ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 防災は、事例から学んだ小さな対策の積み重ねが大切
・今日は関東大震災の日「防災の日」
本日9月1日は「防災の日」、日本各地で防災訓練が行われていることと思います。防災の日は、1923年(大正12年)のこの日に、日本史上最大の災害被害を出した関東大震災が起きたことにちなんで制定されました。今ではそれが拡大されて、9月1日を含む1週間が「防災週間」となり、自然災害の恐ろしさを忘れないようにするため、また災害への対応が適確にできるようにするために、さまざまな形のイベントが行われるようになりました。
関東大震災は90年以上前の出来事になったこともあり、記憶から記録に、そして歴史へとその姿を変えつつあります。現代に生きる私たちは「震災」というと、いまだにその影響が現在進行形である東日本大震災、そして1995年の阪神淡路大震災を思い出します。しかし、関東大震災は、単独の地震で失われた命の数では、今でも史上最大です。
・災害が災害対策を進化させる
関東大震災は、現在の建築基準法につながる当時の法律に大きく影響を与え、かつそれ以降の震災のたびに少しずつそれが見直されて、今では日本の建築基準法は、世界一安全を重視した建物建設に関する法律と呼ばれるまでになっています。
災害事例からの勉強によって進化した対策は、建築基準法の改正などの大規模なものに限りません。たとえば、ご自宅や職場でレバーを上下することで水の出方を調整する「レバー式蛇口」を使われている方は少なくないものと思います。このレバー式蛇口は、以前は場所によってレバーの上げ下げと水の出方が統一されておらず、戸惑うことが少なくありませんでした。それが今では、このレバー式蛇口は、レバーを上げると水が出るように、下げると止まるように統一され、戸惑うことが少なくなりました。
・モノがあたると止まるように
レバーを下げると水が出る蛇口だと、地震などで上から落ちてきたモノがあたりレバーが下がると、水が出っぱなしになります。阪神淡路大震災では、実際にこれが起こり、マンションなどの受水槽が空になって断水する事故が頻発したそうです。この事例が教訓となり、レバー式蛇口の方式は「上げると出て、下げると止まる」形に統一されました。
実は、この方式には先輩がいます。ブレーカーなどの電気のスイッチです。電気のスイッチは、不用意にオンになると、水道の蛇口よりも事故につながるリスクが大きく、実際に過去には、意図せずにオンになったスイッチが原因となって多くの事故が起こっています。そのため、電気のスイッチのレバーは、上から落ちてきたモノがあたるなどの不可抗力によってオンになることがないように、普通はレバーを上にあげることで電気が通じるようになっています。
・失敗から学んだ小さな対策がいたるところに
日本では、過去の多くの事例をベースとした大小含めた膨大な経験知が、いざ災害という時のリスクを下げることに貢献しています。セコムでも「安全・安心のプロ」である自らの社員が、実際の被災者となった経験をベースとして開発した防災用品などを世に提供し、いざという時の備えの一助としてもらっています。
つい先日も豪雨による大きな被害がありましたが、災害列島である日本では、さまざまな災害がいつわが身に降りかからないとも限りません。私たちは、災害対策を常に自分自身の問題としとらえ、常にいざという時どうするかを考えておく必要があるのではないかと思います。
事例の多さがノウハウの蓄積につながり、それが安全、安心のベースとなるのは、防災に限らずセキュリティ対策全般にいえることです。今年の防災週間は金曜日まで、日本全国で、過去の事例によって蓄えられた経験知を共有するためのさまざまなイベントが開かれています。皆さんも、時間を見つけて出かけてみてはいかがでしょうか。
・過去の経験を共有するという災害対策
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