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食事介助が怖い!誤嚥(ごえん)や誤嚥性肺炎のリスクとどう向きあうか?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

誤嚥(ごえん)をしたときに、どのような対応をするかを事前に考えておくとよいでしょう。在宅介護において、「食事介助」は特に難しいことのひとつ。
どんなに気を遣っても、誤嚥(ごえん)や、誤嚥が引き金となる誤嚥性肺炎のリスクが隣りあわせです。

「好きなものを食べさせてあげたいのに、積極的に食べさせることができない」

食事介助での誤嚥や誤嚥性肺炎と、どのように向きあえば良いのでしょうか。
食事介助を「つらく大変な時間」から「笑顔になれる時間」に変えるには、どうすれば良いのでしょうか。

今回は、その方法をできるだけ具体的にまとめます。


● 食事介助をより安全に楽しくするには?
嚥下(えんげ)機能が低下した要介護者の食事介助には、危険がともないます。
食事介助のコツはいろいろありますが、食事に適した姿勢を整えることがまずは重要です。

上体をしっかりと起こし、ほんの少し顔がうつむき加減になる姿勢を取れればベスト。
車いすより、食卓のしっかりしたいすに座ったほうが、正しい姿勢を維持しやすくなります。
背中は背もたれにまっすぐつけ、両足の裏が床についた座位(ざい)であることを確認しましょう。
寝たきりの方はリクライニングを上げて、まくらなどで首の角度を調整してください。

安全な食事介助にとって、次に重要なのは食べやすさ、飲み込みやすさの工夫です。
調理方法や、ちょうど良いとろみのつけ具合、やわらかさや、形状などをご本人の感想を聞きながら「ベスト」を探してみましょう。

市販されている介護食にも、良いものがたくさんあります。
具材の形状がしっかり残っているのに、舌でつぶせるぐらいやわらかく仕上げられたものや、しっかりした味付けで満足感が得られるもの、おせちやお祝い膳などハレの日に喜ばれそうな華やかなものなど、種類も豊富です。

介護用のレトルトや宅配弁当なども上手に取り入れながら、「これなら安全においしく食べられる」というものを、ひとつでも多く見つけましょう。
食べられるものが増え、食べる意欲が高まれば、表情もイキイキしてきます。
食事の時間がお互いに楽しくなるはずです。

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●「食べる危険」と「食べない安全」、どちらを選ぶべき?
「これが食べたい」と具体的に望むものがあり、それを「食べさせてあげたい」という思いがあるなら、まずは情報を整理しましょう。

「もし誤嚥したら?」を事前に考えておくことが大切です。

誤嚥性肺炎を引き起こしたり、窒息したりして死亡する危険性もあります。
ご本人の状態をよく知っている医師に相談して、誤嚥にどれくらいリスクがあるのか、どのような予後が考えられるのかなど、専門家としての冷静な意見を聞いてみることです。

集めた情報は、医師の意見、ご家族の考えなど、きちんと整理してご本人にも伝えましょう。
ご本人が食に対してどのような思いや価値観を持っているのか、残された人生のなかで何を優先したいと考えているのか、ご本人の考えをよく聞き、ご家族の思いも伝えながら、どうするかをよく話し合ってみてください。


● 誤嚥したときの備え
ご本人の「食べたい」を支えるためには、相応の準備と、状況に応じた的確な対処が求められます。
起こりうる危機を把握したうえで、医師にいざというときの対処方法も確認しておきましょう。

<「誤嚥」に備えて家族が準備しておくべきこと>
・かかりつけ医やヘルパーなど、在宅介護に関わっている人と日頃から体調や食事に関する報告や相談を欠かさない
・医師には、「もしこういうことが起きたらどうすれば良いか?」をパターン別に聞いておく
・誤嚥が心配な食べ物に挑戦するときは、医師と連絡がつきやすい時間を選ぶ


在宅介護における食事は、介護するご家族が愛情を伝え、介護される方が笑顔になれる時間。
介護される方の「おいしい顔」は、介護家族にとっても、喜びややりがいにつながる心の栄養です。
誤嚥に備えた準備と心のゆとりを持って、食事介助ができると良いですね。

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