高齢者の「ちょい漏れ」にどう対処する?

介護情報なら安心介護のススメ

こんな時どうすれば?

介護のノウハウや、
よくあるお困りごとについて、
解決法とともにご案内します。

  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る
  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る

高齢者の「ちょい漏れ」にどう対処する?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

排泄介護用品のなかには、普通の下着と比べても見た目の変わらないものがたくさんあります。高齢者の排泄(はいせつ)トラブルのひとつ「尿漏れ」。
高齢者の多くが経験する悩みです。

加齢により、排泄(はいせつ)をコントロールする筋力が低下してくるので、腹圧がかかったときに尿漏れしたり、トイレまで我慢しきれなかったりすることあります。

排泄(はいせつ)は、人の尊厳にかかわる大切なテーマです。
そこで今回から3回にわたって、排泄(はいせつ)トラブルの解決策についてまとめます。

初回となる今回のケースは、「トイレに自分で行けるけれど完璧ではない」状態。
「完璧ではなくなった」状態とどのように向き合えば良いのか解説します。

● 排泄(はいせつ)の失敗を認めたくない気持ちを理解する
尿漏れは加齢現象のひとつですが、自信を喪失して意欲が損なわれたり、外出や人に会うことが怖くなったりすることが少なくありません。

失敗を認めたがらない、あるいは気づいていないこともあります。
「自分はまだ大丈夫」「人に迷惑をかけていない」と思うことで、ご自身を保っているのかもしれません。
排泄(はいせつ)のお悩みは、それくらいデリケートな問題なのです。

尿漏れの量や頻度によっては、トイレの後始末やニオイの問題も出てきますので、家族は「できれば何とかしたい」と思うもの。
とは言え、「また失敗しているよ」「臭うから着替えて」などと直接、尊厳を損なうような言葉で指摘しては、険悪になってしまいます。
高齢者は他にも追いつかなくなること、できなくなることばかりで喪失感に傷ついています。尿漏れを指摘されることは私たちが思うより辛いことなのかもしれません。


「強く指摘すれば傷つけてしまう、でも尿漏れを自覚してもらわないと改善できない」。
ご家族にとっては板ばさみのような状態になりがちです。

そもそも尿漏れは、ご本人が気をつけて改善できるものではありません。
相手の自尊心を傷つけないようにしつつ「伝える」「気づいてもらう」方法を工夫しましょう。

● ちょい漏れ対策におすすめの排泄(はいせつ)介護用品
排泄(はいせつ)の介護用品は、良いものがそろっています。
排泄(はいせつ)トラブルの状況、状態に応じた介護用品が、きっと見つかるはずです。

たとえば尿漏れが少量なら、吸水パンツがおすすめ。
見た目は普通の下着と変わりません。
パンツ自体が水分を吸収してくれるので、軽い尿失禁程度なら衣服に影響しません。
消臭機能があるブリーフやボクサータイプのおしゃれなものも多いので、尿漏れ対策を意識せずに身につけられると思います。

尿漏れの量が多めなら、尿取りパッドを活用してみましょう。
尿取りパッドは、おむつに重ねるタイプだけではありません。
普通の下着に取り付けられるタイプのものもあるので探してみてください。

紙パンツ(リハビリパンツ)も、最近のものは薄手でごわつきませんし、外出時や夜間など日常的に使っている元気な高齢者もたくさんいます。

ドラッグストアなどでお試し用として、数枚入りなどが販売されているので、使いやすいものを探してみると良いでしょう。

「おむつなんて」と否定的な高齢者もいますが、今は「おむつ未満」の排泄(はいせつ)介護用品がたくさんあり、多くの高齢者が利用しています。そのことをぜひ、ご本人にも教えてあげてください。


● 排泄(はいせつ)介護用品の勧め方
いくら良い排泄(はいせつ)の介護用品があっても、なかなか受け入れてはもらえないものです。
タイミングを見て、「こんなのがあったから買ってみたよ」とさりげなく伝えると、少しは受け入れやすいかもしれません。

たとえば、
「新しいパンツを買ってきたから、良かったら使って。吸水機能があるみたいだから、ちょっと間に合わないときに便利じゃないかと思って」
「まだ必要ないかもしれないけれど、安心のために持っておいたら。お出かけのときとか、心配なときに試してみれば?」

強引に押し付けるのではなく、ご本人に判断を委ねるような言い方をしてみましょう。
使ってみて快適なら、否定的になりすぎず使ってもらえるはずです。

もしご家族から伝えにくければ、ヘルパーさんなどに協力してもらう方法もあります。
ご家族の勧めには抵抗があっても、自分をわかってくれる第三者の勧めなら聞き入れてくれるというケースは少なくありません。

尿漏れの不快感や、いたたまれない気持ちをたびたび味わうことは、とてもつらいものです。
「こんなふうになってしまって、もう自分は終わりだ」と意気消沈してしまう高齢者もいます。

でも、自分にあった排泄(はいせつ)介護用品を活用すれば、いきいきと積極的に活動できる場面が増えるでしょう。
老いと上手につきあっていくためにも、ご家族が情報提供するなどして支えになってあげてください。

【あわせて読みたい!関連コラム】
在宅療養生活をしていらっしゃる方が「外出」するときに注意したいこと

セコムの介護応援ブログTOPへ