独居、老老介護の親が心配...離れて暮らす家族にできること

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独居、老老介護の親が心配...離れて暮らす家族にできること

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

何に困っているか知ることが対応方法を検討する一歩です。毎年、厚生労働省が発表している「高齢社会白書(令和元年)」によると、65歳以上の高齢者のいる世帯のうち、47.2%が「単独世帯」「夫婦のみ世帯」を占めているそうです。
高齢者の割合が増加していますが、今後はもっと増えていくと考えられています。

介護保険制度によって、高齢の親でも、子ども世代に頼らず自立して暮らせるようになりました。
とはいえ、離れて暮らす親を思い、「どうしているかな」「大丈夫かな」と不安になることがあるのではないでしょうか。

・帰省したときに「歳を取ったな...」と感じることがある。
・日常生活のなかで、きちんとできていないことが増えている。
・電話の声に覇気(はき)がない。
・持病があるなど健康上の不安を抱えている。

さまざまなことが心配でも、すぐに会いに行けない距離に住んでいると、もどかしいものです。
自分の家のそばに呼び寄せたり、同居したりすることを検討する方も多いでしょう。

しかし、親御さんが望んでいないのにそうしてもうまくいかないものです。
離れていても、今までの生活を継続する方法はあります。
今回は、離れて住む親御さんをサポートする方法を詳しくまとめました。

● 何かあったときすぐに駆け付けてくれる人を見つける
老夫婦だけで暮らしている、あるいは独居で暮らしている場合、日頃から親子で連絡をよく取り合うことはもちろんですが、自分にかわって親御さんの様子を確認してくれる人が必要です。

たとえば、親御さんに電話をかけてもつながらない。
外出しているだけかもしれませんが、「もしかしたら倒れているのかも」「けがで動けない?」などと悪いことを想像ばかりしてしまい、いてもたってもいられない気持ちになることもあるかもしれません。

そんなとき心強いのが、すぐに様子を見に行ってくれる人の存在です。
親戚やきょうだいが駆け付けられる距離に住んでいるなら、「困ったことが起きたとき、どのように対処してほしいか」をきちんと話し合い、依頼できる関係性をつくっておきましょう。

在宅介護サービスや医療機関を利用していて、緊急連絡先があなたになっていたとしても、離れて住んでいるとすぐに駆けつけることができません。
当面の対応をお願いできる人がいないと、困ってしまうこともあるはずです。

該当する人が思い当たらない場合、地域包括支援センターで事情を伝え、支援をお願いしてみるのもひとつの方法。地域の民生委員の方や、自治会の世話役の方などとも話し合っておくと、何らかの方法が見つかるのではないでしょうか。

また高齢の方の暮らしは、隣近所とのかかわりがとても重要。
新聞がたまっていないかとか、毎日庭に出て畑仕事をしているかとか、日常をきちんと過ごしているか、近所の方が見守ってくださるとありがたいですね。

親御さんが普段、仲良くしているご近所の人は誰か、あなたは知っていますか?
帰省した際にお宅を訪ね、親御さんが変わりなく暮らしているか伺ったり、いつもと違う様子があれば教えていただけるよう連絡先を渡してお願いしたり、離れて暮らす子どもの側としても、ご近所との関係づくりを意識しましょう。


● 何日か同居して「心配なこと」を把握する
「年に何回かは帰省している」という方が多いと思いますが、それだけでは親御さんの日常生活が見えてこないこともあります。
わが子や孫が来たときは、ゆっくりしてもらおう、楽しんでもらおうと、いつも以上にがんばってしまう親は少なくありません。
気を張って親としての自分を保っているときの姿と、子どもや孫がいない日常生活の姿では、違っていることもあるのです。

イベントとしての帰省するのではなく、何もないときに何日か泊まってみてください。
その間、親御さんにはいつも通りのスケジュールで生活してもらいましょう。

できれば1週間、少なくとも2、3日一緒に生活してみると、1日をどうやって過ごしているのか、どんな人が家に訪ねてくるのかなど、親御さんの日常生活が見えてくると思います。
「掃除機が重くて大変そうだな」「同じものばかり食べていて栄養が心配だな」など、気がかりなことが見つかることでしょう。

「心配なこと」については、ケアマネジャーに相談してサポート方法を考えてもらうこともできます。
ちょっとしたことでも、気になったことがあれば対応方法を見つけておく。
離れて暮らすなら「心配の種」は、できるだけ少なくしておくことが肝心です。


● 在宅介護サービスが支援できない「困りごと」をどうするか
介護が必要な高齢者の世帯でも、在宅介護サービスを利用すれば、自立した生活を営むことはできます。
しかし、在宅介護サービスだけではカバーしきれない「困りごと」も多くあるものです。

たとえば、電球の交換、手が届かない場所や使っていない部屋の掃除、庭の手入れなど。
雪かきや、台風が来そうなときの備えなども、身軽に動けないお年寄りにとっては困ることです。
「自分ではできないけれど、人には頼みにくい」ことは、年齢を重ねるほど増えていきます。

しかし、在宅介護サービスは、ご本人の日常生活に必要なことしか支援できません。
在宅介護サービスが対応できない困りごとをどうするか。
解決策を見つけておくと、親御さんも安心して暮らすことができます。

具体的な方法としては、民間の有料サービスを活用する手段があります。
普段、お願いしている訪問介護サービスの事業所に、自費でお願いできるサービスがないか聞いてみるのも良いでしょう。セコム・マイホームコンシェルジュ(地域限定の会員制サービス。詳しくはhttps://www.secom.co.jp/personal/concierge/)のような、24時間365日、気軽に何でも頼めるサービスもあります。

シルバー人材サービスや民間のボランティア団体などでも、ちょっとした困りごとに対応してくれるところもあります。


いつまでも、住み慣れた地域、住み慣れた家で暮らしたい。
そのような思いを持っている方は少なくありません。
離れて暮らしていてもサポートする方法はいろいろありますので、「どんな助けがあれば安心して生活を継続できるか」を見極めることが大切です。

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