ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 泥棒に対して最もスキのあるタイミングとは?
・3月にハイシーズンになるできごととは?
今年も3月なかば、学校の校門に卒業式の看板を見ることが多くなっています。職場でも異動の内示がなされ、4月からは心機一転、新しい学校や職場に、引っ越したばかりの馴れない住まいから通うという人も多くおられるものと思います。日本は、今が引越しのハイシーズン、引越し業界にとっては一年の中でも一番忙しい時期を迎えています。これを受け、今回は、引越しの際のセキュリティについて、色々考えてみたいと思います。
泥棒に対するセキュリティを考えた場合、非日常である引越しは、個人の生活の中でも最も脆弱なタイミングの一つといえます。
・その際、施錠は難しい
引越しの際には、玄関などの出入り口をいちいち施錠していては荷物をスムーズに運べません。また、大型の家具や家電製品の搬出入の際には、ホコリが舞い散ることも多いため、窓を開けっ放しのことも少なくありません。また、一般の住宅の引越しの場合、引越業者の作業員は全員で家財の搬出入の業務を行うのが普通のため、搬出入を行っている荷物に対し、常に注意している人がいないということもあります。
・その際は、物色しやすく、被害にも気がつきにくい
引越しでは、小さな家財などを段ボール箱に入れ、その段ボール箱の表に「中に何が入っているかを書く」ことがごく当たり前に行われます。そのため、泥棒は、段ボールの記載を見るだけで、ターゲットを物色できてしまいます。泥棒にとって家捜しの手間が省けるということにつながります。また、引越しでは、モノが見当たらなくても、どこかに紛れたのだろう、自分の勘違いだろうと思いがちで、すぐに気がつく人は少ないことでしょう。
引越しが、泥棒に対して多くのスキを抱えたタイミングである理由はそのほかにもありますが、まず、私たちは何に注意すればよいのでしょうか。
・その際には、怪しまれにくい
引越しの作業中に、作業着を身にまとった泥棒がやってきてモノを持って行っても、それを見た周囲の人が不審に思うことはまずありません。マスクやタオルなどで、顔を覆っていたとしても、引越しの際のホコリ対策と見なされ、これも怪しまれることは少ないでしょう。不審に思われて声をかけられた場合でも、「臨時のアルバイトです」のようなもっともらしい言い逃れをすることも不可能ではありません。
・泥棒対策で具体的にできること
引越しが泥棒に対して多くのスキを抱えた脆弱なタイミングであることがお分かりいただけたのではないかと思います。それでは、引越の際、私たちは何に注意すれば良いのでしょうか?
作業中の現場において家財などの見張り役を立てる、作業中の住宅やトラックの収納庫など、引越しの当事者がその場所にいないときは可能な限り施錠する、などを心がけることが第一です。また、すこしでも怪しいと感じた場合には、すぐに声をかけ、引越業者の責任者と連携をとり、確認するようにしてください。
・記録は別に、またデジタル画像も役立つ
また、段ボール箱には記号などを書くにとどめ、中に何が入っているかを分からないようにしておいた方が安全でしょう。
この際、一般的には記号と中身の対応表を作るかと思いますが、今では、スマートフォンなどのデジカメ機能も普及しているため、段ボールの中身を文字で書かずに、段ボールの記号と共に、中身の写真を撮っておくことも現実的な方法です。
あの写真は確かにこの箱に入れたはずといった勘違いを無くすことから、防犯対策にとどまらず、引越し後の荷物の整理などにも大いに役に立つはずです。
・そして最後はハンドキャリー
そして最後に、本当に大切なものは、引越し荷物に入れず、自分自身の手でハンドキャリーするように心がけてください。
年度末にあたり、これから新しい環境に引越しをする人は、泥棒にとってはこれほど仕事がしやすい時はないということに、ぜひ注意するようにしてください。今回のコラムの内容がその参考になれば幸いです。
【関連情報 pick up!】
・安心豆知識「環境が変わったときに注意が必要なこと」
・安心豆知識「泥棒の服装と不審の判断基準」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |