2021年はどんな年?コロナ禍の在宅介護、その先に見える希望

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2021年はどんな年?コロナ禍の在宅介護、その先に見える希望

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

オンライン活用が、在宅介護の新たな楽しみや生きがいにつながるはずです。新型コロナウイルス感染拡大の影響から大変な思いで過ごした今年。
「三密(密閉・密集・密接)」や濃厚接触を回避するために、利用していた介護サービスが制限され介護の負担が増えたという方も多かったのではないでしょうか。

どんな状況でも、休めないのが在宅介護。
感染の不安や、ままならない日常と奮闘しながら介護を続けてきたご家族の皆さんには、頭が下がる思いです。
今年一年、本当にお疲れさまでした。

withコロナとも、ウイルスとの共存とも言われるこれからの社会。
どうしても気持ちが沈みがちですが、在宅介護においては、悪いことばかりではありません。

今回は、在宅介護にまつわる明るい話題をまとめます。
新型コロナウイルスの影響は避けられませんが、少し視点を変えると、大変な日常にも希望が見えてきます。
介護をがんばる皆さんが、2021年を前向きな気持ちで迎える一助になれば幸いです。

● 巣ごもり需要で在宅向けのサービスが拡大
要介護状態にある方は、日常の暮らしや生活動作に制約があり、手助けを必要としています。
元気なときに好きだったことや、外での楽しみを諦めてしまう方が少なくありません。
どうしても家が中心の生活になりがちです。

一方で、新型コロナウイルスの影響で変わったことのひとつに、さまざまなサービスが自宅で楽しめるようになったことがあげられます。
演劇や演芸などがライブ配信で鑑賞できる、なかなか予約が取れない名店の料理がケータリングで味わえるなど、在宅向けのサービスが拡充しました。

本来であれば、現地に行かなくてはできなかったことが、自宅に居ながらにしてできる。
これは、在宅介護生活における「楽しみ」の部分のクオリティが上がることを示しているのではないでしょうか。

もうすぐ大晦日、そして新年を迎えますが、「バーチャル初詣」や「オンラインご祈祷」ができるサービスを提供する神社やお寺も増えているそうです。
要介護の方にとって、混み合う砂利道の参道を歩いたり、並んで順番を待って参拝したりすることは容易ではありません。
でも、バーチャルなら、オンラインなら家族そろって心静かにお参りができます。
しかも、どこへでも好きな場所へ行けるのです。

また、WEB会議ツールやビデオ通話などを利用すれば、遠く離れて住むご家族やご友人と顔を見ながら話すこともできます。
自宅に居ても参列できるリモートの冠婚葬祭サービスも登場したと聞きます。

社会参加の場やコミュニケーションの機会が増えることは、要介護状態にある方にとって良いことです。
日常にはない刺激を受けると感情が動き、心のメリハリや豊かさがもたらされます。

オンラインで利用できるサービスは、これからもますます充実していくでしょう。
積極的に利用すれば、在宅介護に新たな楽しみや生きがいをもたらしてくれるはずです。


● ICT(情報通信技術)が在宅介護生活をよりよく変える
医療においても、今後はICT(情報通信技術)が積極的に活用されていくことになると思います。
たとえば、自宅のベッドで心電図や睡眠の質を示すデータなどを測り、離れた場所にある病院で医師がそれを確認・診断する......といった遠隔医療も、これからは特別なことではなくなるでしょう。
検温や血圧測定などのバイタルチェックも、自動的にデータを記録・送信するシステムが登場しており、どんどん便利になってきています。
距離的・時間的なハンディがなくなることで、医療の選択肢も増えていくのではないでしょうか。

コロナ禍は、さまざまな弊害をもたらした一方で、情報通信技術の活用が一気に加速したとも言えます。
未来の話として語られてきたことがどんどん実現し、急速に普及しているのです。
家に居ながら、安心で質の良いサービスなど、在宅介護を受ける方が享受できるものは、以前より増えていると言えます。

今はまだ、「機械は苦手」「インターネットはわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。
けれども、社会は確実に情報通信技術の活用を前提に進んでいきます。
世の中がどんどん便利になっていくなかで、「できない」「わからない」を理由に拒絶するのは、もったいないことです。

誰でも使えるよう機器の操作性も高まっています。
タブレット端末などなら、直感的な操作で簡単に使うこともできます。

機器や新しい情報通信技術を敬遠するのではなく、柔軟に取り入れていくことで、新しい在宅介護のカタチが見えてくるかもしれません。


● 介護サービスはこれからどうなる?
介護業界においても、情報通信技術の活用による変化の兆しが見られます。
見守りや移乗介助など、これまで人間が行ってきたことの一部を新しいツールや、ロボットが担うようになってきました。
今は病院や介護施設などでの利用が中心ですが、今後はより一般化され、在宅介護にも取り入れやすくなっていくことが見込まれています。

もう少し身近なところでは、介護保険サービスの在り方が変わっていくかもしれません。
これまでは施設に集まっていたデイサービスでは、コロナウィルスの感染のリスクが高い場合、職員が自宅に出向く出張サービスが許されたり、オンラインでサービス担当者会議を開催する試みがはじまっています。
人と人の接触機会を減らして利用者の健康を守りながら、より効率的で質の高いサービスを提供することが、私たち介護サービス事業者の今後の課題です。

新型コロナウイルスの影響がなくても、少子高齢化で介護の担い手が減る今後は、どうしても介護に効率性や作業負担の軽減といった視点が必要になってきます。
しかし、それは決して悪いことではなく、介護するご家族の負担を楽にすることでもあるのです。

人の手を必要としない介助やケア、移動が必要ない効率的な介護サービスが「当たり前」になれば、空いた時間を他のことに使うことができるようになります。
介護される方と介護する方がゆっくり話をしたり、一緒に娯楽を楽しんだりすることもできるかもしれません。

今年は在宅介護をするご家庭にとって大変なことが多い一年だったと思いますが、今ある状況をあるがまま受け入れ、そこから進んでいくしかありません。

「コロナで介護の負担が増えた」と考えるのではなく、「今よりも便利になるかもしれない」「介護が少し楽になるかもしれない」と想像してみてください。
希望のあるところには、明るい未来への道筋が示されるものです。
介護家族の皆さんが、前向きな気持ちで2021年が迎えられますよう、心より願っています。

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