介護メンタルをアップする心の処方箋

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介護メンタルをアップする心の処方箋

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

自分を支えてくれる人や、気持ちを落ち着かせてくれるものなど、自分の心を元気にする方法を探しましょう。在宅介護の負担は、ひと言では言い表せないものです。
身体介護は肉体的にきついものですし、認知症の方の介護では「同じ話を何度も繰り返し聞かれる」「暴言をぶつけられる」など、精神的に追い詰められることもあります。
介護に時間をとられることで、自分のための時間がなくなり、十分に休めない場合もあります。

いつまで続くかわからない在宅介護。
無力感や絶望感にとらわれることもあるでしょう。

しかし、途中でギブアップすることができないのが介護です。
どうしたら今の状況を受け入れ、これから先も介護をがんばるエネルギーが湧いてくるのでしょうか。

今回は、折れない介護メンタルを手に入れるための、考え方や心の処し方をアドバイス。
在宅介護で「大変」の渦中にいるあなたに知ってほしい、気持ちの整理の仕方をまとめます。

● 在宅介護でイライラ...やり場のない思いをどうするか
介護をしていると、この怒りをどこにもっていけば良いのか...という場面がよくあります。
「なんで私が」
「なんでこんなことに」
「なんで今そんなことを」
こんな言葉を言いたくなる場面を経験したことはないでしょうか。

やり場のない怒りを本人にぶつけられず、ぐっと我慢している人もいます。
思わず感情が先立ち、きつい言葉をぶつけてしまう人もいます。
どちらにしても、後味の悪さから逃れられないでしょう。

感情的になってつい言い過ぎてしてしまうことだって、あると思います。
怒りが勝って抑えきれなくなるのは、決してあなたのせいではなく、心の自然な防御反応です。

心を落ち着かせるのにおすすめしているのが物理的に距離を置くこと。
いったん離れるのが簡単な解決方法です。

顔を見ても何も解決しませんし、イライラが募るだけ。
トイレでもキッチンでも良いので一時的に離れ、深呼吸やストレッチをするなどして、怒りのピークをやり過ごしましょう。

大事なのは、自分を責めたり、相手を恨んだりするのが「あたりまえ」にならないこと。
終わったことを思い悩まず、また新しくはじめる気持ちで再スタートしましょう。


● 心が自由になれる場所、自分だけの支えを見つける
どうしてもイライラした気持ちを処理しきれないこともあります。
そのようなときは、自分をわかってくれる相手に話すのも良い方法です。

同じ境遇にある友人、ケアマネジャー、ヘルパーなど、愚痴や弱音を話せる相手がいると、介護のつらさが少し軽くなります。
自分の中の負の感情を打ち明けるには勇気がいることかもしれません。
周囲に本音を話せる相手が見つからなければ、SNSや掲示板など、インターネット上にある在宅介護の当事者のためのサイトを活用するのもひとつの方法です。
介護の状況は十人十色ですが、介護が大変なのはどの家庭も同じ。

書き込みを見たり、交流を図ったりすることで、心が救われることもあるでしょう。
時には、同じような経験をしている人からアドバイスがもらえることもあります。

また、読書をすることで、介護で疲れた心が癒やされるという人もいます。
読書には、感性や想像力といったものを刺激する効果があり、自分だけにしかわからないメッセージが見つかることも珍しくないものです。
昔読んだ本を再読すると、かつてはわからなかった奥深さに気づくことも。
それも介護を経験している今だからこそのご褒美なのかもしれません。

周りが見えなくなったときほど、孤独を感じ、自分だけがつらいという心境に陥りがちです。
心の支えになるものは、見回せばいろいろなところにあります。

それは、人と話すことなのかもしれませんし、読書なのかもしれません。
おいしいものを食べることなのかもしれませんし、音楽を聴くことなのかもしれません。
自分を支えてくれるもの、自分を元気にする方法を、ぜひ探してみてください。


● 「この人もつらいだろう」は平常心を取り戻す魔法の言葉
介護において、自分の心を救うもの、それは「想像力」だと私は思います。
相手の気持ちをどれだけ想像できるかが、折れずに介護と向き合う「介護メンタル」の要になるのではないでしょうか。

うまくできなかった、失敗してしまった、家族に迷惑をかけてしまった。
そのようなとき要介護の方の気持ちは、いたたまれなく、とてもつらいものです。
認知症の方でも、そのような思いを持っています。
やってしまったことを隠そうとして嘘をついたり、暴言を吐いたりすることもありますが、心のうちは複雑で、誰よりも心に痛みを感じているものです。

「またやられた」という思いだけが積み重なると、いら立ちばかりが募ります。
でも大変なときに「この人はどんな思いでいるのだろう?つらいだろうな」と思う想像力があれば、気分が落ち着き、気持ちを整理することができるのではないでしょうか。

どんな状況でも「相手もつらいだろう」と考えられるかどうかは、その人の「想像力」によります。
「そんな余裕はとてもない」という方も多いと思いますが、「相手もつらいだろう」は自分を落ち着かせる魔法の言葉だと思って、大変なときにどうか思い出してみてください。
やり場のない怒りを静める方法を持つことは自分自身を救うことになります。

大変なときほど、ほんの少し相手の気持ちを「想像」する。
強い介護メンタルを持ちたい方は、この習慣をぜひ取り入れてみてください。

そして、「今」がどうしても苦しく、逃げ出したいときは、どうぞ遠慮なく介護を休みましょう。
ケアマネジャーに相談すれば、デイサービスやショートステイなど、介護から離れて気持ちを切り替える時間をつくることに協力してくれるはずです。

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