在宅介護でなりやすい「閉じこもり」を防ぐには?

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在宅介護でなりやすい「閉じこもり」を防ぐには?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

外出する理由をつくることがポイントです。高齢者の方が外出をしなくなる「閉じこもり」がニュースなどでも取り上げられています。
要介護状態になると身体の自由が利かなくなるため、さらに外出のハードルが上がって閉じこもりがちになってしまう方が多いようです。

「身支度を整えるのが大変」
「外出することに不安がある」
「衰えた自分を人に見られたくない」
など、在宅療養者の方が外出をしたがらない理由はさまざまです。
在宅介護では外出したくないという理由に介護者が理解を示すことが必要だと思います。

けれども、日常生活のほとんどを家の中で過ごす「閉じこもり」生活が当たり前になると、活動水準が下がって、「廃用症候群(はいようしょうこうぐん)」につながる恐れもあります。

住み慣れたわが家は、在宅介護の方にとって居心地がよく安心できる場所です。
できればずっと家にいたいと思っても不思議ではありません。

では、どうしたら外出をうながすことができるのでしょうか。
今回は、在宅介護で問題になりやすい「閉じこもり」についてまとめます。
ご本人の身体と相談しながら、上手に外出する機会をつくることがポイント。

「最近あまり外に出ていない」「外に出たがらずに困っている」というご家族の方の参考になれば幸いです。

● 外に出ると心も身体もイキイキする
在宅療養者は、活動範囲が狭くなりがちですが、外に出ることには大きなメリットがあります。
外気に触れて季節を感じたり、景色や音に刺激を受けたりすることが、心身に活力を与えてくれます。
外出先で人と関わることも、身体のさまざまな部分が活性化されるそうです。
特に家族とは違う人と話すことは、認知症予防にも役立つと言われています。
言葉を選んだり、相手の反応を気にしながら話したりと、家族との会話とは違う頭の使い方をするからです。慣れ親しんだ関係の会話では、脳への刺激は乏しくなりがちです。

また、外に出るために身体を起こしたり、動かしたりすることで、血液のめぐりも良くなり、廃用症候群の予防にもなります。

穏やかな環境に保たれた家の中は快適ですが、閉じこもってばかりいるとどうしても無気力になってしまいがちです。
どうしても外に出るのが大変なら無理せず、庭先や玄関前に出てみることからはじめてみましょう。
ご近所の人とあいさつを交わしたり、季節の風や日差しを感じたりする時間をできるだけ多くつくりたいものです。


● 「外出したくない」理由はなに?
外出が良いとわかっていても、ご本人にも事情があるものです。
どうして外に出たくないのか、理由を把握していなくては外出をうながすことはできません。

生活のほとんどを家の中で過ごす「閉じこもり」の要因をあげてみましょう。

(1)身体的要因
老化による体力低下、疾病・傷害(脳卒中、転倒・骨折など)で思うように身体が動かない
(2)心理的要因
転倒や失禁などの不安、外出先での行動に自信がない、親しい人を亡くしたことなどによる喪失感や無気力感、人に見られたくない気持ちが強いなど
(3)社会・環境要因
家族が外出に連れ出さない、友人や仲間が近所にいない、家の外に坂道や階段があるなど

これらの要因が相互に関連して、閉じこもりにつながると言われています。
「外に出たくない」という理由が明確ならば、サポートすべきポイントがわかります。

身体機能の低下や住環境などが原因なら、介護サービスのサポートで外出を実現することは可能です。
家が中心の生活を当たり前にしてしまうのではなく、なるべく外出の機会を生活のなかに取り入れた介護プランになるよう相談してみましょう。
「外に出たくない」という理由が解消できれば、外出することができるかもしれませんね。


● 外に出る目的をどうつくるか?
要介護状態になって、介護サービスや家族のサポートで補う部分が増えてくると、「やるべきことがない」「外に出る意味がない」と外出の目的を見いだせなくなってしまう方も多いようです。

そのような場合は、あえて外出の理由をつくることをおすすめします。

たとえば、公共料金の払い込みは銀行引き落としも可能ですが、あえてコンビニ払いを選んでご本人と一緒に行くのもひとつの方法です。
また、買い物は便利な宅配もありますが、ご本人と一緒にスーパーやコンビニまで行き、自分で買い物をしてもらうと刺激になります。

食材売り場に行けば、季節の果物や新商品のお菓子など、いろいろなものが目にとまるでしょう。
「自分で見て、手にとって選ぶ」という行為そのものが楽しみや高揚感を与えてくれます。
店員の方とちょっとした会話をしたり、自分でお財布をひらいてお金を払ったりすることも、家の中にいてはできないことですね。
買い物には、家庭での役割や社会との関わりなど、さまざまな意義が含まれています。
このほか、往診ではなく通院を選んで、定期的に病院に行くのも外出を増やす方法です。

在宅介護生活では、なるべくご本人の負担が少ないように整えられていることが多いですが、あえて不便を選ぶことで外出の機会を増やせる場合もあります。

車いすや杖を利用している方ですと「こんな自分を人に見られたくない」という思いもあります。
目的がなく、「ちょっと散歩しましょう」では心が動かないものです。
けれども、外出せざるを得ない目的や理由があればどうでしょうか。

やむを得ない外出でも、出かけてみると、さまざまな楽しみや発見があります。
外出を控えていた方でも、だんだん積極的になってくることも多いのです。

買い物や通院など目的がある外出なら、付き添いというかたちで介護サービスを付けることも可能です。一度、担当のケアマネジャーに相談してみると良いと思います。

今の生活スタイルをちょっと見直して、定期的な外出の機会を増やすだけでも、在宅療養者の生活はもっとイキイキしたものになるのではないでしょうか。
閉じこもりがちな生活が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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