将来の排泄(はいせつ)トラブル「自分はどうする?」
こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。
今回のテーマは「老後の備え」。
なかでも排泄(はいせつ)について取り上げます。
現時点で排泄(はいせつ)の悩みがなくても、年を重ねればいつか自分の身にも排泄(はいせつ)トラブルは起こり得るものです。
そのとき現実を受け入れられるでしょうか?
排泄(はいせつ)をコントロールする機能は、自身でどうにもできないことが多いもの。
だからこそ、「そのとき」に備えておく必要があります。
将来の排泄(はいせつ)トラブルに備えておきましょう。
● 排泄(はいせつ)は「生きる」に直結している
排泄(はいせつ)は、大切な生命の営みのひとつですが、大きな声で、人前で語ることはあまりありません。
自分の排泄(はいせつ)について誰かに聞いてほしいという人はあまりいませんし、できれば秘しておきたい部分なのだと思います。
排泄(はいせつ)することは、食べることと同じこと。
人間は食べれば必ず排泄(はいせつ)します。
身体に栄養や熱源が行き渡り、出るべきものが出なければ、食欲も湧きません。
排泄(はいせつ)は、生きることや精神的なことに深くかかわっています。
若いうちは排泄(はいせつ)コントロールに苦がないので、排泄(はいせつ)トラブルについて、あまり考えないものです。
しかし、だからこそいざ自分が「ちょい漏れ」や思いがけない「失敗」に悩むようになると、うろたえ、誰にも言えず、自分自身も受け入れられないという事態になります。
今のうちから少しだけ、「もし、自分が排泄(はいせつ)に悩むようになったら?」をイメージしておくことをお勧めします。
● 「もし排泄(はいせつ)を失敗するようになったら?」に備えて考えておきたいこと
排泄(はいせつ)の失敗が多少あっても、自分で後始末ができれば大きな問題にはなりません。
「ちょい漏れ」の介護用品もいろいろあります。
考えておくべきは、自分で後始末ができなくなったときのこと。
たとえば要介護状態になり、自分でトイレに行けなくなった場合、家族やヘルパーなどにトイレ介助をしてもらう必要があります。
身体の状態や住宅環境によっては、ベッド横でポータブルトイレを利用しなくてはならないケースもあるでしょう。
介護する家族が仕事などで不在なら、おむつをしなくてはならない時間帯があるかもしれません。
ご自分の排泄(はいせつ)トラブルを想像できていますか?
いまは面倒を見る側かもしれませんが、いつかは自分がそうなるかもしれません。
誰もがいわゆる「シモの世話だけはされたくない」と考えるものです。
でも自分に「シモの世話」が必要になったときのことを、ちょっとだけ想像してみてください。
誰の世話になりたいですか?
あるいは、誰の世話にはなりたくないですか?
赤の他人には、世話になりたくない。
わが子には見せられない。
家族に関わってほしくない。
いろいろな感情が浮かんできたのではないでしょうか?
排泄(はいせつ)は自分でコントロールできなくなる可能性がありますが、人間の尊厳にかかわる重要な問題です。
もし自分に排泄(はいせつ)の手助けが必要になったら、誰に関わってほしいか、あるいは誰に関わってほしくないかを考えておきましょう。
自分なりのイメージを持ち、そうなる前にそれとなく家族や親しい人に伝えておくと、「望まない排泄(はいせつ)ケア」」を避けることができるはずです。
● 「もし○○なら、××してほしい」を明確にしておく
年齢を重ねると、筋力や体幹が衰えて転びやすくなることが知られていますが、排泄(はいせつ)をコントロールする機能にも同じことが起きます。
どんなに元気でも、頭がしっかりしていても、老化による衰えは避けられません。
健康長寿を実現できたとしても、何もかもが思うようになるわけではなく、身体は少しずつ変化していくものです。
年齢とともに変わっていく自分とどのように向き合い、受け入れていくのか。
排泄(はいせつ)に限らず、元気なうちから将来を想像しておかないと、「こんなふうになってしまって...」と落ち込んで、自身を否定するような感情にとらわれかねません。
誰だって起こること。
だから今のうちに考えておきましょう。
自分がどうしたいかをイメージしておきましょう。
そして、それを周囲の人に伝えておくことも大切です。
いつまでも自分で自分の意思を説明できるとは限りません。普段から自分の思いを口にして、理解してもらっておくとよいでしょう。
人生100年時代。
介護をしている方は、大変なこともたくさんあると思います。
それはこの先の自分の姿かもしれません。
今日の介護を通じて「自分だったら?」を考えてみてください。
できるだけ長く元気でいるために、食生活や運動習慣など、今できることをしておくこと。
そして心の準備と、自分の思いを伝えておくこと。
そうすれば、あなたの老後はきっとポジティブで明るいものになるはずです。
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