ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 車両盗難の4分の1はハイエース
先週、日本損害保険協会から2013年11月の自動車盗難事故実態調査の結果が発表されました。毎年11月に行われている調査で、車両盗難と車上ねらいについて、保険金を支払った事案をベースに集計しています。これによると、車両盗難は619件が対象で、保険金の支払金額は平均で175万円だったようです。また、都道府県別では千葉県が最も多く、次いで愛知県、神奈川県、大阪府と続きます。
前回、このコラムで書かせていただきましたが、警察庁発表の自動車盗の認知件数のランキングと同じような順番となっています。車種別の盗難ランキングをみると、ワースト1位はトヨタのハイエースで、7年連続してワースト1位となっています。以下、右図のようになっています。
狙われているハイエース
2012年の車両盗難件数との比較をすると、ハイエースは前年比121%の増加で、こちらもワースト1位となっています。2位は112%増のプリウスで、3位は100%増のカローラとなっています。
ハイエースとカローラは2012年の件数が2011年に比べて大きく減少し、2013年に再度大きく増加したために、今回の増加率が突出する形になりました。一方、プリウスは年々増加をしており、増加率の観点からすると、ハイエース以上に注意が必要な車と言えそうです。とはいえ、右図の構成比の欄にあるように、盗難車両619台のうちでハイエースの占める割合はおよそ24%となっています。ワースト1位を続けている、この7年のうちで最も高い値となっています。
人気のプリウスも注意
車両の登録時点からの期間では、盗難に遭うまでの平均月数は7年9か月となっています。5年以上の車両は76%もあり、年式が古い車が狙われる傾向となっています。最近の車では、イモビライザーが標準装備となっているケースが増えていますが、古い車は防犯対策がなされていないものも多く、狙われやすくなっているようです。一方で、昨年だけで25万台以上の販売台数となった、プリウスなどの人気車種もターゲットになっています。
また、昨年の販売台数ではプリウス以上となったアクアも、盗難件数ランキングで20位に初登場しています。新しい車も注意が必要です。イモビライザーを無効化するイモビカッターを不正使用するケースも見られます。県によっては、イモビカッターの不正所持を取り締まる条例が出されているところもありますが、まだ全国的な対策には至っていません。
被害に遭わないための対策、被害に遭った時の対策を
犯罪対策で、ルーチンアクティビティ理論というものがあります。次の3つが揃った時に犯罪が起こりやすいという考え方です。犯罪を企図する者、監視者の不在、ターゲットの3つです。これらのうち、どれか1つでも欠ければ、犯罪発生の可能性を下げることができます。犯罪者の存在、自動車の使用をやめること、の2つ条件はなくすことはできません。したがって、残る1つの条件をクリアにしておく必要があります。見通しが良く、夜でも照明のある場所に駐車することで、「監視者の不在」を減らすことです。
しかし、それでも不幸にして車両盗難に遭ってしまうこともでてきます。その対策として、いち早く盗難に気が付くこと、いち早く見つけることが重要となります。GPSによる位置情報提供サービスによって、被害を最小限に抑えることができます。さらに、被害を回復させるための自動車保険も重要な対策のひとつです。繰り返しになりますが、「被害に遭わないような対策」、「盗難発生時の被害拡大防止準備」、そして「保険」の3つの対策を揃えておき、万が一の自動車盗難に備えておきましょう。
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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
車両盗難ワーストランキング
(2013年11月、日本損害保険協会)
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