在宅介護の実話をヒントに!同居家族のための在宅介護のコツ

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在宅介護の実話をヒントに!同居家族のための在宅介護のコツ

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

できる範囲で任せると自信や生きがいにつながります。同居での介護にはいろいろ大変なことがあります。
日常生活が思い通りに進められないストレスも、そのひとつです。

「うまく言えないけれど、なんとなくかみ合わない」
「生活リズムが悪い」
「ちょっとしたことでイライラがたまる」

そんなモヤモヤを抱えていませんか?

実の親でも、義理の親でも、介護する人とされる人の間には、お互いに遠慮があります。
不平不満を飲み込んで、ギクシャクした同居介護を続けていくのは、フラストレーションがたまることでしょう。

同居介護の「なんだかうまくいかない」を軽減するには、ちょっとしたコツが必要です。
自分さえ我慢すれば...という考えでは、いつまで続くかわからない介護を乗り切ることができません。

今回は、同居家族が少しでも快適な在宅介護生活をつくる方法をまとめます。
このブログ「あんしん介護のススメ」の読者の方のエピソードをお借りしながら、同居介護のモヤモヤを解消する具体的な方法を紹介しましょう。


● 任せられることは任せ、家のなかでの役割を担ってもらう。
要介護になると、自分ではうまくできないことが増えるものです。
介護者が「時間がかかるから」「危ないから」という理由で代わりに何でもやってあげると、ご本人ががんばればできることを取り上げてしまうことになります。
介護に多くの時間を取られていると感じるなら、もしかしたら「何でもやってあげる介護」になっているのかもしれません。

時間がかかっても、不完全でも、多少危なっかしくても。ご本人が完結させられることは手を出さずに見守るのも介護です。
代わりをせずに見守ることは、決して冷たいわけでも、不親切なわけでもありません。
「本人にできることは本人に任せる」「見守る」の方が大事と決めれば、思い通りに進まないストレスから解放されることもあります。

任せるのは、ご本人のことだけには限りません。
できる家事があれば、お願いしてみてはいかがでしょう。

要介護になって、「面倒を見てもらっている」「何もできず迷惑をかけている」と恐縮しながら生活するのは、つらいものです。
家族のなかで何かの役割を果たして、自分が役に立っている実感を持てるようになると、自信や生きがいが生まれます。

たとえば、観葉植物に水をあげる、洗濯物をたたむ、孫の宿題の「音読」を聞いてもらうなど、残存能力に応じて何かしらできることはあるものです。

身体を動かすことが難しければ、家族に「いっていらっしゃい」「おかえりなさい」を言うだけでも良いでしょう。

介護が必要になることは、何もできない弱者になることではありません。
身体がどのような状態になっても、家族のために果たせる役割がきっとあります。
ご本人をひとりの人間として尊重し、任せられることは任せてみる。
家族の一員として、お互いに対等な関係をつくることが同居介護の理想です。


● 日常の小さな「面倒」を「ラク」に変えていく
同居介護の大変さは、介護以外にも日常生活で「やらなくてはならないこと」が増えることではないでしょうか。
洗濯機を回す回数や、掃除の回数が増える。
食事の献立も、健康な家族と要介護の方とで変えなくてはならない場合もあるでしょう。

在宅介護生活のなかでは、どうしても手間が多くなり、日々の家事が複雑化します。
やることの多さ、片付かないいらだちは、介護する方を疲弊させるものです。

従来のやり方ですべての家事をこなそうとするのは無理があります。
その手間を軽減してくれるサポートグッズや、便利なアイテムなどがあれば、取り入れてみてはいかがでしょう。

たとえば、要介護の方がおかゆを食べるなら、家族の炊飯器のほかに、おかゆポットを用意する。小型のおかゆ専用炊飯器が、いろいろなメーカーから発売されています。
鍋で炊くより手間がありませんし、吹きこぼれる心配もなく、つくっている間に別の家事ができます。

また、毎日の掃除も、コードと重い本体を引きずって掃除機をかけるのは大変ですが、コードレスのコンパクトな掃除機があるとかなりラクです。
ほうき感覚で気になるところをササっときれいにすることができれば、おっくうな気分や部屋が汚いというストレスから解放されます。

何度も洗濯機を回すのが大変なら、まとめてコインランドリーを使う日があってもいいのではないでしょうか。
洗濯から乾燥まで、大量の洗濯物を一度で片付けることができます。

家事のひとつひとつはたいしたことがなくても、積み重なると多くの時間を使っています。
在宅介護をしながら、家のこともしなくてはならない状況なら、少しでもラクになる方法を見つけて活用しましょう。
それはサボることではなく、同居介護生活を快適に変えていくことなのです。


● 「不快」を「快」に近づけて、家族みんながストレスなく暮らす
在宅介護でよくあるお悩みのひとつに、「排せつ」があげられます。
トイレにかかる時間やにおいなど、家族が気になる・不快に感じることもあるのではないでしょうか。

ご本人にとっても、家族を気にしたり、においや汚れで迷惑をかけたりすることは、とても悲しいことに違いありません。
本来、排せつは人間にとって「快・不快」の「快」にあたります。
家族みんなにとってトイレが「快適」であることは、同居介護においてとても大事なことです。

ここでこのブログ「あんしん介護のススメ」の読者の方のエピソードをご紹介します。

読者のAさんは2人の子どもを持つ働く母。
持病があるお父さまと半年ほど前から同居されています。

「父はトイレに時間がかかるうえ、においの問題にも当初は悩まされていました。
わが家はマンションでトイレがひとつしかなく、朝は特に大変。主人や子どもたちに『先に行って』『ちょっと待って』と声をかけなくてはならないのは、正直ストレスでした」と読者のAさん。

トイレ問題のストレスを解消するために試行錯誤したのは消臭剤でした。

「家族みんなの意見を聞きながらいろいろな消臭剤を試し、一瞬で快適な空間になるすごい消臭スプレーを見つけました。
それからトイレが何も不快ではなくなりました。父がトイレと言えば、みんなが『どうぞ』と言える。父にとっては、家族を気にせず自分のペースで済ませられる。
お互いにトイレのストレスがなくなりました」

大変なこと、不快に感じることを、いかに心地よく変えていくか。
それを家族みんなで探していく日々だとAさん。

身体機能が衰えて要介護度が進めば、「大変」や「不快」が増えていくこともあります。
たとえば食べるという行為も、本来は楽しくて豊かなことなのに、むせたりこぼしたりしたら、ご本人も苦痛ですし、介護する側も大変です。

どんな場合でも、工夫しだいで快適な状態に近づけられます。
「そういうものだ」とあきらめてしまえばそれまでです。

目の前の事態に対処するだけでは、現状を変えることはできません。
別の方法を介護の専門家に聞いたり、便利な道具を活用したり、できることはいろいろあります。

「不快を快にする」は、介護における永遠のテーマ。
みんなが我慢せず気持ちよく暮らすにはどうしたらいい?と考える習慣をつくることが、同居介護をより良くしていくコツだと言えるかもしれません。

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