在宅介護のミカタ!良いデイサービスに出会う方法

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在宅介護のミカタ!良いデイサービスに出会う方法

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

「セコムシニア倶楽部千歳烏山」の田中猛所長に良いデイサービスを見極めるポイントなどを聞きます。要介護者の方が日帰りで利用できる「デイサービス」。
前回は、デイサービスの特徴やメリット、役に立つ上手な利用方法などをご紹介しました。

デイサービスは、食事や排せつ、入浴などの支援が受けられるだけではありません。
ご家庭では難しいような身体機能の改善や維持が期待できたり、集団のなかで過ごすからこその発見や意欲向上が見られたり、デイサービスの利用価値は計り知れません。

大切なのは、利用の目的意識を持つこと。
「目的」にかなわなければ、別のデイサービスを探すのもひとつの方法です。

前回に引き続き、通所介護をご提供する「セコムシニア倶楽部千歳烏山」の田中猛所長にお話を聞き、「良いデイサービス」を見極めるポイントなどをまとめたいと思います。

● ところ変わればサービスも変わる。デイサービスの特徴もさまざま
「デイサービス」とひと言で言っても、施設によって規模も違えばサービス内容も違います。
働いているスタッフも施設の雰囲気も、それぞれ特徴があるものです。
いくつかのデイサービスを見学したことがある方、都合に応じて複数のデイサービスを使い分けている方なら、そのことをよくご存じかもしれませんね。

作業療法士や理学療法士を配置してリハビリに力を入れている施設、昼と夕に2食を提供してくれる施設、入浴に力を入れている施設など、施設によって特徴があります。
レクリエーションも音楽や体操、工作や園芸、俳句など多彩なプログラムが準備されているところもあります。
娯楽を充実させたアミューズメント型デイサービスなども話題になっていますね。

さまざまな施設があるなかで、ご本人にあったデイサービスを選ぶにはどうしたら良いのでしょうか。

「デイサービスも在宅介護を支える介護サービスのひとつ。
自立して暮らすために必要な支援を提供するのが役割です。
たとえば、『食事面の心配が解消されれば在宅介護が持続できる』という方なら、食事メニューや誰かと食事を共にするというような、食事をするときのサポートが充実しているところを選ぶ。
『要介護になっても自宅のお風呂に入り続けたい』という希望があるなら、そうした動きに特化した機能訓練をしてくれる施設を選ぶこともできます。
利用目的をはっきりして、優先事項を決めれば、おのずとご本人にあった施設が見つかると思います」と田中所長は言います。

デイサービスを利用しても、生活の拠点はあくまでも自宅。
ご本人が在宅生活を維持するために必要な支援は何かを見極め、そのうえで足りない部分を補ってくれるデイサービスを選ぶことが大切だということですね。


● 良いデイサービスはどんな課題にも向きあう
デイサービスは、ケアマネジャーから紹介されたところを利用するのが一般的ですが、すすめられるままに利用を開始すると、「こんなはずではなかった」ということも起こりかねません。

サービス内容や条件だけでは、デイサービスの良し悪しや利用されるご本人との相性は見極められないのです。
施設としての方針、そこで働くスタッフの姿勢や考え方が、提供されるサービスや施設での過ごし方に影響します。
最適なデイサービスと出会うために、どんなことを確認しておけば良いのでしょうか。

「やはり、実際に見学に行ってみることは必要ですね。
受けたいサービスに対応してくれるかどうかも大切ですが、施設の雰囲気やスタッフの人柄、活気の有無、ほかの利用者の方の様子なども確かめておきたいところです」と田中所長。

良い施設を見極めるポイントとして、ほかにもこんなことを教えてくれました。

「相談したことに対して、『うちでは無理です』『対応していません』などと否定的な言葉が出てくる施設は、利用者の方の課題に向きあおうとしていないデイサービスなのかな?と思います。
私たちの施設では、難しい症状を抱える認知症の方や医療依存度の高い方でも断りません。
どんな方でも受け入れて、やれるだけのことをやってみる。
「自宅で暮らし続けたい」という希望を持っている方の思いをかなえるために、試行錯誤して最適なサポート方法を考える。
これこそがデイサービスに求められている役割だと思うのですが、そうした施設ばかりではないのが現実です」とのこと。

私もケアマネジャーとして働いていた時には、さまざまなデイサービスとかかわってきましたが、利用者の方の状態や課題を伝えると、最初から断られてしまうこともありました。
無理にお願いすれば引き受けてくれる場合もありますが、サービスに不満があっても言いにくい、肩身の狭い思いをするなど、あとで嫌な思いをする可能性も高いと思います。

「大丈夫ですよ」「やってみましょう」など前向きな言葉が聞かれたら、利用者に寄り添ったサービスが期待できます。
話していてポジティブな印象を受けるかどうかは、良いデイサービスを見極めるための大事なポイントと言えるでしょう。


● デイサービスを選ぶのは利用者の権利
「なんのためにデイサービスを必要としているのか」という目的を明確にしておくことが大切です。デイサービスを利用しはじめてからも、提供されるサービスに違和感があったり、スタッフの対応が気になったりすることもあるでしょう。

「預かってもらえるだけで助かる」「面倒を見てもらっているのだから...」という意識が強いと、施設側の対応に納得できなくても我慢したり、妥協したりしてしまいがちです。
不満がある場合、どうしたらいいのでしょうか。

「ケアマネジャーを通じて改善をお願いしても良いですし、ご家族から直接、施設に伝えていただいてもかまいません。
気がかりなことやご要望があれば、我慢せずに伝えてください。
お互いに納得したうえで利用していただくことが大事だと思います」と田中所長。

改善が見られない場合、どうしてもサービスに納得できない場合は、デイサービスを変えるのもひとつの方法だと田中所長は言います。

「ただし、デイサービスがご本人とマッチしているかどうかは、ご家族の感覚だけでは判断できません。
ご本人の話や表情にもよく注意を払ってみてください。
利用中にどんな様子かをのぞいてみるのも良いですね。
課題をきちんと把握して対応してくれているか、ご本人が満足しているかなど、多方面から見て判断することをおすすめします」

うまくいっていないと判断したら、ほかのデイサービスを調べたり、ケアマネジャーと話しあったりして、よりご本人にマッチしたデイサービスを探してみましょう。
ケアマネジャーはいろいろな情報を持っていますし、直接施設に問いあわせて必要事項を確認したりもしてくれます。

デイサービスを変更する場合は、「なんのためにデイサービスを必要としているのか」という目的を明確にすることをお忘れなく。
受け身ではなく、主体的にデイサービスを選べば、失敗は少ないはずです。

デイサービスも、在宅介護生活をより良い形で持続していくためのパーツのひとつ。
ご本人やご家族が望む「生き方」「暮らし方」を実現するために、上手にデイサービスを利用していきたいですね。

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