家族で防ごう!インフルエンザに「手洗い」「手浴」が効果的
こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。
寒さが本格化し、インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が猛威を振るう季節。
感染予防対策の基本は「手洗い」です。
しかし、身体の動きに制約がある要介護者の方にとって、洗面台での手洗いはひと苦労。
洗面台でしっかり手を洗うためには、立った姿勢を保つ、細かな動きで手指をくまなく洗うなど、さまざまな動きが求められますが、要介護の方にとっては難しい場合もあります。
そもそも歩く力が衰えていたら、洗面所まで移動することも大変です。
このような理由から、手洗いが習慣化されていない在宅介護のご家庭は少なくありませんが、手洗いは、要介護者の方の健康を守るために非常に大切なことです。
今回は、在宅介護で役立つ手洗いの工夫についてまとめます。
正しい手洗い、通常の手洗いが難しい場合の介護テクニックなど、今日からできるノウハウをまとめますので、ぜひ最後までご覧ください。
● 在宅介護で感染症を予防する「正しい手洗い」の方法
まずは、インフルエンザ予防対策として厚生労働省が紹介している「正しい手洗い」の方法をご紹介しましょう。
(1)流水で手を濡らし、石けん液を手のひらで泡立てて、よくこすります。
(2)手の甲にも石けんをのばして、反対の手でこするように洗います。
(3)指先や爪の間も念入りにこすります。
(4)両手を組むようにして、指の間を洗います。
(5)親指は反対側の手でつかんでねじり洗いします。
(6)手首まで忘れずに洗います。
(7)流水でよくすすぎ、清潔なタオルかペーパータオルでよく拭きとって乾かします。
足腰に不安がある要介護の方は、立ったまま両手をいっぺんに洗うと、支えがなく転倒の危険があります。椅子に腰かけてもらう、片手ずつ洗うなど、安全に配慮した洗い方が必要です。
手に麻痺がある、関節の動きが不自由など、手洗いの動作に支障がある場合は、介助する方が「正しい手洗い」を心がけてあげてくださいね。
また、石けんや温水を使った手洗いは、肌荒れしやすいので保湿ケアが肝心。
手荒れがひどくなると、菌が繁殖しやすくなりますので、ハンドクリームなどでしっかり保湿しましょう。
● ベッドの上でもできる!「手浴」「手洗い」の簡単テクニック
洗面所までの移動に不安がある、寝たきりで移動できないなどの事情がある要介護の方でも、手洗いをする方法あります。
介護や医療の現場でよく行われているのが「手浴(しゅよく)」です。
洗面器にお湯をはって手をつけてよく洗い、最後にかけ湯をしてよく洗い流すというもの。
ベッド上では、防水シーツやバスタオルを敷いてお湯を入れた洗面器を置き、片手ずつ洗います。
手をゆっくりお湯につけてあたため、マッサージをするように洗うと血行がよくなりますので、リハビリとしてもおすすめ。
ハンドソープ、かけ湯用のお湯、汚れたお湯を捨てるバケツ、洗い終わったあとに手を拭くタオルなど、必要なものをすべて整えて、手の届く場所に配置しましょう。
ベッド周りで行うケアは、途中で必要物品を取りに行くために、本人の傍を離れることがないよう、準備をしっかり整えてのぞむことがコツです。
もっと簡易に手洗いをする方法もあります。
防水シートの上に新しいおむつを広げます。ハンドソープをよく泡立てて手を洗い、ペットボトルに入れたお湯で洗い流すのです。
おむつは吸収力が高く、かなりの量の水分を瞬時に吸収してくれますので、手を洗うことができます。
訪問介護では、ベッド上での洗髪でも、洗い流しの際のお湯を受けるためにおむつを使用することもあるんですよ。
終わったらおむつを捨てるだけなので、後片付けも簡単です。
ベッド上で身体を拭いていても、手の汚れは見落とされがち。
麻痺や拘縮がある方は、特に手のひらが不衛生になりやすく、感染症のもとになります。
「手洗いは大変」「洗面所で手洗いはできない」と考えている方にも、ぜひ試していただきたい方法です。
介護にあたるご家族も、感染症の季節は手洗いを徹底してください。
特に、外出先から戻ったときは、まず洗面所に直行して手洗いを。
家のなかにウイルスや細菌を持ち込まないように意識しましょう。