訪問介護サービスを受ける人が知っておきたい家のなかでの感染対策

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訪問介護サービスを受ける人が知っておきたい家のなかでの感染対策

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

窓を開けて換気しておきましょう。空気の通り道を意識すると効果的です。新型コロナウイルス感染症の影響が続くなかで、在宅介護を続けるご家族は、常に感染の不安を抱えています。

家にウイルスを持ち帰っていないだろうか。
自分がもしも感染していたら、うつしてしまうかもしれない。
介護サービスを利用して本人が感染してしまうことはないだろうか...。

いつも気を抜けないご家族の不安に寄り添い、このブログではさまざまな観点から在宅介護における感染対策を紹介してきました。

うつらない、うつさない。在宅介護の新型コロナウイルス感染予防対策
在宅介護で新型コロナウイルス対策に有効な手洗い・手指消毒のコツ
withコロナの在宅介護、デイサービスを利用する?しない?

今回は、在宅介護のご家庭の多くが利用している「訪問介護サービス」の感染対策をまとめます。

外からやってくる訪問介護スタッフを家に受け入れて本当に大丈夫なのか、心配しながらサービスを利用している方は少なくないでしょう。
そこで、厚生労働省が在宅介護家族向けに公開している資料を参考に、訪問介護サービスを受けるときの家でできる感染対策をわかりやすく紹介します。

ぜひご一読いただき、明日からの介護と安心につなげてくださいね。

● 家のなかでの安心のために...「感染リスク」についておさらいしましょう
新型コロナウイルスは、まだワクチンや治療法が確立されていない未知のウイルスです。
免疫力が高いとは言えない高齢の要介護者がいるご家庭では、感染しないよう・感染させないよう、細心の注意を払っているでしょう。
しかし、感染対策には限界があり、疑心暗鬼になりすぎるとストレスもたまります。

これまでも何度か触れてきましたが、大切なのは、体にウイルスを入れないこと。
ウイルスがどこに潜んでいるか目では確認できませんが、体内に入らなければ感染はしません。
そして、ウイルスの侵入口は、目・鼻・口の粘膜です。
たとえ手についていても、正しい手洗いや手指消毒でウイルスを除去すれば問題ありませんし、無防備に目・鼻・口に触れないことを心がければ、感染予防効果が期待できます。

重要なのは、家中を完璧に殺菌・消毒することではありません。
食事やケアの前後など、必要なタイミングでポイントを押さえて清潔にすることです。

外からやってくる訪問介護スタッフも「リスクゼロ」ではありませんが、手洗いや消毒など、基本的な感染対策が徹底されている事業者なら安心できます。
心配なことがあるなら、訪問してくれるスタッフや事業所に感染対策を確認し、納得できるまで話し合うことが大切です。


● 訪問介護サービスを受けるときのポイント
感染を防ぐために、訪問介護サービスを受ける日にしておきたいこと、気を付けたいことを紹介します。

<訪問介護サービスを受ける前>
・検温、体調の確認
朝、体温をはかっておきましょう。
毎日決まった時間に、同じ条件ではかることがポイント。
痰や咳が出ていないか、元気がないなどほかの症状がないかも、一緒に確認してください。
体温・健康状態は、1冊のノートに記録しておくと、訪問スタッフも体調を把握しやすくなります。
ご本人だけではなく、ご家族も毎朝の検温を欠かさないようにしましょう。
もしもご本人やご家族に発熱があった場合は、かかりつけ医に相談するとともに、訪問介護事業所にもすぐに連絡してサービス利用について相談してください。

・換気をする
換気は、部屋のなかにいるウイルスを減らす有効な方法です。
訪問介護のスタッフが到着する10分前くらいに部屋の窓を開けて換気しておきましょう。
もしもご本人がひとりでいるなら、訪問スタッフに到着後すぐに窓を開けてもらい、しばらく換気しておくようお願いすると良いでしょう。
開けるのは1カ所ではなく、部屋のドアと窓など2カ所を開放して空気の通り道をつくるのが、換気のポイントです。

<訪問介護サービスを受けるとき>
・マスクをつける
訪問介護のスタッフが家に来ているときは、ご家族もマスクを着用してください。
サービスを受けるご本人も、可能な範囲でマスクを着用してもらいましょう。
鼻と口がマスクからはみ出さないよう、きちんと覆うことが大切です。

・ソーシャルディスタンスを保つ
ケア中、ご家族は近くで見守るのではなく、別室で待つか2m以上離れるかして待つようにしましょう。
飛沫感染の可能性も考え、なるべく大声を出さないよう意識したほうが良いでしょう。

<ケアが終わったら>
・スタッフには言葉と笑顔で感謝を
「ご苦労さま」や「ありがとう」の気持ちから、スタッフにお茶などを出してくださる方もいます。
感染リスクが心配な今、マスクを外して飲食する行為はできれば避けたほうが安心です。
スタッフも感染予防の重要性は理解していますので、申し訳なく思う必要はありません。
お互いに「うつさない」「もらわない」配慮が大切なのです。

・スタッフが使用した使い捨て物品の取り扱いに注意
ケア中は使い捨ての手袋やエプロンを使用していますが、それらの廃棄をご家庭でお願いすることがあります。
ウイルスに曝露している可能性があるため、むき出しでゴミ箱に捨てないでください。
清潔なポリ袋に入れてしっかり口を縛るなどしていれば、家庭ごみとして廃棄して問題ありません。


● ご利用者・スタッフがお互いに思いやる気持ちを
ご家族が感染を心配しているのと同じように、訪問介護スタッフも「自分が感染していないか」「ご利用者に感染させないか」という不安と緊張を常に感じながら、仕事をしています。
ご利用者の手を握る、抱きしめるなどのスキンシップが取りにくくなった今、どのように気持ちを通わせるか悩んでいるスタッフも少なくありません。

訪問介護スタッフを家に受け入れることにご心配もあると思いますが、事業者側も試行錯誤しながら感染対策を懸命に行っているということも、ご理解ください。
心配に感じたことがあるなら、遠慮せず直接スタッフや事業所に不安を伝えましょう。
ご家族の不安や疑問から課題を見つけ、より安心できる介護の方法を探していくことが、これからは必要なのです。

良いケアは、ご利用者と訪問介護スタッフの信頼関係から生まれます。
そして、新型コロナウイルスとの闘いは、相手を疑うのではなく、ひとりひとりが思いやる気持ちを持ってこそ乗り越えられるものです。

訪問介護スタッフ、ご本人、そしてご家族。

それぞれが自分にできることを実行しながら、お互いを思い合い、コロナ禍をしなやかに乗り越えていけることを願っています。

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