介護保険のマメ知識:介護報酬の「個別加算」と「体制加算」とは?

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介護保険のマメ知識:介護報酬の「個別加算」と「体制加算」とは?

こんにちは、セコムの武石(たけいし)です。

体制加算が事務所選びの参考になります。前回、介護サービス利用者に知ってほしい「介護保険のマメ知識」をまとめました。
初回のテーマとして取り上げたのは、「介護報酬の加算」。
サービス内容や介護サービス事業所の体制によって加算・減算されるしくみがあることをまとめました。

今回は、その後編。
「加算の種類」についてまとめます。
毎月、ケアマネジャーから渡されるサービス利用票にも、さまざまな「加算」が記載されているはずです。

「加算の種類」を知り、その意味を理解すると自己負担額や、利用できる介護サービスについても把握しやすくなります。ぜひ、参考にしてみてください。

【あわせて読みたい!マメ知識】
利用者が知っておくべき介護報酬の「加算」とは?

● 「個別加算」と「体制加算」の違いは?
介護報酬の加算は、「個別加算」と「体制加算」に大きくわけられます。

「個別加算」とは、個別のケアプランにつけられる加算。
利用者の課題に対して、必要とされるサービスや取り組みに対して報酬を上乗せするものです。

「体制加算」とは、事業所の体制づくりに対する加算。
職員のための研修の実施や、質の高いサービスを提供するための人員配置など、事業所の取り組みを評価して報酬を上乗せするものです。

個別加算は、ケアプランの内容によって人それぞれ異なりますが、体制加算は、事業所に対する加算なので、利用者全員に等しく算定されます。


● 成果の出るケアが「個別加算」の対象に
2021年の介護報酬改定では、寝たきり防止や重症化防止の取り組み推進が強化され、個別機能訓練や、口腔ケア、栄養、排せつ支援などに関する項目などが改定されました。
適宜リハビリや医療の専門家を交えながら、計画的かつ継続的に実施して、利用者の身体機能や生活の改善につなげていくことが、個別加算の要件です。

「自立した生活のために必要な訓練は何か?」。
より具体的で、より計画的な身体機能と生活機能の訓練が加算の対象になります。

着実に成果が出るような介護が加算の対象ということです。
改定により、介護サービス利用者にとっては成果獲得の期待が高まる一方、望む暮らしに必要なのかどうかを見極める必要があります。

「どんな暮らしがしたいか」「何ができるようになりたいか」など目的意識を持って、介護サービスを利用すること大切です。
「サービス利用票に記載された個別加算が、目標や課題に対して本当に必要なのかわからない」など、気になることがあればケアマネジャーと納得いくまで話し合いましょう。


● 事業所のレベルを表す「体制加算」
介護サービス事業所の「体制」に対して算定される「体制加算」。
どのような体制加算がついているかを読み解くことで、介護サービス事業所の特色を知ることができます。

たとえば、体制加算のひとつである「認知症加算」。
認知症のご高齢者を積極的に受け入れるための体制を整えていることに対する加算です。

認知症に関する専門的な研修を受けたリーダーや、通常の人員基準に加えて、看護職員や介護職員を2名以上常勤で確保しているなどの要件が必要とされます。

ほかにも「特定事業所加算」や「サービス提供加算」といった体制加算も、介護福祉士がたくさんいる、計画的に職員の研修をおこなっているなど、質の高いサービスを提供する体制が整っている事業所に対する加算です。

体制加算がたくさんついている事業所ほど、手厚いケアや安心してお願いできる環境が期待できるといえます。
どのような体制加算がついているのかを知れば、事業所選びの判断基準にもなるでしょう。

介護保険は、支え合いで成り立っています。
介護サービス利用者が負担する「加算」が、より質の高い介護を実現することに結び付いています。

【さらに介護保険のマメ知識】
2021年の介護報酬改定で「科学的介護推進体制加算(通称:LIFE加算)」という項目が新たに加わりました。
利用者の状況や自立支援の取り組みをデータとして蓄積して活用し、「根拠と効果のある科学的な介護」を目指すための加算です。
加算の新設にともなって科学的介護情報システム「LIFE」の運用がはじまっており、事業所が利用者の匿名データを入力することなどにより、加算されます。

超高齢社会を迎える日本で、より効率的に介護の成果を出していくには、科学的介護の実現が欠かせないということのあらわれでしょう。

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