梅雨時の在宅介護 快適に過ごすポイントは?

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梅雨時の在宅介護 快適に過ごすポイントは?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

外出できない日は、意識的に家で身体を動かしましょう。入梅の頃を迎え、しばらくは湿りがちなお天気が続きますね。
在宅介護のご家庭では、洗濯物やお出かけの大変さもあり、ちょっと憂うつな季節だと思います。

湿度の高さは、不快感が増すだけではなく健康管理にも影響しますので、この時期にあったケアが必要です。

そこで今回は、「梅雨時の在宅介護」をテーマにまとめます。
今の季節に気をつけたいこと、快適に過ごすコツなどをご紹介しましょう。

● 梅雨時に心配な「皮膚トラブル」
梅雨時に気になる健康上の問題として、皮膚のトラブルが考えられます。

【真菌(しんきん)感染症】
梅雨時はカビが繁殖しやすいですが、皮膚も同じ。
カビと同じ真菌の一種である水虫やカンジダなどの感染症に注意が必要です。

真菌はジメジメして温かいところを好みます。
湿度が高く、じんわり汗ばむ季節には、皮膚トラブルを引き起こす菌も繁殖しやすくなります。
あせも、かぶれなども悪化しやすいので、この時期は皮膚の状態をよくチェックしてくださいね。

脇の下や胸の下など、皮膚が重なり合った部位は要注意。
寝たきりの方や、拘縮(こうしゅく:関節がかたくなって、動きに制約がある状態)がある方は、汗が蒸発しにくいので、特に気をつけなくてはなりません。
手の拘縮がある方ですと、手のひらにひどいカンジダ皮膚炎を発症することもあります。
また、おむつをしている方も皮膚の状態に注意を払うようにしてください。


【床(とこ)ずれ】
梅雨時は「床ずれ」のリスクも高まります。
床ずれは、寝たきりなどで同じ体勢で居続けることで、特定の部位が長時間圧迫され、血液の循環が悪くなって起こるものです。
圧迫されていた部位に摩擦が加わることがきっかけで、床ずれを発症することもあります。

ベッドの背上げをするときや、椅子に座っている姿勢のときなどに身体がずれると、圧迫されていた部位の皮膚組織が破壊され、床ずれができてしまうのです。

梅雨時は、湿気や汗で下着や衣服、シーツも湿っぽくなりますので、肌と接している部分の摩擦係数があがります。
汗ばんだままで皮膚が不潔になっていると、ちょっとした刺激で床ずれになってしまうこともあります。

お尻や尾てい骨、肩甲骨や踵(かかと)など、体重がかかりやすい部位が赤くなっていたら、床ずれの前触れかもしれません。
寝たきりの方や、ご自分であまり動けない方の介護にあたっている場合は、いつも以上に注意して観察してくださいね。


● 梅雨時の在宅ケアのポイントは「乾かす」こと
ジメジメした季節の皮膚トラブルを軽減するには、「乾燥させること」がとても大事。
でも、蒸し暑い季節ですから、「乾かす」ケアにもちょっとしたコツが必要です。

私が実践してきた訪問介護での工夫をご紹介しましょう。
たとえば、汗をかきやすい部位はこまめにふいて清潔にし、タオルやガーゼを挟みます。
ドライヤーの冷風をあてて、水分を飛ばすこともありました。
皮膚トラブルのリスクが高い要介護者の方には、それくらいしっかり乾かすことが大事なのです。

また、お茶(緑茶)のパックは湿気の吸収に効果的。
ガーゼにくるんで拘縮がある方の手のひらに握らせたり、曲がったままの肘や膝の間に挟んだりしてみてはいかがでしょうか。匂いも軽減させる効果もあります。飲み終わったパックをよく乾燥させて使えば、それほどコストもかかりません。

おむつの方は、ふいたあとすぐにおむつをあてるのではなく、水気が完全に乾くのを待ってからにしてください。お風呂上がりにおむつをあてるときも同様です。
少しでも濡れたままおむつをしてしまうと時間がたつほど蒸れて不快感も増します。

カンジダや床ずれのリスクを軽減するには、よく乾かしてから、オリーブオイルやワセリンなどを薄く塗っておくと良いですよ。肌への刺激や摩擦を軽減してくれます。

紙おむつや尿取りパットは、梅雨時は新品でも湿気を吸ってしまっていることがあります。
使用前に軽くドライヤーをあてて湿気を飛ばすと、さらっとして気持ちよくつけていただけます。

尿取りパットを変えても、汚れていなければ紙おむつをそのまま使用するご家庭も多いのではないでしょうか。見た目にはきれいでも汗や湿気を含んでいますので、なるべく新しいものに交換するか、定期的に乾かして湿気を閉じ込めないようにしていただくことをおすすめします。

お天気の悪い日が続くと、寝具も外に干せませんので、不潔になりがちです。
枕カバーや掛け布団がわりのバスタオルなど、洗いやすく乾きやすいものだけでも、こまめに替えて清潔に保つようにしましょう。

掛け布団など大型の寝具は、布団乾燥機を使用するのがおすすめですが、自治体によっては布団の丸洗い・乾燥サービスを実施しているところもあります。
寝具をカラッと乾いたものに替えると気分も変わりますよ。


● 梅雨時の「家の中での過ごし方」と「外出の心得」
在宅療養中の高齢者の方は、お天気が悪いと外出を控えてしまうことも多いようです。
足元の不安があれば仕方のないことですが、家の中ではどうしても運動量が落ちるので、身体の機能が衰えてしまいがち。

散歩やお買い物に行けない日は、なるべく家の中で身体を動かす機会をつくってください。
身体を起こしたり、歩いたりする時間を意識して増やしましょう。
外に出られないことを前提に、理学療法士さんにリハビリのメニューを考えてもらっても良いと思います。

また、外に出ないと脳への刺激も減るため、認知機能の低下につながることがあります。
友人を家に呼んで家族以外の人と話したり、やったことがない娯楽にチャレンジしたりするのも良いですね。普段家にいるときとは違う刺激を取り入れることがポイントです。

通院やデイサービスなどで、雨でも外出しなくてはならないこともあるでしょう。
雨の日で怖いのは、「転倒」です。雨に適した、滑らない靴を選びましょう。
履きなれていても、靴底がすり減っていると危険です。
出かける前にかならずチェックしてください。
杖を使う方は、地面についているゴム部分がすり減っていないか確認しておきましょう。

傘は歩行中のバランスを崩しやすいため、レインコートを着用して両手を空けること。
付き添うご家族も、傘よりもレインコートのほうが良いでしょう。
濡れた地面では、思わぬときにバランスを崩して転んでしまうことがあるため、いつでも支える心づもりでいることが大切です。
財布の出し入れや濡れたものの始末でもたつかないよう、荷物の持ち方も工夫しましょう。
レジ袋を持っておくと、濡れたものをさっとしまえて便利ですよ。

どんよりした天気が続くと気分も滅入りがちですが、万全の準備とちょっとした工夫があればお出かけもできますし、家の中でも楽しく健やかに過ごしていただくことができるはずです。

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