在宅介護での「事故」や「急変」に備えて家族は何をすべきか

介護情報なら安心介護のススメ

介護のキホン

介護保険や介護サービスなど関する
便利な情報をわかりやすくご紹介します。

  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る
  • ツイート
  • facebookでシェア
  • LINEで送る

在宅介護での「事故」や「急変」に備えて家族は何をすべきか

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

緊急時の対応と連絡先をリストにして貼っておきましょう。介護に携わる全員でリスト確認しあうようにしてください。在宅介護では、不慮の事故や、病気の急変などが起きることはあるものです。
高齢で要介護状態にある方なら、特にそのリスクが高いと言えます。

介護家族は、事故や急変が起きないよう、日ごろから「予防」を意識していると思います。
しかし、実際に起きてしまった後のことまでを念頭にした具体的な準備ができているでしょうか。

不慮の事故や、病気の急変など、いざ異変が起きたときに何をすれば良いのか。
介護家族は、どんな準備をしておくべきなのか。

対応しだいで命を左右したり、思い描いていたものと全く違った結果になることもありますので、この機会にしっかり向き合いましょう。
今回のテーマは「万が一事故が起きたり、容態が急変したらどうするか」です。

● 「どうしようもない」「しかたがない」で済ませない
在宅介護を支えるご家族ならば、いろいろな不安がよぎることと思います。

「もし家族がいないときに何か起きたらどうしよう」
「転んで動けなくなって誰にも見つけてもらえなかったら...」

住環境の事情や、ご本人の状態、家庭の状況によっては、「どうしようもできない...」と思える場合もあるかもしれませんが、「考えてもムダなこと」はないはずです。
「どうしようもできないこと」だからこそ、起きてしまったらどうしたらいいかを考えておきましょう。

大切なのは起こりうるリスクときちんと向き合うこと。
持病があるなら、悪化するとどんな急変が起きるのか。
家のなかのどこに、どんな事故が考えられるのか。

かかりつけ医や訪問介護のスタッフに相談しながら、考えられるリスクをリストアップしてみましょう。
身体の現状などを見極めて、近い将来起こるかもしれない異変がどんなものか、教えてもらえるはずです。
そのうえで、それは避けられることなのか、避けられないことなのか。
さけられないことなら、「何をしておくべきか」を考えてみてください。


● 事故・急変が起きたときの緊急連絡手段を準備する
在宅介護で事故や急変が起きたとき、避けたいのは「見つけてもらえないこと」。
自力で助けを呼ぶことができない状況も考えられます。
外部と連絡を取る方法を用意しておくことがとても重要です。

(1)手が届く場所に電話の子機を置いておく
たとえばヒートショックなどの急変や転倒事故が起きやすいトイレ、ご本人が長い時間を過ごすベッド、移動時に必ず通る廊下など、異変が起きることが考えられる場所に電話、あるいは電話機の子機を設置しておくと安心です。
転んで立ち上がれないケースもありますので、床に置いておくなどの工夫も必要です。

(2)緊急通報装置を利用する
ボタンひとつで外部と連絡がつく緊急通報装置を利用するのもおすすめです。
身に着けやすいコンパクトな端末が多いので、肌身離さずいられる安心感があります。
最近はこうした高齢者向けのサービスが増えていて、介護事業者や看護師とつながるものなどもあるようです。

(3)見守りセンサーを利用する
遠距離介護をしている方や、日中不在にしているご家族は、見守りセンサーを活用すると安心度が増します。
ご本人の動きや消費電力などを検知するもので、遠方からでも異変に気付くことができる仕組みです。
専用機器を設置するタイプのほか、ポット等の家電製品に組み込まれたものなどもあります。


● 緊急時の対応と連絡先をリストにして貼っておく
事故や急変が起きると、ご本人も不安ですし、ご家族も慌ててしまうものです。
どこに連絡をすれば良いのか、救急車を呼んだほうが良いのかなど、とっさに判断ができないことも考えられます。
また、ご家族が不在で、その場に居合わせた第三者が対応する場合も考えておかなくてはなりません。

誰もが適切に対処できるよう、一覧表にしておくことをおすすめします。

【ご本人について】
名前、生年月日、住所、自宅の電話番号など、ご本人の基本情報も大切です。
ご家族以外の第三者が発見することもあるので、誰が見ても正確に伝えられるように書いておいてください。

【緊急時の対応】
緊急性が高い場合は、救急車を要請しなくてはなりませんが、状態によっては訪問看護師やかかりつけ医の判断を仰いだほうが良い場合もあります。
ご本人を普段から診ている医療スタッフなら、「この状態なら救急車」「これくらいなら様子見して」などと具体的に教えてもらえると思います。
身体の状態の見極め方や、症状別の連絡先などをわかりやすく記しておきましょう。

【病歴や主治医・かかりつけ病院】
救急車を要請すると、救急隊員から病歴や通院している病院のことを必ず聞かれます。
わからないと搬送先が決められない場合もありますし、適切な対応ができない病院に搬送されてしまうこともあります。
重要な情報ですので、できるだけ詳しく書いておきましょう。

【ご家族の連絡先】
ご家族が不在の場合は、居合わせた第三者からご家族に連絡してもらうことになります。
不在時に連絡がつきやすいご家族の電話番号を必ず記しておきましょう。
連絡先はおひとりではなく、3人くらい書いておいたほうが安心です。
ご家族のほかにもケアマネジャーの連絡先も記載しておくとより良いと思います。
もらった名刺を貼っておいても良いでしょう。


これらの情報は1枚の紙にまとめて、目につきやすい場所に貼っておくことをおすすめします。
玄関先や電話のそばなどがわかりやすいかもしれませんね。

ケアマネジャーや訪問ヘルパーなど、ご自宅に出入りしている在宅介護を支えるスタッフには、「いざというときはこのようにお願いします」とリストを見せながら対応を確認しておくとよいでしょう。

セコムの介護応援ブログTOPへ