在宅介護におけるインフルエンザ対策

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在宅介護におけるインフルエンザ対策

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

正しい手洗いが感染症予防の基本です。空気が乾燥する季節になるとインフルエンザをはじめとする感染症が猛威を振るいます。
在宅介護をしているご家庭では予防対策が欠かせません。

体力や免疫力が低下していると重症化しやすいため注意が必要です。

インフルエンザウイルスは、とても感染力が強いです。
咳やくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染のほか、ウイルスがついた手や食器などを介して感染することもあります。
要介護者の方を感染から守るためには、ウイルスとの接触をできるだけ避けなくてはなりません。

今回は、在宅介護でのインフルエンザ予防対策をまとめますので、ぜひ日々の介護にお役立てください。

● 外部からのインフルエンザウイルスに注意
毎年11月~12月ごろになると、各地でインフルエンザが流行します。
感染力が強いインフルエンザウイルスは、いったん流行がはじまると短期間で感染が一気に拡大。毎年約1千万人、約10人に1人がインフルエンザに感染しているそうです。

感染しやすいのは、電車や学校、商業施設など大勢の人が集まる場所。
在宅療養している要介護者の方は、感染リスクが高い人混みの中に出かける機会はあまりないと思いますし、デイサービスなどの施設は感染対策を徹底しています。
自らの行動でインフルエンザにかかることは、あまりないと言えるでしょう。

問題は、要介護者の方と接する人たちから持ち込まれるウイルスです。
介護にあたる方をはじめとするご家族は、インフルエンザの流行シーズンには注意しなくてはなりません。

咳や鼻水など、風邪の症状があるときは、要介護者の方との接触を控えたほうが安心です。
どうしても介護にあたらなくてはならないときは、マスクを必ず着用して、手洗いをしてからそばに行くようにしてください。


● 感染症予防の基本「正しい手洗い」を徹底する
要介護者の方と接する介護スタッフや医療スタッフは、ケアをする前に洗面所をお借りして、必ず手洗いをします。
ただ石けんをつけて洗い流すだけではあまり効果がありませんので、手についたウイルスやばい菌を洗い流す「正しい手洗い」を習慣化しています。

介護する方やご家族はもちろん、要介護者の方も「正しい手洗い」を実践しましょう。
インフルエンザの流行シーズンは、特に意識して手洗いをこまめに、徹底的に行うようにしてください。
厚生労働省の資料を参考に、「正しい手の洗い方」をご紹介します。

(1)流水でよく手を濡らし、石けんをつけて手のひらをよくこする
(2)手の甲に石けんを伸ばすようにこすりつける
(3)指先を手のひらでこすって、爪の間まで念入りに洗う
(4)指の間を洗う
(5)親指と手のひらをねじり洗いする
(6)手首も忘れずに洗う
(7)流水で30秒以上洗い流す
(8)清潔なタオルやペーパータオルでよく拭いて乾かす

タオルを共有すると、ウイルスや雑菌が付着して繁殖してしまうことがあります。
できればペーパータオルを用意して使い捨てしたほうが、予防対策として有効です。
コストが気になりますが、感染のリスクや洗濯の手間を考えると、ペーパータオルを検討する価値はあると思います。

洗ったあとは、クリームなどで保湿をすることも大事。
しっかり洗うことは大切ですが、ご高齢の方は肌が乾燥しやすく、手荒れのもとになります。
冬場は手荒れも治りにくいので、手洗い後の保湿ケアも忘れないようにしましょう。


● 子どもが出入りするご家庭は「予防接種」を
学校は特にインフルエンザの感染リスクが高い場所です。
子ども同士の接触が多く、ひとりでもインフルエンザに感染すると、あっという間に学級閉鎖や学年閉鎖になってしまうことも珍しくありません。

お孫さんやひ孫さんなどお子さんが同居しているご家庭や、よく遊びに来るというご家庭では、要介護者の方との触れ合いも少し考えなければなりません。
手洗いで予防するのはもちろん、お子さんも介護される方も、マスクを着用することをおすすめします。

あわせてインフルエンザの予防接種を検討してみてください。
インフルエンザワクチンを接種すると、感染のリスクを軽減でき、万が一、罹患した場合も重症化を防ぐ効果があるとされています。

ただし、体の状態と相談して、医師の判断をあおぎましょう。
インフルエンザワクチンは、予想される流行株を弱くしたものでつくられており、言ってみればインフルエンザウイルスを体に入れることになります。
抵抗力が弱っている方ですと、接種したあとに発熱する場合もあり、かえって危険です。

接種時期も流行のピークに合うよう検討する必要がありますので、早めにかかりつけ医や訪問看護師と相談することをおすすめします。


● お部屋の湿度は50~60%を保つ
インフルエンザ予防に加湿はとても大切です。
インフルエンザウイルスは空気が乾燥したところを好みます。乾燥は、気道や粘膜の防御機能を低下させるので、感染しやすくなります。

加湿器を使って、お部屋の湿度を50~60%に保つと、予防対策として効果的です。
枕元に洗濯物を干したり、濡らしたタオルをかけたりして、顔周りだけでも湿度が高めになるようにすると良いと思います。

また、マスクはウイルスをブロックするだけではなく、呼気によってマスク内の湿度が高くなるため、喉や鼻の粘膜を良い状態に保ってくれる働きもあります。
ご本人が嫌がらなければ、なるべくマスクを着用して過ごすのもおすすめ。
マスクの間に濡らしたガーゼを一枚はさむと、喉や鼻がうるおいますので、痰も出しやすくなりますよ。

要介護者の方をインフルエンザから守る対策をご紹介してきましたが、まずは介護する方の健康があってこそ。
日々の介護でお疲れのこともあると思いますが、休息する時間はしっかり確保すること。
介護を長く続けていくためにも、ご自身の睡眠と食事の時間を大切にしてください。
ちょっと具合が悪い時、介護を代わってもらえる「誰か」を見つけておくことはとても大事だと思います。介護者自身を守るだけでなく、要介護者の方を感染や守るため、日々かわらない介護を継続するためにも一人体制の介護ではなく、身内、介護事業者にかかわらず、複数で介護にあたることをお勧めします。
インフルエンザに負けないよう、ご自愛くださいね。

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