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在宅介護で注意したい春先の体調管理

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

春先は体調変化に注意し、のんびり過ごすことが大切です。季節の変わり目は体調を崩しやすいですね。
在宅介護では特に体調管理に注意が必要な時期といえます。

春先はどのような体調変化が起きるのか、それに対してどのようなケアが必要なのか。
在宅介護にあたるご家族の方が注意したいことをまとめます。

● 春先に起こりやすい体調変化
春先は、誰でも「スッキリ起きられない」「なんとなくだるい」といった体調変化を感じることがあります。気候の変化に身体をあわせることは、想像以上にたいへんなことなのです。

不調の原因の一つは、「自律神経」。
よく、春先は「自律神経が乱れやすい」といわれますね。
自律神経は外からのストレスに対して身体のなかを整える神経です。
寒暖差にあわせて、血圧や心拍を調整したり、汗をかいて体温を調整したり。
無意識のうちに行われるこうした身体の働きは、自律神経がコントロールしています。

身体の機能が衰えている要介護のご高齢者は、自律神経の働きも低下していますので、暖かかったり寒かったりといった不安定な気候についていけなくなってしまうことは少なくないのです。

在宅介護でよく見られる春先の体調変化には、このようなものがあります。
・食欲がなくなる
・発熱
・眠れない
・便秘や下痢をしやすくなる
・倦怠(けんたい)感
・ぼんやりしている
・耳鳴りやめまい
・むくみ
・関節や筋肉の痛み

ヒートショック(暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な温度の変化によって血圧が大きく変動することをきっかねに起こる身体へのショック)や、夏場の熱中症のように、急激にあらわれるのではなく、「なんとなく調子が悪そうだな」「疲れているのかな」というところから、徐々に変化が進行するケースが多いようです。

気づいたら今までできたことができなくなってしまう、寝たきりになってしまうなど、要介護度が進行してしまうこともあります。
軽微な変化でも春先は慎重な経過観察を心がけてください。


● 春先に特に注意したい「変化」と「対応」
在宅介護にあたられている方からみると、自律神経に起因する不調がわかりにくいことも多いと思います。

特に注意して見ておきたいのは、食欲の変化です。
いつもより食事や水分の摂取量が減っているときは、気をつけて体調変化を見るようにしましょう。

「食べたくない」「もう飲めない」などと言われたときは、どんな食べ物なら食べられるか、どんな飲み物なら飲めるか、聞いてみてください。
アイスクリームでも、果物でも、ゼリーでも、「これなら口にできる」というものがあれば、少しでも良いので食べるように促してください。栄養バランスが気になるところでありますが、まずは口にできるものから、とハードルを低くしてあげることが大切です。

高齢の方は、食べられなくなるとすぐに脱水を起こして、命の危険に関わることもあります。
食欲の低下に気づいたときは、かかりつけ医や訪問看護師に相談することが重要。
春先の体調変化は、早めに相談しましょう。


● 介護する方もいつもよりのんびり過ごしましょう
春先は気候の変化についていくだけで身体が普段以上にエネルギーを消費しているといえます。

大切なのは「いつもよりのんびり過ごす」こと。
身体を休ませて、体力を温存することがポイントです。

在宅介護では、規則正しい生活や、なるべく身体を多く動かすことが推奨されています。
けれども、この時期に「がんばる」ことはおすすめできません。

「なんとなく体調が悪い」ときは抵抗力も衰えているので、感染症にもかかりやすくなっています。がんばってデイサービスに行ったり、お風呂に入ったりした結果、病気になってしまったら、本末転倒です。
ご本人が「動くのがおっくう」「今はやりたくない」なら、休息することを優先してあげてください。

疲れている様子なら、食事は食卓ではなくベッドでも良いと思います。
トイレではなく、おむつを使う日があっても良いと思います。
朝寝坊したり、昼寝をしたりしていても、目くじらを立てず見守ってあげましょう。

がんばりすぎない方が良いのは、介護するご家族も一緒。
多少休んでも支障がないケアは、無理にその日、そのときにする必要はありません。
介護をペースダウンして、その分の時間をご自分のことや別の用事にあててください。
春先のような季節の変わり目は、「介護をがんばらなくて良い時期」なのですから。

春先はご本人にゆっくり過ごしてもらうのが、何よりのケアです。
春本番を楽しむためにも、介護する方も、される方も、体力を温存してくださいね。

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