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withコロナ時代の看取り、医療現場の今

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

コロナ渦において面会禁止あるいは厳しい面会制限が設けられています。このブログ「あんしん介護のススメ」では、これまで「介護」だけではなく、「看取り」についても繰り返し取り上げてきました。
いつか訪れる「最期の時」をどのように迎えるか。
悔いなく見送るために、日頃から話し合い、考えておくことはとても大切です。

コロナ禍の今、感染収束が見通せないなか、病院や介護施設では、面会禁止あるいは厳しい面会制限を設けています。
ご本人やご家族が思い描いていた「最期」を、迎えられない可能性もあるということです。
このような状況は、わずか1年前には誰も想像できませんでした。

今回は、コロナ禍にある医療・介護現場の現状についてまとめます。
介護家族が知っておくべきこと、考えておかなくてはならないことをまとめますので、あらためて「最期の迎え方」を見つめ直すきっかけにしていただければと思います。

● きちんとお別れできないかもしれない
今、日本の病院や介護施設では、感染対策のためご家族が思うように会うことができない状況が続いています。
新型コロナ感染症以外で入院していても、面会や付き添いがかなわず、家族との別れの時を持てないまま亡くなる方も少なくありません。
また、医療を受けるには医師や看護師からのきめ細やかな情報提供やコミュニケーションが欠かせません。コロナ禍の面会制限はこの機会をも奪ってしまっています。

医療・介護関係者は、「感染対策」と「ご本人やご家族の思い」をどうやって両立するか、どのようにご家族とコミュニケーションをとっていくか、苦慮していますが、今のところ誰もが納得できる方針を示せる状況にはないようです。

通常であれば、終末期になると、日々衰えていく様子、苦しそうな姿と向き合いながら、家族は徐々に死に向けて気持ちを整理していきます。医師や看護師はその都度、病状の説明をかさね、それを支えます。
そして最期は、そばにいて、手を握り、声をかけ、やがて別れの時を迎える...
つらい時間ですが、死と向き合うための大切なプロセスです。
死は残された人に悲しみを与えるものですが、こうした別れのプロセスを経ることによって少しずつ死を受け入れていくことができます。

コロナ禍においては、それができない可能性があるということなのです。
別れのプロセスを経ない死は、残された側に大きな喪失感をもたらします。
死を受け入れることができず、立ち直るまでに長い時間を要することになります。

医療・介護従事者は、死を迎えるご家族の心のケアも、大切な仕事のひとつです。
コロナ禍の看取りにおいて、ご本人やご家族をどのようにサポートすれば良いのか。
その答えはまだ見つかっていませんが、どんな時でも寄り添い続けることに変わりはありません。


● 後悔のない看取りのために介護家族ができること
死に関わるほどの重病ではなく、病院に入院したとしても、思うように面会できない状況はご家族にとってつらいものです。
「もし何かあったらどうしよう...」と不安な想像ばかりがつのるかもしれません。

いつ、どんな形で死を迎えるかは、誰にもわかりません。
「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、ご高齢の方を介護するご家族は、もしもに備えて、自ら情報を集めていく姿勢が大切です。

たとえば、面会の方針も、病院によって異なります。
一切面会禁止の病院もあれば、人数や時間の制限を設けて、一定の条件で面会体制を整えている病院もあります。
入院が必要な状況になった時は、その病院がどういう対応をしているのか、きちんと確かめることが必要です。

病院側は、感染対策、命を救うことが優先なので、100%思いどおりになるとは限りません。
いよいよ最期が近づいてきている時は、「どうしても会わせておきたい人がいるけれど、どうしたら良いか」「看取りの立ち合いは、どこまでできるのか」など、こちらから積極的に聞いたり、相談やお願いなどの交渉をすることが必要になってくるでしょう。


● 自宅での「看取り」を選択する人も
コロナ禍で面会がままならない状況を受け、「入院しない」「施設から自宅に戻る」という選択をする方も増えてきています。

ご自宅での看取りについては、このブログ「あんしん介護のススメ」でも何度も取り上げてきました。

【「自宅での看取り」をテーマにした関連記事】
自宅での看取りが当たり前に?「そのとき」のために今、すべきこと
自宅での「看取り」は本当にできる?
自宅での「看取り」に必要なものは
本当に家がベスト?「看取り」をどこで迎えるか

ご自宅での看取りは、やりたいことをやらせてあげられる、ご本人を支える家族もリラックスして過ごせるというメリットがあります。
コロナ禍においては、「そばにいられる」「触れられる」ことが、何にも代えがたい心の充足をもたらしてくれるでしょう。

ご自宅での看取りでは、医療的なサポート体制をしっかりと整えることが欠かせません。
病院のように、緊急時にすぐ対応してもらえる状況にはないので、かかりつけ医や訪問看護師、介護ヘルパーなどと綿密に話し合い、いざという時にどうすれば良いかを、ご家族がしっかり把握しておく必要があります。

また、感染対策についても、普通のご家庭以上に意識を持たなくてはならないでしょう。
会いたい人に会えるのもご自宅での看取りのメリットですが、感染対策や面会については医師に相談することをおすすめします。


コロナ禍の看取りでは、病院任せ、他人任せでは、思い描いているような「最期」を迎えられない可能性があります。
悔いなく見送るために、ご本人の意向やご家族の思いをあらためて話し合ってみてください。

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