介護生活で大切な3つの環境管理とは?

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介護生活で大切な3つの環境管理とは?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

介護生活では、室温・湿度・明るさの調節が大切です。四季折々の変化が楽しめる日本の気候は、とても素晴らしいものですが、一方で、寒暖の差が大きく、夏や冬の過酷さが体にこたえることがあります。
これからの季節は、急激な温度変化によって、血圧の急激な上昇・下降や脈拍の乱れが引き起こされる「ヒートショック」なども心配ですね。

気候の変化による体への影響を減らすため、一年を通じて適切な室内環境を保つことがとても大切。

在宅介護における"適切な室内環境"とは、どのようなものでしょうか。
介護生活で大切な「温度」と「湿度」、そして「明るさ」の3つの環境管理についてお話しします。

● 介護生活における「温度」「湿度」管理の重要性
年齢を重ねると、気温の変化に体がついていけなくなります。
体温調節機能や温度変化への適応能力が衰えるため、熱中症や気温差によるヒートショックを起こしやすくなるのです。
意外なことですが、電気毛布の使用や暖房器具の過度な使用で、冬でも熱中症になってしまうこともあります。

また、湿度も体への影響が大きい要素です。
湿度が低いと、肌が乾燥してかゆみや発疹が出たり、痰(たん)がねばねばと固くなって出しにくくなったりします

特に呼吸器の疾患がある方や、ベッドで寝ている時間が長い方は、乾燥によって鼻や喉の粘膜を痛めたり、痰が出せないことで呼吸困難や肺炎などを引き起こしたりする可能性があります。

在宅介護では、温度と湿度の管理がとても重要ですので、常に注意を払いましょう。


● 介護生活で適切な「温度」と「湿度」とは?
介護における適切な「温度」「湿度」の目安をご紹介します。

・冬 ... 温度20~22℃ 湿度45~55%
・春秋 ... 温度18~20℃ 湿度55~70%
・夏 ... 温度24~28℃ 湿度45~55%

温度に関しては、普段過ごすお部屋だけではなく、トイレやお風呂でも注意が必要です。
冬場はヒートショックを防ぐため、暖房などであらかじめ温めておくことをお忘れなく。
少し、もったいないような気がしますが、トイレに小さな暖房器具を置くことをお勧めします。
お風呂場の場合は、シャワーを流しっぱなしにしておくと、湯気で温まります。
浴室の扉を開けておき、脱衣場まで温めておくのもポイントです。

湿度については、加湿器を置いたり、濡らして絞ったバスタオルをかけたりして加湿するのがおすすめです。
ベッドで過ごす時間が多い方は、枕元に加湿器を置いて顔のまわりを加湿するのも良いでしょう。

在宅介護では、ご家族や介護ヘルパーなどいろいろな人がかかわりますので、体感に頼ると個人差が出てしまいます。
温湿度計を準備して、客観的な数値で管理できるようにしてくださいね。
また介護を受ける方ご本人にとって適した温度と湿度があるようでしたら、温湿度計を使って保ちましょう。


● 自然な生活リズムをつくる「明るさ」にも配慮を 
介護がはじまると家で過ごす時間が増えますので、採光や照明など「明るさ」の管理が欠かせなくなります
朝は少しずつ陽の光が強まって明るくなり、夕方は少しずつ暗くなっていく...この自然の明るさのサイクルは、実は人間の体にとても大きな影響力を持っているそうです。

ゆっくり眠れるようにと、夜が明けてからも遮光カーテンを閉めて部屋を暗くしたままでいたり、夜就寝時に照明をつけて明るくしたままでいたりすると、睡眠の質が低下して、昼夜が逆転してしまうことがあるそうです。
なるべく自然の明るさのサイクルを感じられるよう、家の中の採光や照明を調節しましょう。

その意味でも、ベッドのある部屋のカーテンは、自然光をよく通すものがおすすめです。
朝はしっかり陽の光を感じることで、体の目覚めを促すことができます。
日中もなるべく自然の明るさを感じられる環境で過ごしましょう。

夜間は、ダウンライトや足元灯など、間接照明を利用して、就寝しやすい環境を整えると、落ち着いて眠れると思います。

ただし、視力が低下している方が作業をする場合には、一定量以上の明るさが必要です。
室内で本を読んだり、薬を飲んだりする場所では、通常の照明の1.5~2倍の明るさになるように調節してください。
自然光が取り入れにくい居室でも、照明器具を追加するなどの工夫をしましょう。
いつどのように過ごすのかをよく考慮して、明るさを調節することが、活動と休息のバランスをとるためには重要です。

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