コロナストレス(1) 在宅介護に行き詰まりを感じたとき介護者が変えられること
こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、今なお気の抜けない状況が続いています。
ご高齢の要介護者の方の間では、感染を避けようとデイサービスなどの利用控えを継続しているケースが少なくありません。
要介護度が上がった、介護負担が増えたなど、コロナ前よりも大変になった方も多いでしょう。
在宅勤務やテレワークでほとんどの時間を家で過ごすようになり、常に介護と隣りあわせの生活が続いている方もいらっしゃいます。
「もう慣れた」と思っているかもしれませんが、ニューノーマルな介護生活は、想像以上に心身にダメージを与えているかもしれません。
逃げ場のない、抜きどころのないストレスは、在宅介護の大敵。
介護から離れる時間や、ご自身を癒す手段があってこそ、充実した在宅介護生活が実現できるのです。
では、外出や家族以外の人との接触を控える状況が続くなかで、どのように在宅介護と付きあっていけば良いのでしょうか。
今回は、コロナ禍の介護ストレスや、在宅介護の行き詰まりを感じている方に向けて、少しでも気持ちや介護の負担を軽くする方法をまとめます。
● 介護を頑張っている自分を認めましょう
長引くコロナ禍で、介護家族の疲労とストレスはピークに達しているかもしれません。
イライラして強い口調になったり、介護される方と言い争いになったりすることもあるでしょう。
「愛情や優しさを持って介護しなくては」という気持ちが強い方ほど、そうできない自分を責めてしまいがち。
しかし、家族が始終顔を突きあわせていれば、衝突することがあって当然です。
介護から逃げ出さずにいることは、それだけで十分にすばらしく、尊いこと。
うまくいかなかったことにとらわれるのではなく、「私は頑張っているよね」と自分をほめてあげてください。
どうしようもない怒りや苦しみに振り回されても、それはあなたが悪いのではありません。
コロナ禍がもたらすストレスによるものだと、理解しましょう。
大切なのは、上手にストレスをコントロールすること。
今の状況を変えることは難しくても、自分の気持ちを変えることはできます。
在宅介護中のコロナストレスとの付きあい方については、こちらの記事で詳しくまとめているので、ぜひ実践してみてくださいね。
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● 訪問介護サービスを上手に利用しましょう
デイサービスのような通所サービスは、人の出入りが多く、どれほど感染対策を講じていても、集団感染のリスクがつきまといます。
高齢者のワクチン接種が進んだ今も、デイサービスでのクラスター発生がたびたび報じられており、「当分は利用する気持ちになれない」という方もいらっしゃるかもしれません。
一方、訪問介護サービスは、ほとんどの場合、1人のヘルパーが自宅に伺います。
接する人が限られているので、感染リスクは通所サービスよりも低いといえるでしょう。
最初の緊急事態宣言発令から、1年以上。
当初は試行錯誤していた感染対策ですが、現在ではより厳しく、隅々まで徹底されている訪問介護事業所が増えています。
もちろんヘルパーは介護のプロであり、一般の方よりも感染に対する意識を高く持っています。どうしても、デイサービスの利用に不安があるようなら、上手に訪問介護サービスを利用してはいかがでしょうか。
「感染が怖い」という一念で、すべてのつながりを断ってしまうのは、介護する方・される方の双方にとってあまり良い選択とはいえません。
心配な点があるなら、納得いくまで事業者側と話しあってみてください。
事業所としてどんな感染対策をしているのか、どこまで徹底されているかがわかれば、また、家族としても家庭内で気をつけている感染対策を事業所の方と共有しておくことも、双方が安心してお願い、安心して訪問することができると思います。
● 外に出て気分転換してみましょう
訪問介護サービスを利用して、少しでも介護から離れる時間ができたら、その時間をぜひご自分のために使ってください。
それほど長い時間ではないかもしれませんが、ちょっと近所を散歩するくらいはできるのではないでしょうか。
外に出て新鮮な空気を吸うだけでも、気分がずいぶん変わりますよ。
「私だけラクをしたら悪い」と感じるかもしれませんが、ヘルパーが入ってくれている間は、すべて任せて良いのです。
ストレスを発散して気持ちをリセットすることも、大事な仕事のひとつだと考えて、ご自身のしたいことを優先してください。
コロナ禍でもできる、自分なりの楽しみ、気分転換の方法を、ぜひ見つけていただきたいと思います。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、もうしばらくしたら、だいぶ社会の風通しが良くなるでしょう。
今日まで介護を頑張ってきたあなたに、そして明日からのあなたに、心からのエールを送ります。