在宅介護でおすすめの「着やすい」「脱ぎやすい」服の選び方

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在宅介護でおすすめの「着やすい」「脱ぎやすい」服の選び方

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

アームホール(袖穴)のゆったりした服がおすすです。在宅介護をしているご家族が苦労することのひとつが、着替えの介助。
1日に何度も着替えをすることもあるので、なるべくラクに介助ができたほうが良いですよね。

素材やデザインなど、ちょっとしたポイントを押さえて選ぶと、着せやすさ、脱がせやすさがずいぶん違います。

今回は要介護の方の着替え介助がしやすい服についてご紹介します。
在宅介護でおすすめの服についてまとめますので、ぜひご参考になさってください。

● 要介護の方が着脱しやすい衣服とは?
麻痺や、筋力の低下、関節がかたくなって動きに制約がある拘縮(こうしゅく)といった方の着替え介助では、「着脱しやすい衣服を選ぶこと」が肝心です。

一般的には前開きのシャツが推奨されています。
かぶり式のシャツですと腕や首などを大きく動かす必要があり、介助する方もされる方も負担が大きくなるからです。

<要介護者の方が着替えやすい服のポイント>
(1)上衣は前開きで、アームホール(袖穴)と肩幅が広いもの
(2)ズボンはウエストと裾がゴムになっているもの
(3)伸縮性のある素材のもの

アームホール(袖穴)がゆったりしたもの、肩幅が広めにとられたもの選ぶと、関節を大きく動かさなくても腕が通過しやすいので、介助もスムーズになります。
麻痺や拘縮(こうしゅく)のある方に上衣を着ていただく際、大変なのは2本目の腕を通すとき。
脱ぐ場合は、最初に袖から腕を抜くのが大変です。
アームホール(袖穴)や、肩幅にゆとりがあれば、服を動かせるため比較的ラクに着替えが行えます。

ズボンは裾がゴムなどで絞ってあるものが便利。
裾が絞られていないタイプの場合、足先を通したあと、スルリと裾が下に下がってしまいがちで、つま先やかかとに裾がひっかかってズボンがあげにくいことがあります。裾が絞ってあると、足先を通したあとに足首で裾が固定されるため、ラクに引きあげることができます。
また、裾が足首で止まれば裾を踏んで転倒することも防げますし、トイレのときに裾が床についてしまう心配もありません。

伸縮性も着替えやすさに関わるポイント。
綿100%素材は肌触りが良くて快適ですが、伸びのない素材は着替えの際に動きが制約されてしまい、要介護の方の負担になります。
綿100%ではなくても、ストレッチが利いて通気性が良い素材の服もあるので、なるべく伸びがよく、着心地や肌触りの良い服を選びたいですね。


● 着替えの前に軽く身体を動かしてみる
身体の機能が低下して、関節がかたくなっている方の場合、動きはじめは特に苦労します。
動かずにいたことで、身体がこわばってしまうのです。

朝起きたばかりのときや、直前までじっとしていたときなどは、着替えのために腕や膝(ひざ)を曲げ伸ばしするのにも、痛みをともなうことがあります。
いきなり着替えをはじめるのではなく、簡単な準備運動をしていただくと良いでしょう。

<着替え前の簡単ストレッチ>
・端座位の姿勢になり、あがるところまで腕をあげてみる
・肘や膝(ひざ)を、曲げたり伸ばしたりする
・肩甲骨周りを意識して肩を動かす
・首を前後左右に曲げたり、回したりする

無理なくできる範囲で軽く動かせば十分。
ちょっと身体を動かすだけでも、着替えのしやすさがずいぶん変わります。

身体を動かす動作に、深呼吸を取り入れるのもおすすめ。
胸郭が広がって酸素をたくさん取り入れることができますので、全身の活性化につながりますよ。

着替えは、身体のいろいろな部位を使う生活動作です。
すべてを介助するのではなく、できることはやっていただくことも大切なポイント。

動くほうの腕を自分の力であげる、ボタンを留める、ズボンをあげている間つかまり立ちをするなど、残存機能(障害を受けていない、残された機能)でできることは、なるべくご自身で行えるよう、うまく声かけができると良いと思います。


● 寝たきりの方におすすめの「浴衣」
寝たきりの方の着替えは、座位が取れる方の着替えと比べて手間と時間がかかるものです。
自分で身体を動かせない人の身体の向きを変えたり、持ちあげたりするのは本当に大変なので、パジャマの上下を着替えさせるとなれば、介護家族の負担は大きくなります。

そこでおすすめなのが浴衣です。
何度も身体の向きを変えたり、持ちあげたりするパジャマの着替えとは違って、浴衣なら左右一度ずつ側臥位(横向きに寝た状態)になっていただくくらいで、全身の着替えが済みます。
浴衣は、袖が広く、身幅も広いので、腕を通しやすいのもポイントです。

着替えのしやすさだけではありません。
体温調整もしやすいのが浴衣の良いところ。
熱がこもっているときは胸元を少しあけたり、腰ひもを緩めたりすることもできます。
おむつ交換もしやすいですし、身体の動きも妨げません。

選ぶなら、肌触りが柔らかく、吸湿性にすぐれたガーゼ素材などの、寝間着の浴衣がおすすめ。
パジャマの着替えで苦労している方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

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