在宅介護で「誤嚥(ごえん)性肺炎」にならないためのポイント

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在宅介護で「誤嚥(ごえん)性肺炎」にならないためのポイント

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

正しい深呼吸が誤嚥(ごえん)性肺炎の予防につながります食べ物を飲み込む力が衰えた高齢の方にとって、「誤嚥(ごえん)性肺炎」はとても身近で怖い病気です。
本来は食道に行くはずの食べ物が間違って気道に入ってしまい、そこでばい菌が繁殖することで引き起こされます。

「誤嚥(ごえん)しないように」と食事の内容や食べさせ方に注意している方も多いと思いますが、それだけでは誤嚥(ごえん)性肺炎を防げません。

飲み込むタイミングがうまくあわずに食べ物が気道に入ってしまったり、口に残った食べかすが気道に落ち込んだりすることもよくあります。

重要なのは、誤嚥(ごえん)したときの適切な対処と、日ごろからの体づくり。
今回は、誤嚥(ごえん)性肺炎にならないために知っておきたいことや具体的な予防方法を紹介します。

● 誤嚥(ごえん)したら「むせる」ことが大事
誤嚥(ごえん)したからといって、誰もがすぐに誤嚥(ごえん)性肺炎になるわけではありません。
うまく飲み込めなくてむせてしまうことは誰にでもありますね。

なぜ肺炎にならないのかというと、「むせて、異物を外に押し出す」という防御反応がきちんと働いているからです。

食事中にむせたり、咳をしたりするのは、誤嚥(ごえん)を防ぐための体の反応であり、誤嚥(ごえん)性肺炎の危険から体を守ってくれています。
食事介助中に要介護者の方がむせるとつい慌ててしまいますが、むしろ良いことです。
気道に落ち込んだ異物を押し出せれば、誤嚥(ごえん)性肺炎にはなりません。

気道の食べ物や痰(たん)をしっかり最後まで出すことが重要ですので、慌てずに対処すること。
背中をさするなどして、「大丈夫だよ」と声をかけてあげてください。
むせているのを無理に止めようとしないことが大事。
本人も慌てているので、「落ち着いて、遠慮なく咳をして良いよ」と言ってあげましょう。


誤嚥(ごえん)は、どれほど気をつけていても起きてしまうもの。
誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐために大事なのは、むせるという防御反応とばい菌に負けない体づくりです。


● 話して、笑って、深呼吸して・・・誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐ
「むせる」「咳をする」という行為には、肺活量が大きく関わっています。
膨らませた風船と、萎んだ風船、どちらのほうが勢いよく空気が出るかを想像すればわかりやすいと思います。
肺活量があれば、勢いよく咳が出て異物を押し出すことができますので、誤嚥(ごえん)性肺炎にもなりにくいということですね。

ところが、年齢を重ねると少しずつ肺の力は衰えてきます。
介護生活では活動量が落ちるため、日常的に浅い呼吸になりがちで、肺にたくさん空気を取り込む機会があまりありません。
すると、どんどん肺活量も落ち、咳も弱々しいものになってしまいます。

また、咳をするときに異物を押し出すときには、声帯の筋肉も助けになっています。
声帯も使わないと衰えてしまいますので、意識して声を出して声帯を使うようにしたいですね。

おしゃべりをしたり、笑ったり、唄ったりする行為は、声帯も鍛えられますし、肺も大きく膨らみます。誤嚥(ごえん)性肺炎予防のひとつとして、日常の中でこのような機会を増やしてみてはいかがでしょうか。


● 誤嚥(ごえん)性肺炎予防のために「正しい深呼吸」を
肺活量を増やすには、日ごろから肺を大きく膨らませる機会を持つことが大事ですが、「深呼吸」はとても効果的です。

とはいえ、いきなり「深呼吸して」といってもうまくできない方も多いと思います。
肺にたくさん空気を取り込める深呼吸の方法を覚えましょう。

まずは、肺に残っている空気をしっかり吐き出すことが肝心。
口をすぼめて、「ふー」っとなるべく長く、限界ギリギリまで息を吐ききります。
すると、息を吸ったとき自然とたくさん空気が入ってくるのがわかるはずです。

深呼吸をするときは、なるべく肺を大きく膨らませるために、背中が圧迫されていない状態が理想的。
ベッドの端に座ったり、イスに少し浅めに腰掛けたりして、「口から空気を出し切る→思い切り吸い込む」という深呼吸をしてみましょう。もちろん、その際はベッドやイスから落ちないよう注意してください。

両手を広げると、胸郭が広がり、肺の隅々まで空気が入りますので、より効果的です。
寝たきりの方は、横向きなど背中があいた状態で深く呼吸してみましょう。

無理に深呼吸の時間をつくるのではなく、着替えや食事など、体を起こす機会を利用すると負担になりません。生活の中で、自然と深呼吸する機会を増やしていけると良いですね。


● 痰(たん)が出しやすくするカギは「湿度」
気づかないうちに誤嚥(ごえん)していたり、細菌やウイルスなどの異物が体内に入ったりすると、痰(たん)に包み込んで押し出そうとするのが、人間の防御反応です。

痰(たん)をのどに留めたままにしておくと、誤嚥(ごえん)性肺炎のリスクが高くなりますので、のどがガラガラしているときは、咳をしてしっかり痰(たん)を出してもらいましょう。
痰(たん)は徹底的に出し切るのが、肺炎や風邪を予防する重大なポイントです。

しかし、空気が乾燥しやすいこれからの季節は、痰(たん)が固くなりがち。
固くなった痰(たん)は、のどに絡まってうまく出すことができません。

痰(たん)を出しやすくするには、水分補給も大事ですが、湿度を高く保つのが効果的です。
加湿器をしたり、枕元に洗濯物を干したりして、湿度は50~60%に保ちましょう。
お風呂上がりなども湿気で痰(たん)がゆるんでいますので、咳をしたり、深呼吸をしたりすると、スムーズに出せるはずです。

誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐ方法は、誤嚥(ごえん)予防だけではありません。
誤嚥(ごえん)に負けないよう、体づくりや湿度管理など多面的にサポートしてあげてくださいね。

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