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老老介護、認認介護をサポートするには?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

優先順位を考え、できることに目を向けましょう。前回から老老介護、認認介護にテーマをしぼって連載しています。
初回となった前回は、高齢者同士の在宅介護生活にもいろいろなカタチがあること、当人たちにしかわからないそれぞれの幸せについてまとめました。

連載2回目の今回は、離れて暮らすご家族が、老老介護や認認介護をサポートするための考え方や具体的にどのようにサポートすれば良いのかをまとめます。

高齢者ふたりの在宅介護生活が難しそうに思えても、ちょっと視点を変えたり工夫したりすることで、今の暮らしを継続していく方法が見つかることもあります。
老老介護や認認介護が心配だという方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

【あわせて読みたい!集中連載「老老介護、認認介護」】
(1)増え続ける老老介護、認認介護。それって不幸なこと?

● 老老介護、認認介護は「できないこと」があるのが当たり前
在宅介護生活では、身体介助はもちろん、通院の付き添いや服薬管理、ケアマネジャーとのやり取りなど、日々対応しなくてはならないことがたくさんあります。

日常の家事に加えてこれらを取りこぼしなくおこなうのは、若くて健康でも大変なこと。
高齢者ならうまくできないことがあって当然です。

できない部分や行き届かない部分にばかり目を向ければ、「今のふたりではとても暮らしていけない」という結論になってしまいます。
しかし、本人たちがふたりで暮らしていくことを望んでいるのなら、たとえご家族でも一方的に無理だと決めつける必要はありません。

今のおふたりに「できていないこと」は、どれも本当に欠かせないものでしょうか?
なかには、無理してやらなくても良いこと、多少うまくできなくても目をつぶれることもあるのではないでしょうか?

老老介護、認認介護では、ものごとの優先順位を考えることが大切。
「あれもできない、これもできない」という前提から考えるのではなく、できることに目を向けて、大事なことを見極めていきましょう。


● 「なぜそれが問題か?」「誰にとって問題か?」を考える
高齢者のふたりにできないこと、行き届いていない部分が見つかったら、2つの問いかけをご自身にしてみてください。

・なぜそれが問題なのか?
・誰にとって問題なのか?

たとえば、掃除や片付けがきちんとできず、家のなかが埃だらけで物にあふれているとします。
なぜそれが問題なのでしょうか。

ご本人たちは気にしておらず元気に暮らしています。
散らかった家は問題ですか?誰が気にしていますか?

散らかった家を「問題だ」と気にしているのは「家族」です。

もちろん、衛生面の心配や転倒事故のリスクなど、ご本人たちに関わる問題はあります。
それならば、食事をするテーブルだけこまめに消毒したり、よく通る場所だけものをどかしたりするだけでも問題は軽減されますね。。
家族が頻繁に通えなくても、訪問系のサービスに相談すれば対応してくれるでしょう。

高齢者おふたりの在宅介護生活が「できているか否か」は、住居の清潔さや食生活の豊かさで測るものではありません。
傍から見たら「放っておけない」と感じることも、ご本人たちは気にしていないことは多々あります。
問題があると考えていることが、「こうあるべき」と思い込んでいる自分の価値観や先入観でしかない場合もあるのです。

思い込みに気づけば、「本人たちが良いなら、まあ良いか」と目をつぶれる部分もきっとあるはずです。

【あわせて読みたい!関連コラム】
世間や常識にとらわれない「幸せ」な介護とは?


● 老老介護、認認介護を続けるために家族ができること
老老介護、認認介護では、「無理をしてやらなくても良いこと」「目をつぶっても良いこと」がある一方で、「本当に必要なこと」の見極めも必要になります。

具体的には、健康状態や身の安全に関わることです。
うまくできないことがあるなら、「どうやってサポートしたら、ふたりの生活を継続できるのか?」という視点で考えると、いろいろなアイデアが出てくると思います。

たとえば、持病に対する与薬。
服用の回数やタイミングの異なる何種類もの内服薬を間違いなく飲むのは、認知症や高齢者でなくても難しいものです。
ご家族の方からかかりつけ医に「薬を間違いなく飲み続けるのが難しい現状」を説明したら、薬の種類を減らしたり、治療方針を切り替えたりすることを検討してくれるかもしれません。
その際、飲み方を絶対に間違えてはいけない薬と一度くらい飲み方を間違えても健康に大きな影響がない薬を確認しておくことで、援助の方法を決めるヒントになるでしょう。

また、自炊はなんとかがんばっていても、物忘れが多くなったり、認知機能が低下したりしていると、火の消し忘れなどのリスクが考えられます。
ガスコンロでの調理が心配なら、直火を使わないIHクッキングヒーターに変えてみてはいかがでしょうか。
また、電子レンジで簡単に調理できる加工食品や、電気調理器具、高齢者向けの配食サービスなど、火を使わずに食事をまかなう方法はひとつではありません。

ご高齢の方の介護負担が心配なら、ヘルパーの訪問回数を増やす、自宅での入浴をやめてデイサービスで対応してもらうなど、対処方法はいろいろあるはずです。

離れて暮らしていても老老介護や認認介護をサポートする方法はいろいろあります。
まずは、ふだんから関わっているヘルパーやケアマネジャーなどに相談して、「どんな助けがあれば安心して生活を継続できるか」を相談してみてください。
ご近所の方とのお付き合いも大切です。
片付けられていない引火しやすい物が庭に置かれていたりすると、ご近所の方も火事などの心配をするかもしれません。ゴミ収集の日を尋ね片付けをしておくなども大切です。
ご家族の方が一緒に住んでいなくても、連絡先をご近所の方に告げておくことで、「いつもと違うご両親の様子」が見えた際には、連絡を頂けるような助けを得られる場合もあります。
ご高齢者ふたりの介護生活がなるべく安全でラクになるよう、支えるチーム全体で力をあわせて考えていくことが肝心です。

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