ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > カギとはいったい何だろう?
今日は6月9日、6と9の語呂合わせから「ロックの日」とされています。部屋や建物などの場所に関する防犯対策と聞くと、まず、カギを思い浮かべる人が多いものと思います。今回は、ロックの日ちなんで、カギについて色々考えてみます。
カギの正式名称は「錠前」、ドアについている機構部「錠(Lock)」と、その錠を施解錠するための操作具「鍵(Key)」とがセットになったものです。持ち歩く操作具を鍵(かぎ)、ドア側の機構部を錠(じょう)と呼ぶのが正式ですが、一般的にはドア側の機構部もよく「カギ」と呼ばれています。
・場所の安全に関するセキュリティは、どう実現する?
セキュリティは、広い意味では「ある組織のオペレーションが、あらかじめ定めたプラン通りに進み、理由によらず、それが妨げられないこと」ですが、一般的には、防犯対策とセキュリティ対策は、同じような意味合いで使うことも多くあります。
場所の安全に関する(狭い意味での)セキュリティとは、「正当な目的を持たないエージェントを管理区画の中に入れないこと」と考えることができます。「エージェント」とは周りに働きかける作用を持つモノのことであり、人間や化学物質、爆発物やコンピュータソフトウェアなどのことです。
例えば、「泥棒という『正当な目的を持たないエージェント』を、家という『管理区画』に入れないこと」、「コンピュータウイルスという『正当な目的を持たないエージェント』を、コンピュータという『管理区画』に入れないこと」など、場所の安全に関する(狭義の)セキュリティは、概ねこの解釈で理解できます。「毒物を人体に入れないこと」、「爆発物を許された場所以外に入れないこと」など、すべて同じ考え方で理解可能です。
・カギの本質とは何か?
カギ(錠前)は、鍵を持っている人間には、それで錠を解錠することで部屋への侵入を許し、鍵を持っていない人間には、部屋への進入を許さないという働きをします。この「正当な目的を持たないエージェントを管理区画の中に入れないこと」と、「正当な目的を持つエージェントに対しては、管理区画への進入を許すこと」を、同時に実現するための手段が、カギと呼ばれるモノの本質です。
「ある組織のオペレーションが、あらかじめ定めたプラン通りに進み、理由によらず、それが妨げられないこと」という広い意味でのセキュリティを実現するためには、「その組織のオペレーション」を妨げる可能性のあるエージェントを、オペレーションが営まれている「管理区画」に入れてはなりません。カギとはこれを実現するための手段なのです。
このように考えると、インターネットを介して銀行口座へのアクセスの可否を判断する認証IDや、その所持によって国への入国の可否を判断するためのパスポートなどは、広い意味でのカギにあたると考えることができます。
遠い昔からカギは、正当目的を持たないエージェントである、悪意ある人間の攻撃にさらされ続けてきました。先のコラムで紹介したネットバンキングの認証IDの詐取や、パスポート偽造などは、この(広い意味の)カギに対する攻撃であると言えます。
・カギの扱いによりいっそうの注意を
どのような場合においても、セキュリティ対策によって、最終的に守らなければならないモノは「ある場所で営まれているその組織のオペレーション」です。個人にとっては「家という場所で営まれている幸せな生活」というオペレーションこそが、セキュリティ対策によって守らなければならない対象にあたります。そして、そのセキュリティ対策の代表が、悪意あるエージェントを入れないための、私たちがカギと呼んでいるモノなのです。
現代社会は、ネットや無線などの先端技術によってますます便利になってきています。そして、このような時代だからこそ、「正当な目的を持たないエージェントを管理区画の中に入れないこと」と、「正当な目的を持つエージェントに対しては、管理区画への進入を許すこと」を実現するカギは、その重要性をますます増してきていると言えます。私たちは、さまざまな形態をとることが多くなったカギの管理に、今まで以上に気をつけなければなりません。そしてその心構えこそが、現代社会を生きる私たちが、幸せな日々を送るための扉を開くための、文字通りのキーとなるのです。
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