うつらない、うつさない。在宅介護の新型コロナウイルス感染予防対策

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うつらない、うつさない。在宅介護の新型コロナウイルス感染予防対策

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。
新型コロナウイルスの感染拡大を伝えるニュース報道が連日続いています。
「もしかしたら自分もどこかでうつってしまうかもしれない...」「大切な誰かにうつしてしまうかもしれない...」と心配になることもあるのではないでしょうか。

在宅介護をしているご家族なら、自分が感染する心配だけではなく、要介護の方にうつしてしまうリスクや、自分が介護できなくなってしまった場合の対応など、いろいろなプレッシャーを感じていると思います。

新型コロナウイルスは新しいウイルスで、まだすべてのことが解明されているわけありません。
目に見えないウイルスに「どこで」「どのように」感染するのかは、今のところ誰にも推測できません。
しかし、やみくもに恐れていては、むしろ心身を追い詰めてしまうことになりかねません。

今回は、現時点(*)で公表されている情報をもとに、在宅介護のご家族ができる新型コロナウイルス感染予防対策をまとめます。
(*)2020年8月

● 新型コロナウイルスに感染しないための2つのポイント
在宅介護のご家庭における感染予防対策で重要なのは、介護する人が要介護者の方の家にウイルスを持ち込まないこと。
そのために気を付けていただきたいポイントは、2つです。

・手の清潔を守ること
・目鼻口を守ること

新型コロナウイルスは、手についたり、服につくだけでは感染せず、人の体内に入ることで感染するとされています。
その入口は、目や鼻や口の粘膜。
目、鼻、口からのウイルスの侵入を防げば、基本的には感染リスクを避けることができるとされています。

外出から帰ってきたときはもちろん、外出先でもこまめに手洗いをすること。
手を洗えない状況なら、アルコール消毒液を使う。
そして、目鼻口にうっかり触れないよう、マスクやメガネでガード。
これだけでも、感染リスクを大幅に軽減することができるようです。

ちなみに、市販されているマスクでは、飛沫感染を完全に防御することはできませんが、ウイルスの入口である鼻や口を手で触らないという効果は大きいと言えます。

新型コロナウイルスは、「こうすれば感染しない」という確固たる方法があるわけではありません。しかし、感染予防対策の基本であるこの2つのポイントを徹底すれば、リスクを軽減する効果はあるはずです。
これまで以上に、「手の清潔」「目鼻口のガード」を意識してみてください。


● 介護者が知っておきたい「リスクが高い場所」と「リスクが低い場所」
在宅介護にあたる方が家にウイルスを持ち込まないために、外出先で気を付けたい場所。
それは、人が集まる密閉空間です。
加えて、会話をする、食事をするような場合、感染リスクはいっそう高まるとされています。

新型コロナウイルス感染症は、無症状の感染者も多いと言われており、どこでウイルス保有者と居合わせるかわかりません。
ご自宅で介護をしている方なら、換気の悪い密閉空間での会食、会議や打ち合わせなどは、できれば避けたほうが良いと言えます。
また、人混みや混雑した店、近距離(2m以下)で対面しての会話なども、避けたほうが安心です。

一方で、「解放された空間」「換気が良い場所」では、比較的安心して過ごせると思われます。
公園を散歩するなどでは、感染リスクは低いでしょう。

感染を恐れて、要介護の方が家にこもりきりになるのも、良いこととは言えません。
感染リスクが低い屋外の散歩や、感染予防対策をきちんと実施しているデイサービスなど、家から出て気分転換をする機会をつくってあげたいですね。


● マスクはずっとしておくべき?
厚生労働省では、熱中症のリスクを考慮して適宜マスクを着脱することを推奨しています。

人が多い場所、密閉空間など、感染リスクの高い場所ではマスクを着用。
屋外で、周囲の人と2m以上の距離が開けられるのであれば、マスクを外す。
新型コロナウイルスとの共存がこれからも続くことを考えれば、このようなメリハリも必要です。
ときには、マスクなしで新鮮な空気や季節の風を感じてみましょう。

マスク着用にこだわりすぎると、熱中症という別の健康リスクを高めてしまいます。
「感染リスクが高い」「感染リスクが低い」を判断しながら、マスクを着脱しましょう。

マスクを外すとき、つけるときは、耳にかけるゴムの部分を持ち、ウイルスが付着している恐れがあるマスク本体には触れないようにしてくださいね。


● 要介護の家族を守るために...ご家庭でできる新型コロナウイルス感染予防対策
新型コロナウイルス感染予防対策を徹底する意識は大切ですが、ご家庭で厳格に行うのは、限界があります。
ここまでご紹介した「要介護者の方の家にウイルスを持ち込まないようにする対策」を意識しつつ、無理のない範囲で感染予防対策を行うのが良いと思います。
家の中での感染予防対策は、介護する方の負担が増えすぎない程度に行うのがコツです。

<ご家庭でもできる感染予防対策>
・「検温」と「行動記録」をメモしておく
免疫力が低い高齢の要介護者の方は、ちょっとした体調変化を見逃さないことが重要。
要介護者の方の検温は毎日行い、きちんと記録しておきましょう。
また介護する方、ご家族も検温しておくことをおすすめします。
会った人・行った場所に関しても、簡単にメモしておくと良いでしょう。日々の行動や毎日の体温を記録できるアプリもありますので、活用してみてはいかがでしょうか。

・食事介助は斜め後ろから
食事介助は、通常であれば目線が合わせられる位置・高さで行います。
感染リスクが気になる場合は、介助する方が斜め後ろに座るようにしましょう。
食事中はむせてしまうこともありますが、斜め後ろの位置なら飛沫感染のリスクを低減することができます。
食事介助の必要なく、家族と一緒に食事をする場合も、正面に対峙しないよう食卓の椅子の配置を工夫すると良いでしょう。

・よく触る場所、飛沫がかかる場所は消毒を
これまでにわかっていることとして、新型コロナウイルスは空気中で数時間、プラスチックやステンレスなどツルツルした表面では2~3日生存しているそうです。
空気中のウイルスには定期的な換気を行いましょう。
ドアノブ、介護ベッドの手すり、照明のスイッチ、食卓やベッドテーブル、スマートフォンのディスプレイなど、よく触る場所、食事や会話で飛沫がかかる場所には、アルコール消毒液などを使ってきれいにふき取ることを習慣にすると、安心です。

・地域の感染情報に目を配る
ニュースや新聞では、都道府県単位で感染者数を発表していることが多いですが、より細かな地域の情報を知るには、お住まいの市区町村のホームページなどをチェックしましょう。数値の増減に一喜一憂するのではなく、生活圏の感染状況を正しく知ることが肝心。
住んでいる町、近隣の学校や地元企業などで感染者が発生した場合などは、感染リスクが高まっているとき。外出自粛も含め、感染予防対策をいつも以上にしっかりする意識を持ちましょう。


新型コロナウイルスに感染しないためには、人との接触機会を減らすことが有効だとされています。これまで「一人で抱え込まずに、手を差し伸べて支援してくれる近所の方やボランティアの方々の協力も受けていきましょう」と支援の輪が広がる可能性についても勧めてきた中で、矛盾する事態となり、悩まれておられる介護者の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、在宅介護において介護サービス等を全く使用しないのは、かなり困難なこと。
利用している介護サービスでどのような感染予防対策をしているのか、直接事業者に聞くか、ケアマネジャーに確認してみましょう。

ご利用者の自宅に出入りする訪問介護スタッフや、人が集まるデイサービスなどでは、それぞれ医学的な根拠に基づく感染予防対策を行いながら、サービスをご提供しているはずです。
多くのフォーマルなサービス、インフォーマルなサービスの人の出入りに対して、不安に感じていることがあれば、きちんと話し合い、お互いに安心できる状況で介護サービスを利用するのが理想です。

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