるかを確認する
  • 気持ちを落ち着かせるように声かけをして、転倒したままの姿勢でいてもらう
  • どこが痛むか、吐き気などはないか、身体の状態を聞く

転んだ直後は痛みを感じないこともあるので、その場に付き添って「大丈夫だよ」「ここにいるよ」などと声をかけ、ご本人が落ち着くまで待ちましょう。落ち着いたら、痛みを感じるところや、転んだときの状況をできるだけ細かく聞き出します。

矢継ぎ早にあれこれ聞くのではなく、ゆっくりとひとつずつ確認しながら聞いてください。何をしようとして転んでしまったのか、どんな体勢から転んだのかを確認することが肝心です。

ケガの部位や状態を予測するための重要な情報になります。ご家族の方は、まず状況把握を正確に行うこと。判断が難しい場合は、訪問看護師やかかりつけ医などに連絡を取って、いますぐ病院に行くべきか、救急車を呼ぶべきかなど、その後の対応を指示してもらいましょう。地域によっては、「#7119」に電話をかけると救急車を呼ぶべきかなどの相談に応じてくれますので、訪問看護師やかかりつけ医に連絡がつかないなどの場合は、相談すると良いと思います。

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動けない場合の対処は?

自分で動けるなら、起きて別の場所に移動しても構いませんが、痛くて動けない場合や、意識がもうろうとしているような場合は、その場で楽な姿勢でいてもらい、移動はさせないでください。転んだ人を起き上がらせることは、介護のプロでも簡単ではありません。無理に起こしたり、移動させたりすると、ケガを悪化させてしまうことも考えられますし、ご自身がケガをしたり、腰をいためてしまう可能性もあります。

痛みが強くて起き上がれない場合は、骨折かもしれません。ひどくはれている、変形している、動かすとさらに痛みが増すといった状態のときは、骨折の可能性も考えてください。救急車を呼ぶなどして、すぐに医療機関にかかる必要があります。

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頭を打っている場合の対処は?

ご高齢者の転倒で心配なのは、頭部の打撲です。若い時と違い、とっさに手が出ず、顔や頭を直接打ち付けてしまうことがよくあります。脳への衝撃は命に関わることが多いので、頭をぶつけていたら、なんともないように見えてもなるべく早く病院に行って、詳しく検査してもらいましょう。

硬膜下血腫(こうまくかけっしゅ)と言って、頭の中の血管が切れてじわじわと血が溜まり、脳を圧迫する場合があります。その場は大丈夫に見えても、何日かたって突然意識を失うなどの症状がでることもあるそうです。

検査で異常がない場合も、普段と違うところはないか、数日間はよく観察するようにしてください。頭痛や吐き気、めまいなどはないか、話し方におかしいところがないか(舌がもつれるなど)、歩き方は以前と変わりないかなど、気にかけておいたほうが良いでしょう。

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いざというときのために、ひとりでも連絡できる手段を

近年はひとり暮らしの高齢者の方も多く、転倒したあと、自分ひとりでどうすることもできず、動けなくなっているケースも多く見られます。離れて暮らしているご家族の方も、心配でしょう。ひとりでいるときに転んでしまったら、外部との連絡手段が命綱になります。

転倒のリスクが高いトイレなど家の中の数カ所に電話の子機を置いておく方法があります。転んだときに手が届くよう、床に近いところに置くことがポイントです。いつでも助けが呼べる緊急連絡サービスに加入するのも方法です。

日中は訪問介護サービスなどで人が来るものの、夜間はひとりになってしまう要介護者の方は、大きな不安を抱えています。一人暮らし、老々介護ならなおさらです。夜中に、玄関の鍵がしまっているか気になって確かめようとして、転んでしまった方もいらっしゃいました。

安全に過ごせる環境をつくることで防げる転倒事故も多くあると思います。また、転倒予防と合わせて、転んでしまった時どうするか、転んでしまったとして、どう心と体の安全を守っていったらいいのかということも、考えていただけたらと思います。本当の安心につながるのではないかと思います。

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セコムの「見守りサービス」

離れて暮らす高齢のご家族で心配な「救急対応」は、どのように見守ればよいでしょうか。
セコムでは、ご高齢者の「見守りサービス」として、下記のサービスをご提供しています。

ホームセキュリティは、「防犯だけのもの」ではありません。
各種オプションサービスなどを活用することで、離れたご家族をしっかりと見守ります。

「セコム・ホームセキュリティNEO」なら、セキュリティ状態が変更されるとご家族のスマホにプッシュ通知が届くため、親御さまの外出やご帰宅が分かります。

また「安否みまもりサービス」を活用すると、生活動線(トイレなど必ず通る場所)のセンサーが一定の時間動きが確認できない場合は異常と判断。自動的に異常信号をコントロールセンターに送るしくみのため、親御さまは特に意識せずに日常生活を送ることができます。ご自宅内での急病やケガなどの際は、専用端末となるペンダントを「握るだけ」でセコムに救急信号を送れる「救急通報サービス」をご活用ください。

その他「セコム・ホームセキュリティ」には、リストバンド型の端末を装着することで、万が一の際はセコムへ救急通報するもの、月に一回親御さまへご連絡し、健康状態など、最近の日常生活のご様子をお伺いして、その内容をご家族へメールするものなど、さまざまなサポートを行っています。

万が一に備えて、セコムの「見守りサービス」をご検討ください。

2019.12.25公開

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