要介護度に納得できない!その時どうすれば?

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要介護度に納得できない!その時どうすれば?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

認定結果に納得できない場合、どのように対応すれば良いのでしょうか?「要介護認定」をテーマに集中連載してきました。
今回は最終回。納得できる認定結果を得られなかった時、どのようにすれば良いかをまとめます。

要介護認定の認定結果に不満がある。
認定結果を見直してもらいたい。

このような場合、いくつか対応方法が考えられます。
感情的になりがちですが「どうするのが一番良いか」を冷静に考えることが大切です。

今回は、認定結果の見直し方法と、考え方のポイントをまとめます。

【集中連載:要介護認定シリーズ】
第1回:認定調査の前に知っておきたい!「要介護認定」の仕組み
第2回:「要介護認定」で適正な評価を受けるために介護家族ができること

● 「認定調査票」と「医師の意見書」を閲覧してみる
思っていたより要介護度が低かった時、いろいろな不満が浮かんでくると思います。
不満で終わらせるのではなく、なぜ困るのかを具体的に考えてみましょう。

「こんなに介護に時間を取られているのに...」
「このサービスが使えなくなると困るのに...」

もしそれが認定結果に反映されていないなら、対象者の現状や介護家族の要望が正しく伝えられていなかったということになります。

まずは市区町村の介護保険課に足を運び、どのような経緯でこの認定結果になったのか、理由を聞いてみましょう。
情報開示請求をすれば、認定調査票のデータや一次判定の結果、医師の意見書など、認定結果の元になった情報を閲覧することができます。

特に注意深く読み込みたいのは、「医師の意見書」です。
医師の意見書は、二次判定の場である認定審査会において、大きな影響力を持っています。
医師がどのような見解を示しているのか、よく読んで確かめてみましょう。
もしかすると、「ここはもう少しこういうふうに書いてほしかった」あるいは「ここをもっと詳しく書いてほしかった」など、気になる部分が見つかるかもしれません。

「見直し」の手続きを進める前に、なぜその認定結果になったのかを把握することが大切です。


● 認定結果の見直し方法は「不服申し立て」と「区分変更申請」がある
要介護認定の結果に納得できない場合、市区町村がおこなった行政処分の取り消しを求める「不服申し立て(審査請求)」をおこなうことができます。
申し立てをおこなう先は、都道府県が設置している介護保険審査会。

要介護認定に不当な点がないかを審査したうえで、申し立てが妥当だと判断すれば、要介護認定を取り消し、あらためて審査をやり直すことになります。

ただし、取り消しのための調査に加えて、もう一度要介護認定の認定調査をやり直すため、かなり時間がかかることを覚悟しなくてはなりません。
申請のタイミングによっては、再調査の結果が出るまで数カ月かかることもあります。

もうひとつの方法として考えられるのは、「区分変更申請」です。
本来は、ケガや病気の進行などで身体状態が明らかに変わった時のための手続き。
更新前でも、見直しのための認定調査を受けることができます。
現状の要介護度と、対象者の状態が合わない場合に受理される申請なので、「不服申し立て」の代わりに「区分変更申請」をおこなうケースが少なくありません。

「不服申し立て」は、認定結果を受け取った翌日から60日以内におこなわなくてはいけないのに対して、「区分変更申請」はいつでもおこなうことができ、1カ月程度で審査結果が出ます。


●「不服申し立て」「区分変更申請」をせず「更新」を待ったほうが良い場合もある
要介護度と現状が合わないと考えた時の対応方法として、場合によっては「更新」を待ったほうが良いケースもあります。

その理由のひとつが、認定の有効期間です。
もともと「区分変更申請」は状態の変化に対しておこなうものなので、その後を確認するために認定の有効期間は3カ月~12カ月と短く設定されていて、すぐ次の更新時期が来てしまいます。
認定調査を受けることはそれなりに負担になりますし、どのような認定結果が出るか、また心配しなければなりません。これは「不服申し立て」も同じです。

一方、「更新」であれば、通常の手続きで認定調査がおこなわれ、認定の有効期間は最長で36カ月と長めです(直前の要介護度と同じ要介護度と判定された場合の有効期間の上限は48カ月)。

現在の要介護度、限度額で決定的にさほど困ることがなければ、要介護認定の更新時期を待って更新したほうが、労力も少なく、有効期間が長くつく可能性が高い、という考え方もあるのです。

もちろん、いろいろなケースが考えられますので、一概に「こうしたほうが良い」とは言えません。
まずは現在の不都合を解消するために、どの方法が適しているのかを判断することが肝心。

要介護認定に納得いかない時や、要介護度を見直してほしい時は、「不服申し立て」「区分変更申請」のどちらの方法が良いのか、「更新」を待ったほうが得策なのか、あるいは本当に要介護認定の見直しが必要なのか、ケアマネジャーに相談してみましょう。


行政や認定調査に対する不満だけを訴えても、思うような結果は得られません。
なぜ今の要介護度では困るのか、理由を明確にしておくこと。
そのうえで、ケアマネジャーと話し合い、どうするのが一番良いのかを冷静に見極めてください。

「不服申し立て」や「区分変更申請」をおこなう場合は、意見書を書いてもらう医師へのアプローチも重要です。
「介護認定シリーズ」を参考に家族としてできることを整理してみましょう。

【集中連載:要介護認定シリーズ】
第1回:認定調査の前に知っておきたい!「要介護認定」の仕組み
第2回:「要介護認定」で適正な評価を受けるために介護家族ができること

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