最近なんだかヘン...?加齢とともに訪れる「心の変化」とは

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最近なんだかヘン...?加齢とともに訪れる「心の変化」とは

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。落ち込んでいたらそっとしておく、怒りをぶつけられたら受けながずなど、負の感情に振り回されないことが大切です。

「昔より怒りっぽくなった」
「気力がなく落ち込むことが増えた」ご両親やパートナーの変化を実感している方も多いのではないでしょうか。
前回は、ご高齢の方が体験する「身体の変化」についてまとめました。

加齢による「身体の変化」の過程とともに、「心の変化」もあらわれるものです。
「心の変化」が介護家族とのコミュニケーションに影響を及ぼすケースは多々あります。

今回は、「心の変化」とは、どのようなものか、どのように接すれば良いのかなどをまとめます。

● 歳を重ねるほど増えていく「喪失体験」
子どもがひとり暮らしをはじめたり、結婚して巣立ったり、親が一種の"燃え尽き感"を味わう「空の巣(からのす)症候群」という言葉をご存じでしょうか。
子育てをがんばってきた方に見られる一時的な抑うつ症状ですが、こうした体験は、子どもに関することだけではないのです。

たとえば、男性が仕事をリタイアしたしたとき、社会や家庭での役割を失ってしまったとの思い込みから疎外感や虚無感を味わうことがあります。
また、親しかった友人や同年代の親戚の訃報を聞いて、「自分もそういう歳になったのか...」と落ち込むこともあります。
自らの身体的変化によって老いを実感し、できなくなってしまったことが増えていく不安を感じることもあるでしょう。

高齢期になれば、誰もが「役割の喪失」「社会的関係の喪失」「心身機能や健康の喪失」を体験するものです。
これらの喪失体験は、自分が老いていくことや死に対する不安や恐怖と直結していて、受け入れるまで時間がかかる場合があります。

心の変化による葛藤が「怒り」や「落ち込み」といった負の感情を生み出すきっかけになることは少なくありません。
加齢の過程でかつて経験したことがないほどの「心の変化」になんとかバランスを保とうと戦っているのです。
負の感情を目の当たりにしても、そのことをどうか理解してあげてください。


● 葛藤はずっと続くわけではない
こうした葛藤は、人間が「老い」や「死」を受容するうえでのプロセスと言えます。
感情が抑えられなくなって、突然怒りを爆発させる、気難しく扱いにくくなる、涙もろくなる、誰とも話したがらず引きこもるなど、あらわれ方は人それぞれ。

あらわれ方は人それぞれ違いますが、ずっと続くわけではないので安心してください。
身体的、社会的能力が落ちていくことを否定的にとらえる時期がすぎると、少しずつ受け入れのプロセスに移行すると言われています。
自分の運命を受け入れると、怒りや抑うつを感じなくなっていく段階に達するのだそうです。

「でも、いったいいつまで続くの...!?」
感情がコントロールできない方の介護で、ヘトヘトになってしまうこともあるかもしれません。
悩んでしまうこともあるかもしれません。
「売り言葉に買い言葉」で、イライラしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、介護する側がどんなに苦労してつきあってもご本人の気持ちを変えることは、おそらくできないでしょう。
加齢による心の変化がもたらす感情を落ち着かせるのは時間だけ。
落ち込んでいたらそっとしておく、怒りをぶつけられたらうまく受け流すなどして、感情に振り回されないことが大切です。
ありのままの今を受け止めるような気持ちで接していけると良いですね。
ありのままの状態を受け入れてあげることは、在宅介護の精神的な負担を少し軽くする「コツ」でもあります。


● ご本人のペースにあわせてのんびりと
介護でご高齢の方の生活をサポートするなら、関わり方のコツを知っておくことが大切。
たとえ肉親でも、介護する側のペースや価値観を持ち込まないことです。
介護家族の方に覚えておいていただきたいことをまとめました。

(1)パターン・習慣・文化を変えない
(2)意思決定を本人に委ねる
(3)シンプルにゆっくりとペースをあわせる
(4)本人の「できること」を大切にする

住環境や、生活のリズム、日常の習慣を変えることは、ご高齢の方にとってストレスになります。
若くても、引っ越しや転職で新しい環境に馴染むまでは、普段は使わないエネルギーが必要ですよね。高齢になればなおのこと、新しいことに適応するのは大変なのです。

良かれと思ってしたことが、実は負担になって心身の不調につながることもあるので、住む場所を変えたり、新しい習慣を取り入れたりすることを検討するときは、慎重に考えてください。
都会に住む子供夫婦が、田舎から両親を都会に呼び寄せるというような場合も同様です。
また、「時間がかかるから」とご本人に変わって何でもやってしまったり、「これでいいでしょ」と一方的に物ごとを決めてしまったりすることも、あまりよくありません。

今日着る服や食事など小さなことでも、「どっちがいい?」「どうしたい?」と確認すること。
せかさず、ご本人のペースにあわせて物ごとを進めるよう意識してください。

普段はお忙しい方も、介護のときはペースダウン。
介護する側にも生活も感情もあるので簡単なことではないかもしれません。だからこそ、100点を目指すのではなく、いい加減でいいので、その分いっしょにのんびりした時間を楽しむような気持ちで過ごすようにしてみてくださいね。

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