被災後のリスクと在宅避難の備え

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被災後のリスクと在宅避難の備え

こんにちは、セコムの倉井(くらい)です。

「親のリアルな生活」を具体的にイメージしましょう。自宅の被害が少なく、災害のリスクが低ければ「在宅避難」という選択肢があります。
「在宅避難」には多くのメリットもありますが、事前の備えがどこまで行き届いているかで生活状況は変わるものです。

●被災後、高齢者を待っているのは「生活の困りごと」
高齢者にとっては、普段の生活リズムが崩れること自体が大きな負担です。
在宅避難の生活をどのようにして維持するかが大きなポイントになります。

・たとえば「薬」。
継続して手に入れることはできるでしょうか?
災害時には、医療機関が混乱し、通常の診療が停止してしまうことが十分に想定されます。
毎日、服用している薬がなくなることは大きなリスクです。

・もし被災したときが猛暑だったら?
停電によってエアコンなどが使えない状況になれば熱中症のリスクは格段にあがります。
そのとき、水分補給はどうするか?
高齢者は加齢によって、のどの渇きを感じにくいうえ「トイレの回数を減らしたい」という思いから、自ら水分補給を控えてしまう傾向があります。
高齢者は、少しの脱水でも命の危険にかかわることがあるため、水分控えは厳禁です。

・環境の変化によって活動量が低下したら?
高齢者は数日間、動かないだけで急激に筋力が低下するものです。
「生活不活発病(廃用症候群)」のリスクが高まります。さらに、活動量の低下はエコノミークラス症候群の原因にもなり得ます。
また、普段と違う不自由な生活や不安感から、一時的に認知機能が低下したり、せん妄(混乱状態)を起こしたりする可能性も否定できません。

在宅避難時の「困りごと」を、いかに解消・軽減するかが重要です。


●「うちの親なら何に困るだろう?」と想像してみる
離れて暮らしていると、「高齢の親のリアルな生活」を具体的にイメージするのは難しいものです。
帰省した際などに、親の一日を確認してみましょう。

・重いものをひとりで扱えるか?
「2Lの水のペットボトル」や「灯油」など重いものは高齢者にとって、移動させるだけで重労働です。水なら500mlのペットボトルでストックしておくなどの工夫が必要ですし、灯油などの重いものはキャスター付きの台を用意するなど、「親の今の体力」にあわせた備えが欠かせません。

・ものの置き場は安全か?
高齢になると高いところのものを取るだけでバランスを崩して転倒するリスクも高まります。
日常でよく使うものは、「腰の高さ以下の安全な場所」に分散して配置しましょう。

・停電時の情報収集はどうするか?
普段、情報収集に使っていたテレビなども停電で使えなくなる可能性があります。
スマホや携帯電話を用いて最新情報にアクセスする習慣がないのであれば、テレビの代替手段として「電池式や手回し充電式の防災ラジオ」を用意することが大切です。

・メガネや補聴器、入れ歯は持ち出せるようにしてあるか?
これらを暗闇で見失うと避難はおろか、家のなかを安全に歩くことや食事、会話すらできなくなります。置き場所を決めて手が届く場所にまとめて置いておく習慣なども大切です。

・お薬手帳のコピーはあるか?
災害時、かかりつけ医以外で薬を処方してもらうには「お薬手帳」が欠かせません。
スマホで写真を保存するか、コピーを防災バッグに入れておきましょう。
マイナンバーカードとお薬手帳はセットにしておき、非常時に持ち出せるようにしておくことも大事です。

「防災グッズ」をやみくもに買いそろえるのではなく、「親の体調や体力から何に困るか」を出発点にすると、本当に必要な備えが見えてきます。


●日常の延長でできる備えを少しずつ
高齢の親にとっては、使い慣れない特別な防災用品よりも、「普段の暮らしの延長」で続けられる備えのほうが、いざというときに迷わず使えます。
帰省のタイミングを活かして、一緒に「体験」してみるのがおすすめです。

・「簡易トイレ」は、一度一緒に試しておく
災害時、最も困るもののひとつがトイレ。
断水していても自宅の便器に袋を被せてセットするタイプの簡易トイレ(非常用トイレ)なら、立ち座りの動作が普段通りできおすすめです。
しかし被災時に初めて使用する場合、心理的な抵抗や戸惑いがあるもの。
ぜひ帰省したときに「一度練習で使ってみよう」と一緒に試しておきましょう。
一度でも経験しておけば、いざというときの心理的ハードルがぐっと下がります。

・家電は「普段使い」しながら備える
例えばポータブル電源は、押し入れにしまい込まず、普段からリビングでスマートフォンの充電や、電気ケトル、モバイル扇風機などの電源として日常的に使ってもらいましょう。
操作に慣れるだけでなく、いざというときの充電切れも防げます。
部屋の照明や足元を照らすフットライトなども、設置するだけで充電できる蓄電型LED電球に変えるのもおすすめです。

・食材は「食べ慣れたもの」を少し多めに(ローリングストック)
食事は、体力を維持するだけでなく、不安な被災生活において大きな「心の癒し」になります。
食べ慣れない非常食を無理に用意するのではなく、普段から好んで食べているレトルト食品、缶詰、レトルトのお粥、フリーズドライのスープなどを少し多めに買い置きし、古いものから消費していく「ローリングストック」がおすすめです。

帰省したときや親を訪ねたときには、「これならひとりでも使えそうかな」「足りないものはないかな」と、一緒に確認してみましょう。少しの見直しが、被災後の安心につながります。


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2026.08.12

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