床(とこ)ずれ予防を正しく知る

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床(とこ)ずれ予防を正しく知る

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

背上げで床ずれになることがあります。腰の位置を確認し足からあげると摩擦が抑えられます。在宅介護の悩みのひとつに、寝たきりの方に起きやすい「床(とこ)ずれ」があります。床ずれとはベッドや椅子などと身体が接している部分にできる赤み、ただれ、傷のことをいいます。

一度できてしまうと治すのも大変ですし、傷をまもるため、思うように活動ができなくなります。介護されるかたのお手間も増えてしまいます。

まず床ずれをつくらないこと、次に早めの対処が大切です。
今回は、在宅介護における「床ずれ予防」のポイントと、ケアのコツなどをご紹介します。

床ずれを防ぐには、定期的に体位を変えて体重が一カ所にかかり続けないようにしなくてはなりません。
介助の手が限られている在宅介護では、身体の向きを少し変えるだけでもひと苦労ですし、1日の間に何度も身体の向きを変えなければならないのは本当に大変なことです。

また、体位を変えられても、体重がうまく分散していないと、短時間でも床ずれができたり、あっという間にひどくなったりすることがあります。体の向きや姿勢の整え方が重要になってきます。

● 「床(とこ)ずれ」はなぜできるの?
床ずれは、医療用語では、「褥瘡(じょくそう)」と言います。原因は、同じ部分が体重で長時間圧迫されることによって血流が悪くなり、栄養や酸素がいかなくなることです。摩擦で皮膚がこすれることも要因になります。はじめは、皮膚の一部が赤くなり、進行すると皮がむけ、ただれたり、黒く壊死してしまいます。
寝たきりやベッドで横になっている時間が長い方のほかにも、車いすや椅子に長時間座っている方も注意が必要です。上半身の筋力がないと座った姿勢をたもつことが難しく、体が徐々にずれて摩擦が生じます。高齢者の方はもともと皮膚が強くないことや、乾燥しがちなため、ちょっとした刺激や摩擦などで、簡単に床ずれができてしまうのです。

床ずれのできはじめは、以下のようなものです。

・虫刺され跡のように赤くなる
・水ぶくれができる
・かぶれやかゆみが生じる
・内出血が見られる

床ずれができやすいのは、肩甲骨、肘、お尻や尾てい骨、かかとなど、仰向けで寝たときに体重がかかる部位。また、横向きで寝る時間が長い方は、側頭部や腰骨、くるぶしなども要注意です。

もしも赤くなったりかぶれたりしている部分【発赤】を見つけたら、日常生活でその部分に体重が過度にかかっていないか、何かにすれてないかをよく確認してください。そして、【発赤】を指で押してみて、一瞬でも赤みが引くようなら軽傷、まったく赤みが引かなければ床ずれがすすんでいます。
同じ部分があたらないように体位を工夫したり、こまめに体位を変えて対応します。あわせて、ワセリンなどの軟膏で皮膚を保護します。指でおして赤みが引かない【発赤】の場合、はやめに往診の先生や訪問看護師、ヘルパーさんに相談するとよいでしょう。【発赤】を消そうとしたり、血流を良くしようと、その部分をマッサージしないでくださいね。弱っている皮膚に対して、かえって圧力を掛けており、皮膚の破れにつながってしまう危険性があります。

● こんなときに床(とこ)ずれができる!在宅介護で注意したいポイント
床ずれは、同じ部位が圧迫され続けることで起こりますが、皮膚が弱っていると、その部分と寝具等が擦り合うことが原因でさらに進行することがあります。
たとえば、介護ベッドの背上げ機能を使って身体を起こすときは、摩擦に注意することが必要です。
正しい位置に正しい姿勢で寝ていないと、起き上がる途中で身体がずりおち摩擦が生じ、床ずれの要因になってしまいます。

このような床ずれを防ぐには、まず身体を起こす前に身体の位置と姿勢を整えることが大切。そして、足をあげてから、背中を上げるという順番を守ってください。足が上がっていれば、お尻の位置がずれにくくなります。
背上げのまましばらく過ごすときも必ず足を上げたままにし、谷間にお尻がおさまるようにするとよいでしょう。床ずれもできにくく、ご本人も楽ですよ。

要介護者の方は、ベッドが平らな状態でも身体が下がってくる傾向があるので、必ず位置を確認してください。
「この位置に頭や腰があれば、安全に身体を起こせる」という目安をつけておくのがおすすめ。
介護ベッド上のベストポジションを把握しておきましょう。

要介護者の方の身体をベッド上でずらすのに苦労している方が多いので、ちょっとしたコツをご紹介します。
力任せに身体を引っ張ると、床ずれができてしまうことも考えられますので、無理は禁物です。

用意するのは、ビニール製のごみ袋とバスタオル。
まずベッドにごみ袋を敷きます。
ごみ袋の上にバスタオルを敷いたら身体を寝かせてください。
バスタオルだけ引っ張ればビニールの上をラクに移動することができますよ。

また、シーツや衣服のシワも床ずれの原因のひとつです。
体位を変えたあとは、シーツやパジャマをピンと伸ばして、ベッドと身体が接している部分によれやシワがないようにしてくださいね。


● 在宅介護で床(とこ)ずれを防ぐには?
床ずれは一度できてしまうと、治るのに長い時間がかかりますから、日ごろのケアで意識して「床ずれをつくらない」ようにすることが大事です。

<ご自宅でできる床ずれ予防>
(1)同じ姿勢を2時間以上続けない
床ずれを予防するには、2時間ごとに体位を変えるのが良いとされています。
ベッドにいるときだけではなく、車いすやソファーなどで座った姿勢でいるときも同様です。
ただし、2時間おきに体位や姿勢をかえるのは、在宅介護ではやりきれないのも事実。
本当に体位交換が必要かどうか、空気(エア)が入った床ずれ防止用の「エアマット」の導入など他に方法はないのかなど、訪問看護師など相談してみるとよいでしょう。
ご本人と介護する方の負担が少ないやり方を教えてくれるはずです。


(2)体重を分散する方法を工夫する
床ずれ予防には、体重を分散できる低反発のクッションやマットが役立ちます。
体位を変えたら、ベッドと身体の間に隙間ができないようにクッションやバスタオルを使って身体全体を広く支えましょう。
隙間がなく、広い面で身体を支えてもらう体位はご本人も楽なはず。訪問看護師や理学療法士の方に聞いてみると詳しく教えてくれるでしょう。

(3)こまめにベッドメイクする
シーツのシワは床ずれの大敵です。
1日に何度かシーツをなおして、ピンときれいに整えてください。
シワを伸ばすだけではなく、シーツ上のゴミやホコリも払って、しっかりベッドの環境整備ができるといいですね。

(4)皮膚を清潔に保つ
汗をかいたり、おむつが蒸れたりして皮膚が湿った状態が続くと、摩擦が生じやすく、床ずれができてしまうことがあります。
身体を拭いたり、通気を良くしたりして、できるだけ清潔に保ってあげてください。
また、お尻をきれいにしたあと、おむつを閉じる前に、しっかりと水分をぬぐい、ムレを予防してください。

入浴や身体を拭いたあとは、肌が乾燥しがちなのでスキンケアもお忘れなく。荒れていない、すべすべの皮膚を保つもの大切な予防です。
オリーブオイルやベビーオイル、ワセリンなど、皮膚への刺激や負担が少ないオイルやクリームなどがおすすめです。皮膚が保護されるだけではなく、滑りが良くなって摩擦も減らせるため、床ずれの予防になります。

(5)栄養状態を保つ
意外と思われるかもしれませんがとても大切なことです。栄養状態悪いと床ずれができやすく、なおりにくいのです。特にタンパク質やビタミンの摂取が大切です。点滴や経管栄養で栄養、水分を補給している方はよく医師と相談してください。


床ずれができてしまったときは、見逃さず、様子見をせず、一刻も早く治療することが大事です。
早い段階で正しい対処をすることが早期回復のカギですから、かかりつけ医や訪問介護の医療スタッフにすぐに相談しましょう。

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