機能は大切、でもおしゃれだって大切!「着たい服」で在宅介護ライフを楽しむ

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機能は大切、でもおしゃれだって大切!「着たい服」で在宅介護ライフを楽しむ

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

着たい服があるなら、その思いに寄り添うことも大切です。前回は、着替えの介助がしやすい服についてお話ししました。
身体が動かしにくい要介護の方の服選びは、「脱ぎやすさ、着やすさ」がポイントになることをお伝えしました。

ただし機能面ばかりを優先すると、服選びも味気なくなってしまいますよね。
誰にだって「服装の好み」はありますし、ワードローブには「お気に入りの服」があるもの。
要介護になって自分が着たい服が着られなくなってしまったら、悲しいことでしょう。

たとえ着せたり脱がせたりするのが大変でも、ご本人が「着たい」と思う服があるなら、その思いに寄り添うことも大切だと、私は思います。

今回は、要介護者の方がおしゃれをすることで得られる効能や、在宅介護生活で「着たい服」を上手に取り入れる方法などをご紹介します。

● 「着たい服」を着ると心身がいきいきする
おしゃれをしたときに華やいだ気持ちになったり、服を褒められてうれしく感じたりするのは、要介護の方も同じ。
女性だけではなく、男性もおしゃれにこだわりがある方が少なくありません。

私が関わったご利用者様でも、外出のときは必ず襟付きのシャツを着る方、ステキな帽子をかぶっている方、いつもベルトを欠かさない方、必ずきまったベストを着る方など、さまざまでした。

「ステキですね。よくお似合いですよ」と声をかけると、皆さんとてもうれしそうな表情をされます。
「昔のものだから...」などと謙遜される方もいますが、着ている服をきっかけに思い出話がはじまり、会話が広がることもよくありました。

ファッションのこだわりは、その方のアイデンティティに関わる大事なものだと私は考えます。
身につけているものから、大切にされている価値観や考え方が感じられることも多いです。
いくら機能的でも、不本意な服ばかり着ていたら、その方らしさは曇ってしまうかもしれません。

着たい服を身につけることが、自分らしさや自信の源になり、心身をいきいきとさせてくれます。
おしゃれすることで、人と話したり、外出したりすることに前向きになる方も少なくありません。
誰かと会うために身だしなみを整えたり、よそ行きの服を着たりする行為は、見た目だけではなく、気分も変えてくれるものなのです。

ご本人に「これを着たい」という意向があるなら、できるだけ尊重していただきたいと思います。
素材やデザインによっては、着替えの介助が大変なものや、要介護の方には適さないものなどもあるかもしれませんが、希望を叶えるだけの価値があります。

毎日とは言わなくても、デイサービスに行くときや、自宅にお客様を迎えるときなど、特別な日には、「ご本人が着たい服」を着る機会をつくってみましょう。


● 在宅介護生活は「着替え」でオン・オフをつくる
在宅療養中の方のなかには、着替えることに積極的ではない方もいます。
要介護度が高く、ベッドで横になっている時間が多い方ですと、一日中パジャマのまま過ごしてしまうこともあるようです。

たとえ療養中でも、できれば「寝る服」と「日中を過ごす服」は別にすることをおすすめします。
自宅やベッドで過ごす時間が長いからこそ、活動と休息のオン・オフをしっかりつくることを意識しないと、脳への刺激が乏しくなり、身体機能の低下につながりかねません。

在宅介護では「離床(寝床から離れること)」や「寝食分離(寝る場所と食べる場所を分けること)」が非常に大事だと言われています。
着替えることも、離床や寝食分離の一環です。
昼夜なくパジャマのまま横になってばかりいると無気力になりがちですので、できるかぎり活動時間帯にあった服装と過ごし方をしていただくのが理想です。

動き出しはおっくうでも、いざ身体を起こして服に着替えると、気分が変わる方も多いものです。
着替えの動作は身体のいろいろな部分を使いますので、血液のめぐりも良くなりますし、かたまりがちな関節の動きをスムーズにする訓練にもなります。

ご家族が着替え介助をするのが難しいようでしたら、訪問介護で身体を拭いたりお風呂に入れてもらったりするタイミングで着替えを取り入れても良いと思います。
できるかぎり着替えを習慣化して、在宅介護生活にメリハリをつくってみてくださいね。


● 服選びの主導権はご本人に
服装でメリハリをつけることは、介護生活の彩りになります。
ご本人にあまりこだわりがなく、介護するご家族が衣服を選ぶ場合も、普段着とお出かけ着は分けたほうが良いかもしれません。
家の中で過ごす日は着替えの介助がしやすく、ご本人も着ていてラクな服で良いと思いますが、お出かけのときは襟付きのブラウスやポロシャツなど、少しきっちりした雰囲気が出る服装を選ぶのがおすすめです。

おしゃれに無頓着な方でもでも、「すごく似合うよ!」「若く見えるね!」などとポジティブな言葉をかけられると、うれしく感じます。
うまく盛り上げて、身だしなみに気をつかったり、おしゃれすることを楽しんだりできるようになると、介護生活そのものが変わってくるかもしれませんね。

また、着替えの際には、どの服を着るのか必ずご本人の意思を確認しましょう。
介護する方が「これを着てね」と勝手に決めてしまうのではなく、「何を着る?」と聞いてみてください。たくさんの中から選ぶことができない方には二つか三つの選択肢を示して「これとこれ、どっちがいい?」と聞いてみると良いと思います。

たとえ着替えに介助が必要でも、服選びの主導権はあくまでご本人に。
「自分で服を決める」という行為も、毎朝の着替えのモチベーションになるはずです。

介護が必要な方も、服を選んだり、装ったりすることをどうか楽しんでください。
前向きな気持ちで、いろいろなおしゃれにチャレンジできると良いですね。

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