こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。
こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。
認知症の家族から、手を上げられた。
怖さを感じ、不安になる人も多いのではないでしょうか。
認知症による暴力は、介護する人だけで抱え続ける問題ではありません。
なぜ暴力が起きるのか、誰に助けを求めれば良いのか。
家族だけで悩み続けないための考え方を整理します。
●認知症の人が、暴力をふるうのはなぜ?
認知症で手を上げてしまうとき。
多くは相手を傷つけようとする「悪意」からではありません。
強い混乱や恐怖によって、脳がパニック状態に陥った結果であることが多いと考えられています。
適切な声かけやケアであっても本人にとっては、
「何をされているのかわからない」
「突然、怖いことが起きた」
という体験にすり替わってしまうことがあります。
恐怖が限界を超えると、考えるよりも先に体が反応してしまう。
それが暴力的な行動になります。自分を守ろうとする防御反応のひとつとして現れるのです。
興奮が収まったあと、本人はその出来事を覚えていないことも少なくありません。
その一方で、戸惑いや痛み、恐怖を抱え込むのは、介護する家族だけになってしまうこともあります。
家族にとってはつらいことですが、認知症による暴力を「自分がうまく対応できなかったせい」と責める必要はありません。
認知症の方の脳が、必死に自分自身を守ろうとした結果だということを覚えておいてください。
●認知症による暴力との向きあい方
認知症による暴力に直面したとき、「どうにか落ち着かせなければ」「やめさせなければ」と必死になるものです。
しかし、そのような場面では、言葉による説得や正論は、ほとんど届きません。
無理に体を押さえたり、強い口調で制止したりすると、かえって興奮が強まり、危険が増すこともあります。
まず優先したいのは、ご自身の安全を確保することです。
距離を取る、いったんその場を離れる、認知症の方の刺激を減らすなど。
こうした対応は、逃げでも放置でもなく、状況を悪化させないための工夫です。
「怖い」「もう無理かもしれない」と感じたら、それはあなたが弱いからではなく、ひとりで抱えるには重すぎる状況に来ているサイン。
あまりにも暴力が頻繁に生じているときは、迷わず医療や介護の専門家に相談してください。
●暴力が続くときに考えたい現実的な対処
暴力が一時的なものではなく、繰り返されるようになった場合、介護する家族だけで状況を支え続けることは、現実的ではありません。
「家で最期まで看たい」「できることはすべてやりたい」
そう思う気持ちは尊いものです。
しかし、介護する人の心や体が限界を超えてしまえば、介護そのものが立ち行かなくなってしまいます。
まずは、ケアマネジャーや主治医に、起きている事実をそのまま伝えることが大切です。
「暴力がある」
「恐怖を感じている」
「家族だけでの対応に限界がある」 など
こうした言葉は、恥でも弱音でもなく、支援につなぐための大切な情報です。
ひとりで抱えず話しましょう。
在宅介護にこだわらず、施設入居を含めて環境を変えることも、「本人を守る」「家族を守る」ための現実的な判断です。
それは決して、介護を放棄することではありません。
介護はひとりで耐え続けるものではなく、チームで向きあうものです。
支援を得る、環境を整える、介護者とのかかわり方を見直すことで状況は変えられます。
ひとりで抱えず、周囲と力をあわせながら、一緒に考えていきましょう。
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2026.02.24







