在宅介護を無理しない

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在宅介護を無理しない

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

あなたが不在でも、在宅介護は成り立ちます。あなたの不在を補うのがプロのサポートです。在宅介護をがんばりすぎてしまう人の共通点。
それは「責任感の強さ」です。

「私がやらないと」
「私しかいないのだから」
「私がいなくなったら介護は成り立たない」

強い責任感で介護を最優先していたら、いつか倒れてしまうかもしれません。

あなたがいなくても、在宅介護は成り立ちます。
介護に対する考え方をちょっとだけ変えて、介護の負担を分散しましょう。

●陥りがちな「共依存」とは
親やパートナーなど、身内の介護をビジネスライクに割り切ることなどできません。
家族の歴史や、情があるので「できるだけ助けてあげたい」「本人の希望を叶えてあげたい」と思うものです。

しかし、その気持ちが強くなりすぎるようなら要注意。
自分以外の他人に介入されることを敬遠し、何事も自分ひとりで解決しようとしていませんか?

介護される側も「なんでも任せられる」とばかりに頼り切りになってしまいがち。
あなたと介護される側、双方が「共依存」に陥り疲弊していきかねません。

もし介護生活のなかで、「私じゃなきゃダメ」「私しかできない」と感じる場面がたくさんあるのなら、介護との向き合い方、被介護者との距離感が近すぎるのかもしれません。

ひとりのがんばりで在宅介護を続けていくのは困難です。
家族がかけがえのない存在であることは確かですが、在宅介護において特定の人にしかできないことは何ひとつありません。

そのことをどうか覚えておいてください。


●「私じゃなきゃダメ」がもたらす問題
「私じゃなきゃダメ」
限界を超えたがんばりを自分に強要する暗示のような言葉です。

「私じゃなきゃダメ」
この言葉によって突き動かされているとき、心と体の疲労は一時的に和らぐものです。

私じゃなきゃダメだという自負が介護のエネルギーになり、無理が効く状態になります。

ただ、介護に限らず、仕事でも、家族関係でも、ひとりの我慢、忍耐によって、成り立っている状態は「健全」とは言えません。

私しかできないのだから、今は介護中心の生活でも仕方がない。
自分が我慢すれば解決する。
悪くない考えですが、その状態を長く続ければ、いつ限界がきてもおかしくありません。

かけがえのない家族を大切にするためには、まずあなた自身のことを大切にしなくてはなりません。

たまには介護を忘れて、自分のためにお金と時間を使うことも必要なこと。
ショッピングに行ったり、美容院に行ったり、おいしいものを食べたり。
自分を取り戻すために、気持ちが華やぐ楽しい時間を過ごしてください。

決して罪悪感を持つ必要なんてありません。
自分を大切にすることも、介護を続けていくために必要なことと心得ましょう。


●本人が嫌がっていても「手を借りる」
「他人に家に入ってほしくない」と主張するから、ヘルパーを最低限しか入れない。
「知らない人がいるところに行きたくない」と主張するから、デイサービスに行かせない。

介護サービスを利用しなければ、その負担は家族が負うしかありません。

「嫌がっているからかわいそう」と過度に思わないでください。
多少強引でも、ヘルパーを利用する時間を増やしたり、デイサービスに送り出したりするのは、決して悪いことばかりではありません。

家族以外の人と話す機会がなく、家のなかにこもりがちになると、身体機能も認知機能もどんどん低下する一方です。

セコムのデイサービスのご利用者のなかにも、「今日は行かない」とご家族を困らせる方がいます。
そんなとき「しょうがない」とあきらめて、自分の予定を犠牲にするのはよくありません。

第三者の力を借りて負担を分散することは、長い目で見ればご本人のためにもなります。
あなたがつぶれてしまったら、在宅介護そのものが終わってしまうのですから。

介護されるご本人が憎まれ口をたたいても、暴言を吐いても、プロならばうまく受け止めてくれます。
介護してくれる家族にそれをぶつける人もいますが、そのことで傷ついて疲弊するより、プロの力を借りながら逃したほうが心を保てるはずです。

本人が嫌がっているなら、あなたはその場に居合わせないようにしても良いでしょう。
後はプロに任せて、いっそ外出してしまっても良いかもしれません。
本人の気持ちに寄り添うことは大切ですが、そのためにあなたのエネルギーを減らしながら譲る一方では在宅介護は続きません。
たとえ本人が嫌がっていても、強行したほうが良いこともあるのです。

在宅介護に「私じゃなきゃダメ」も「私が我慢するしかない」もありません。
自分が我慢することに慣れてしまった方に、心からの言葉を贈ります。

負けないで!
「自分を大切にすること」をがんばってください。


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