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「介護でイライラしてしまう私は冷たい人間でしょうか」

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

感情がささくれ立ってしまうのは、それほどまでに心と体を使い果たしているということです。 「なんであんな言い方をしてしまったんだろう」
「どうして突き放すような態度を取ってしまったんだろう」

介護をしていて自分の言動を責めてしまうことはありませんか。
「私はなんて冷たい人間なのだろう」と切ない気持ちになることもあるかもしれません。

けれども「性格」や「人間性」に結びつけなくても良いと思います。
決してあなたの優しさが足りないからでも、思いやりを失ったからでもないはずです。



●イライラは「冷たさ」ではなく「消耗」のサイン
私は長年、さまざまな介護家族と接してきました。
介護中に感じるイライラは、心のサインのようなものだと思っています。

介護は、目に見える身体的な負担だけでなく、日常的に積み重なる些細な献身や忍耐、そして先の見えない不安もあり、心のエネルギーも使い続ける日々です。
相手の変化に気づき、先回りし、失敗しないよう気を配る。
自分のやり方やペースが乱される。
その積み重ねは、気づかないうちにあなたの心をすり減らしていきます。

感情がささくれ立ってしまうのは、あなたが「冷たい」からではなく、それほどまでに心と体を使い果たしているという「消耗」の証だと思うのです。


●「近すぎる距離」が感情を増幅させる
介護をしていると、相手との心理的・物理的な距離が驚くほど近くなります。
親子や夫婦といった関係の「近さ」に、介護という「逃げ場のない日常」が加わることで、気持ちを切り替えるための「余白」は消えていってしまうものです。

聞き流せば良いような些細な言葉、何度も繰り返される同じ行動、つい過剰に反応してしまうことがあると思います。
きつい言葉や態度を抑えきれないのは、あなただけではありません。

相手を真正面から受け止め、一生懸命に向き合おうとしているからこそ、感情が激しく揺れ動くのです。
あなたの心が荒れているからではありません。


●今日の気持ちに、結論を出さなくていい
イライラを言葉に出さず、常に穏やかな心で介護にあたる。
熟練のプロでも難しいものです。ましてや家族であればなおさら至難の業。

「あんな言い方をしなければよかった」
「私はどうしてこうなんだろう...」

自己嫌悪は想像以上に心をすり減らします。
無理に自分の気持ちと向き合い、反省する必要はないと思います。

イライラや自己嫌悪は、あなたの心のサインです。
あなたの心が「つらい」「少し休ませて」と、あなた自身に必死に送っている大切なサインです。


自分のなかにこもってしまったエネルギーを、ほんの少しだけ「外の世界」に向けてみましょう。
明日の天気を確認したり、ベランダに出て深呼吸してみたり。ちょっとしたことで良いのです。

介護とは全く関係のない「外の世界」に触れるだけで凝り固まった心が少し解き放たれます。
今日も「十分によくやった一日」なのだと、あなたはあなたに自身に言って良いのです。


イライラしてしまう自分。
それはあなたという人間の一部ではあっても、決して「あなたそのもの」ではありません。

介護で生じた一時的な感情を、あなたの人格や人生の評価に結びつけないでください。
自分を責めるより、がんばっている自分に「お疲れさま」を届けてあげてくださいね。



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