ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > ご加入の自動車保険、対物補償は?
過去のコラムでも書きましたが、広い意味でのセキュリティとは「ある組織のオペレーションが、あらかじめ定めたプラン通りに進み、理由によらず、それが妨げられないこと」と理解することができます。犯罪への対策や情報漏洩への備えなど、セキュリティ対策と呼ばれるものは色々ありますが、これらの対策によって、最終的に守らなければならないモノとは「その組織のオペレーション」です。あらゆる組織にとって、セキュリティ対策とは、自らのオペレーションを、どのような事故が起ころうとも、できるだけ当初の計画通りに回し続けるために行うモノなのです。
・個人のセキュリティで守らなければならない対象とは
個人の生活を考えた場合、「ある組織」とは「家庭」、守らなければならない「組織のオペレーション」とは「日々の幸せな生活」となります。個人にとっての広い意味でのセキュリティとは「幸せな生活が、あらかじめ想定していた通りに営まれ、理由によらずそれが妨げられないこと」です。すなわち、個人にとって、セキュリティ対策によって守らなければならないモノとは、「幸せな生活」というオペレーションだということです。
・習慣化によって意識されなくなる
多くの人は、自分の生活を守るという行動、個人の生活におけるリスクマネジメントを、あまり意識せずに行っています。施錠をしたり、何かあったときの連絡先を確認したりなどは、立派なリスクマネジメントの行為(前者はリスクコントロール、後者はクライシスマネジメントにあたります)ですが、なかば習慣的に行っていることも多く、そのため「自らの(幸せな)生活を守る」という意識が抜けてしまっていることも少なくありません。
・保険加入も幸せな生活を守るため
この個人の生活におけるリスクマネジメントを、あまり意識せずに習慣として行っているということは、「万が一の時のお金の備え」(リスクファイナンス)である保険加入についても言えるかと思います。
個人の生活において、保険料というコストをかけて加入する保険も、広い意味でのセキュリティ対策にあたります。すなわち、「幸せな生活が、あらかじめ想定していた通りに営まれ、理由によらずそれが妨げられないこと」を目的として、金銭的な補償手段を用意するセキュリティ対策が保険加入であるということです。
・皆さんはどういう理由で自動車保険に入っていますか?
個人の生活に密着した保険の代表として自動車保険があります。自動車保険は、車の購入と同時に、入るのが当たり前だからという理由で入ることが多い保険の代表ではないかと思います。また、一年ごとの更新契約の際にも、前年と同様の契約を継続という形が多いため、保険料の削減という観点以外では、その内容について綿密に検討することもあまり多くないことでしょう。
さて、皆さんは、ご加入の自動車保険において、対人、対物にかかわらず、賠償の上限金額を「無制限」にしていますでしょうか? 対人賠償については、上限金額を無制限にしている人であっても、対物賠償については無制限としていない場合は少なくありません。昔、補償内容についてあまり検討せずに加入した自動車保険を、その内容をあまり検討することなしに、継続する人が多いのもその理由の一つではないかと思います。
・対物賠償も無制限になっていますか?
車を運転していて事故を起こしたとしても、相手が普通の乗用車や、ガードレールなどであれば、対物賠償の金額は想像できる範囲に収まることが多いことでしょう。一方、商店や食品を運ぶ冷凍トラックと対物事故を起こし、商品をダメにした場合、その賠償金は、想像を超える金額となることもあり得るのです。衝突事故以外にも、踏切における車両トラブルなどで電車を止めた場合や、予期せぬ発煙などによってトンネル内の照明機器を汚してしまった場合など、賠償金額が高額に及ぶ事故が起こる可能性はゼロではありません。
自動車保険は、このような事態から、個人の生活を守るためのセキュリティ対策であることをぜひ意識するようにしてください。ご加入の自動車保険の証書を確認し、「対物賠償」に上限金額が設けられていた場合、それを外す検討をお勧めしたいと思います。「まさかそんなことは起こらないだろう」と思われる方もおられるでしょうが、目の飛び出るような請求書を手にしてからでは遅いのです。自動車保険を考えるうえにおいても、金銭的に「まさか」に備え、「日々の幸せな生活」を守るためのセキュリティ対策の一つが保険加入であるということを意識する必要があるということです。
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