夜中のトイレに付き合いきれない...睡眠を守るために
こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。「夜中、親のトイレに付き合うのがつらい」
そう思いながらも無理を重ねてしまっていませんか?
夜のトイレ介助に、すべて付き合う必要はありません
夜は無理をせず自分もきちんと休む。それは介護を続けていくための大切な選択です。
●夜中のトイレ、どう付き合えば良い?
夜中に何度もトイレに起きる気配に目が覚めてしまう
トイレの失敗や転倒が心配で付き添っている...という方も多いと思います。
「夜中くらい、ゆっくり眠りたい」
そう思うのは甘えではありません。
介護を続けるためには、介護する側が健康でいることが何より大切。
夜は「無理をしない」という選択も必要です。
●夜だけのトイレ対策を工夫する
夜中の排泄(はいせつ)を支える方法を検討しましょう。
ポータブルトイレや「尿瓶」、尿取りパッドやおむつの使用など「夜だけ」のトイレ対策を取り入れる方法もあります。
自分でトイレに行く力が残っている人にとっては抵抗があるかもしれませんが、最近は使いやすく快適な製品も増えており、実際に取り入れてみると夜中のトイレ問題が軽減するケースが少なくありません。
もちろん、それらを使用する本人への配慮は大切です。
「使って」と一方的に要望してもうまくいかないもの。
「こんなのがあるけど、使ってみない?」
「夜中のトイレが少しラクになるかもしれないよ」などとメリットを知ってもらう工夫が必要です。
●夜中のトイレはあえて「本人の自由」にするという選択
排泄(はいせつ)はもっともプライベートな行為。
「世話になりたくない」「見られたくない」という感情は否定できるものではありません。
介護者であるあなたも、夜は眠りに就きたいという思いを抱いている。
そうであるならば「夜中はもう自由にしてもらおう」という割り切りも必要です。
転倒や失敗のリスクはありますが、すべてを防ぐことはなかなか難しいもの。
完璧をめざし、あなたが倒れてしまっては本末転倒です。
「夜中のトイレで転ばないよう、できる準備をしっかりしてあとは信じて任せる」
そう考えられれば気持ちも少しラクになるのではないでしょうか。
夜中のトイレ問題に明確な正解はありません。
家庭ごとに、その人ごとに、そして体調や環境の変化に応じて、ベストな答えは変わります。
その時々で折り合いをつけながら、模索していくしかないのです。
けれども、どうか覚えていてください。
あなたには、「夜くらい、ゆっくり眠る権利」があります。
それは「手を抜くこと」ではなく、悔いなく、よい介護を続けるための「自分を守る知恵」でもあるのです。
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