ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 毎日、日本の人口と同じ金額の被害が出ている犯罪とは?
・過去最悪の被害がでた犯罪
振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害が、昨年約487億円に達し、過去最悪となったことがニュースになっています。単純に計算しても1日に1億3000万円以上の被害が出たということであり、日本の人口が1億2700万人ほどですから、一日に日本人一人当たり1円ちょっとのお金がだまし取られているという計算となります。この事実に、警察も「非常に深刻な状況」にあるとの見解を示しています。今回はこれを受け、「振り込め詐欺」などの「特殊詐欺」の手口を紹介し、改めて考えてみます。
・「お金で解決!」型
電話で息子や孫、息子や孫の上司や警察官、弁護士などを名乗り、勤務先での横領、トラブルや交通事故の示談金名目で、お金をだまし取る「オレオレ詐欺」(お金で解決型の詐欺)の手口が有名ですが、特殊詐欺の手口はこれに限りません。
・「支払え! 貸します! 返します!」型
ほかにも、架空の取引に対する料金を請求する「支払え詐欺」(架空請求詐欺)、低金利の融資を持ちかけ、申込者から保証金や信用調査などの名目でお金をだまし取る「貸します詐欺」(融資保証金詐欺)、税金や保険料、医療費、利用料金等の還付等に必要な手続きをするという名目でATMを操作させてお金を振り込ませる「返します詐欺」(還付金詐欺)などがあります。
・「もうかります! 紹介します!」型
また、人の射幸心につけ込む手口として「必ずもうかる」「高額で買い取る」「あなただけ」などの甘言で、架空の有価証券などの購入を持ちかけたり、「宝くじの当たり番号」や「競馬必勝情報」などのうその情報の提供を装ったりする「もうかります詐欺」や、仕事や異性の紹介などの登録料や保証料の名目でお金をだまし取る「紹介します詐欺」などもあります。
・ほかにもまだまだ・・・
以上が、警察が紹介している過去にあった詐欺の手口の紹介ですが、他にも、亡くなったばかりの故人の遺族に、偽の「故人が生前にした借金」への返済を求める手口や、入試に合格したばかりの受験生の保護者に、学校への出資や寄付を働きかける手口など、詐欺の手口は日々開発されており、枚挙にいとまがありません。
・特殊詐欺に共通する特徴とは?
過去のコラムでも触れましたが、これらの詐欺から身を守るためには「複数の筋から情報を得る」ことが重要となります。一方、詐欺の犯行グループは、他から情報を得させまいとして、「今すぐ」「早いもの勝ち」「あなただけ」「他言無用」などの「限定する表現」を使って攻め込んできます。特殊詐欺に見られる共通の特徴は、これらの「限定する表現」を、直接対面せず、電話や手紙、メールなどの「遠隔地からの通信手段」を使ってくるところです。
・「自分はだまされない」という思い込みは危険
オレオレ詐欺などの特殊詐欺の被害者の多くが「自分はだまされない」と思い込んでいたとの報道があります。逆に「自分もだまされるかも」と思っている人間は、その危機意識からだまされにくいとも言えるかもしれません。
特殊詐欺の被害は決して他人事ではありません。「自分もだまされるかも」という危機意識を持ち、特殊詐欺の手口に共通する特徴、すなわち「遠隔地からの通信手段」を使ったなんらかの「限定表現」に十分に気をつけることです。
もし、これらの特徴を備えた働きかけに遭遇したら、即詐欺を疑い、警察や家族、そしてネットなど「複数の筋から情報を得る」ようにしてください。このような心がけが、詐欺被害から自分を守ることにつながるのです。
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